儚(はかな)しや 夏の夜空の 美人草


Fireworks bloom for a moment in the summer night sky and disappear instantly. It reminds us of a transient life.
夏は花火のシーズンでもあります。
今日本全国のあちらこちらで花火大会が催され、暑い夏のひと時を、暑さも忘れ、老若男女、夜空にに繰り広げられるいちだいページェントに酔い痴れます。
春の桜が、パーっと咲いて、パーっと散る、あの桜の生き様が日本人には何とも答えられない共感を呼び起こすように、花火も同じ共感を呼び起こします。。
悠久の時の流れの中で一瞬しか生きることのできない人間、いや、生きとし生きるものの儚さを、桜に見、花火に見るからです。

この句は、句頭に、は、な、び、を配して詠みました。
儚さと遊びは切り離せません。それを句に結びたかったのです。
美人草という草花は正式にはありません。
ヒナゲシ、ホウセンカ、サネカズラの別称です。
漱石の『虞美人草』という小説の題名も、この美人草に由来し、中国の『三国志』に出てくる項羽の愛人「虞姫」に掛けたものです。
最後には、毒をあおって自死した、虚栄心の強い美貌の女性甲野藤尾の生涯を描いた作品です。

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