春の海 出船仕度も のんびりと

A small fishing boat is preparing to go out in a small fishing port with a clear sky and a deep blue sea. During that time, the sound of the seabirds’ crying, the sound of the ship’s whistle from far, the sound of the sea wave are coming to me.

晴れ渡った空と紺碧の海。一隻の小さな漁船が出漁の準備をしています。もう他の漁船は出払って一隻も残っていません。防波堤の端に海鳥が留まってその様子を見ているようにも見えます。遠くからは、これまた出遅れた漁船が誘うように警笛を鳴らしながら港を離れて行きます。打ち寄せる波の音と海鳥の鳴き声だけが聞こえてきます。何もかもがのんびりと時の流れを忘れたかのような光景です。

昔なら、ここにおればここだけが世界であったでしょうに。今はそうではありません。移動手段が発達し、情報網が張り巡らされ、それらを利用すれば、世界のあらゆるところに出かけ、あらゆる光景を目にし、あらゆるニュースを知り、驚き、悲しみ、喜び、味わい、一人の人間には対応しきれない生活に対応していかねばなりません。

人間も変わるけれども、自然も変わり続けます。行きつく果ては何でしょう。それを知りこともなく消えていくのもまた一人の人間です。

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