風鈴も しばし昼寝の この暑さ


The wind stopped, only the sunlight is shining down. Wind chimes hung on the eaves are also taking a nap.
昔、電車にクーラーがつくというニュースが流れた時、えっ、窓からあんな涼しい風が吹き込んでくるのになんでクーラーなんかいれるんかな、と思ったことがある。
今はもうどんな家庭にもクーラー(暖房も併用だと空調機)は設置されている。それでも、年配の澄む過程ほど利用度は少なく、子供がいる家庭はほぼ100%利用しているそうだ。
つまり、6,70世代の人たちは子供のころ空調なんて無かったわけで、その快適さを知らにまま過ごした習慣から抜け出せないままになっているからだ。
暑い夏は、昼間は窓という窓は開けっぱなしにして、室内では肌着一枚、扇風機を回して、団扇であおいで暑さを凌ぎ、夜ともなれば、椅子を持って外に出たり、床几と言って、畳1畳くらいの長椅子を持ち出して、近所の人たちと一緒に座って雑談したり、そうして涼をとるのが当たり前だった。
家の軒先には風鈴がどの家にもかかっていて、涼しげな音が流れる中、井戸で冷やしたスイカを割り、トコロテンに酢醤油をかけて食べ、いろんな工夫をして暑さを凌いだ。
夜歩いていたら、フーっと人魂が飛んできて、池の中に消えって行った。きっと、昔この池に飛び込んだ人の怨霊に違いない。恨めしや、恨めしや、それっ、とおっちゃんが突然大声を出すと、聞いていた子供たちが皆んなワッと固まった、なんて怪談で盛り上がったもんだ。
さあ、少し風が吹いて、この風鈴の音を聞きたいよぉ。