有難や 今年も初柿 貰い物

I ate the first kaki, persimmon, of this year. Like a year ago it is a gift. Because it was sweet and a warm gift, it was more delicious.

昔から「柿を食べると体が冷える」とよく言われたものです。これは全くある現象を真逆に解釈したことによって生まれた俗言です。

ある現象とは、酒を飲んだあと柿を食べるとアルコールの分解度が高まり、早く酔醒する。せっかく酒で体が温まったのにアルコールが体から抜けるものだから体が冷える。こういうことから生まれた俗言です。つまり、呑兵衛が言い始めたんでしょうね。

それどころか、このことは呑兵衛にとっても良い作用で、二日酔いの原因である、アルコールからアセトアルデヒド、これが肝臓に溜まって起こるのが二日酔いの原因なのですが、これを分解、利尿してくれるから二日酔いが早く覚めるんですね。柿は利尿剤としても有効ということですね。

また、この俗言が敷衍して「柿は体を冷やすだけで栄養はない」という人もいます。全く逆で、柿は、ビタミンCやβカロテンなどを多く含む果物に中でもトップクラスの栄養価の高い果物です。

アルコールの分解を促進する物質は、渋み成分のタンニンですが、このタンニン、アセトアルデヒドを分解することによって肝臓を保護するだけでなく、動脈硬化を防ぐことでも知られています。タンニンに含まれているカリウムが、動脈硬化の原因であるナトリュウムに取って代わるからですね。だから、高血圧の人、心筋梗塞や脳梗塞、高脂血症の人には有り難い成分であるわけです。

このタンニンはまた、甘柿、渋柿を決める役割を果たしているんですね。水に溶けなければ甘いが、水に溶けたら渋い。甘さと渋さの原因になっているんですから面白いですね。

子供の時、山に成っている柿を食べたら渋柿で、うえって吐き出したことを思い出します。その渋柿を藁に通して軒先に吊るしていたら、いつの間にか甘くなっている。不思議だなあと感心したものです。