刈り干しを 終えた棚田に 鶫(つぐみ)鳴き

The bird that tells the winter,Tsugumi, is singing in the step-like rice paddies which have finished harvesting and are hanging harvested rice.

棚田は平野の少ない日本では全国どこでも見かけます。しかし、どちらかといえば平地の少ない西日本に多く、比較的平地の多い関東方面は少なく大きな扇状地に見かける程度です。

稲作は一定期間水を張らねばならず、しかも水はけもいることから地面の傾斜が必要です。関東地方や、最近の北海道のように平地で稲作ができるようになったのは潅漑が発達したからで、こうした平地で稲作ができるようになったのは歴史的には近代になってからです。

世界でも、中国雲南省の棚田は世界遺産になっているほどで、ここの傾斜は日本どころではありません。

その棚田も、日本では減反政策や農業離れで休耕田も多くなり、今では「どこどこの棚田」と観光名所になるほどです。

昨日訪ねた大阪府千早赤阪村の「下赤阪棚田」は「日本の棚田百選」に選ばれている棚田で、規模は小さいですが、今でも立派に棚田水田として機能しています。

車で行ったのですが、片方は崖、片方は農業水路で、車一台しか通れない農道で、本来は車で入るべきところではない(と後で聞かされました)道を進み、ヒア汗の連続でした。

収穫も終え、刈干も住んで、脱穀したお米を米袋に入れている最中でしたが、刈り取った水田跡に冬を告げるツグミが早くも到来し、小さな声でピヨピヨと鶏の雛のように鳴いていました。