湯豆腐も 旅路を誘う 南禅寺

One of the purpose of visiting Nanzenji Temple is to eat Yudofu, simmered tofu. After worshiping, eating it makes my body and mind warm.

湯豆腐が美味しい季節になりました。湯豆腐と言えば京都。中でも、ここ南禅寺と西の嵐山は湯豆腐どころ。多くの観光客が舌鼓を打って京都を実感するわけです。

南禅寺は湯豆腐の発祥の地というだけあって、老舗の『奥丹』や『順正』は土日はいつも満席、なかなかお店に入れません。

手入れの行き届いた和風庭園を眺めながら、昆布出汁で豆腐を茹でて、薬味とぽん酢であっさりいただき、添え物の京漬物、大好きな湯葉を口にすれば、もうこれだけで京都情緒満天です。

心身ともに暖っかくなってお店を出た時の冷気がまたなんとも言えません。どのみちを辿ろうとも、紅葉、紅葉。季節を感じながら人混みを歩くのも苦になりません。

また、少し脇道にそれると今までの喧騒が嘘のよう。すれ違う人もわずかで、孤独を感じる急変がまたおかし。

深まりゆく秋の一日を、こうして南禅寺周辺を当て所もなく歩くと、行く先々で美しきものを感じ、日本を感じ、歴史を感じ、また自分の来し方行く末をつくづく感じる、なんとも満ち足りた気分になります。