黐(モチ)の実に 里を賑わす 小鳥たち

The big Mochi tree spreading in the blue sky is heavy with the red fruits. In search of the fruit birds gathered and its chirping is echoing around.

透き通るような青空を背景に大きなクロガネモチの木に赤い実が鈴なりです。夜明けとともにヒヨドリや名も知れない小鳥たちが集まってきて、その鳴き声があたりに響きます。はたしてこの小さな実がおいしいのか、ただ赤くて目につくから集まってきているのか、小鳥たちに聞いてみたい気がします。

昨日、一昨日はセンター試験で、テレビでも報じていましたが、新しい年が動き始めた気がします。

1月は長いような短いような、あれ、まだ1月なんだと思うこともあれば、もう1月も半ばを過ぎたと思うことがあります。1月はいろんな行事がありますから、一つ一つを思い起こせば長く感じ、ひとまとめにすると短く感じるのかもしれません。

外に出ると、スーパーにもコンビニにも「恵方巻」の宣伝がやたら目に付き、そういえば2月も間近かなんだと気が急く気もします。

今年はどういう1年になるのか、どうか昨年のような災害が起こってほしくない、こののどかな風景に、そんな思いを強くする次第です。

忌まわしい 思いは消えぬ ダチュラかな

Dachura reminds me of two things. One thing is about Hanaoka Seishu and the other is Ohm Shinrikyo. That saved people and this killed people.

もうチョウセンアサガオが咲いていました。春先に咲く花ですが、温暖な地域ではこの頃から咲くんですね。

ここに挙げたダチュラとはキナリチョウセンアサガオの別名です。普通に言うチョウイセンアサガオは一年草の草本系ですが、ダチュラは木なりで木本系です。いずれも猛毒を含み、この毒性を利用して花岡青洲先生は麻酔薬を作って世界で初めて全身麻酔による癌手術を成功させました。これを記念してチョウセンアサガオは麻酔学会のシンボルマークになっています。

一方、1995年の1月に起こった阪神淡路大震災の直後3月にあの忌まわしい地下鉄サリン事件が起こったのですが、これを起こしたオーム真理教が信徒の洗脳に使ったのもこのチョウセンアサガオです。ニュースでも時々「ダチュラ」という言葉が出ましたが、覚えておられるでしょうか。チョウセンアサガオは諸刃の刃(もろはのやいば)になったわけです。

花は大きくてお世辞にも可愛い花とは言えませんが、純白はナイチンゲールを連想させる清潔感があります。

オーム真理教との関連は忘れたいですが、花岡青洲先生のことは、皆さん、よく記憶に留めておいていただきたいです。

新年に いのちを運べ 鳳凰堂

In the Byodo-in of Uji, the bustle of the year-end and new year has completely disappeared and silence with no sound is coming back. The noble and balanced appearance is exquisite.

新元号がどうなるか、だんだん騒がしくなってきました。

1.漢字2文字
2.読み書きしやすい
3.過去に使われていない
4.国民の理想にふさわしい言葉
5.俗用されていない
6.1文字15画が上限
7.明治(M)大正(T)昭和(S)平成(H)のアルファベット頭文字を避ける

という一定のルールがあるそうです。

あるアンケート調査によると、「安」と「永」の二文字が最も人気があるそうです。この二文字を組み合わせた「安永」はすでにあって、「永安」では座りが悪い。ネットでもいろいろ見てみましたが、最も目についたのは「安久」。

ローマ字綴りだと「ANKYUU」で頭に「S」をつければ「SANKYUU」、英語の「Thank You」に通じますね。こうして予想を立ててみるのも面白くて暇つぶしにはなります。

「安久」、これですかね。

小正月 煮麺仕立ての 鏡餅

Kagami-biraki is the traditional practice of eating the kagami-mochi that were offered to the gods. I cooked my favorite Nyumen containing pieces of Kagami-mochi and ate it.

お正月、小正月、門松、鏡餅、鏡開き、等など、1月初めにはこうした言葉が飛び交いますが、すべて神道の「歳神様」に由来する行事です。

神道は、古来からある日本独自の宗教で、山や川、木や森、雷や風、野生動物といった森羅万象に神が宿るとする考え方で、それを一括りにしたのが「歳神様」です。

その歳神様は年に二回、お正月とお盆に天上から降臨されるので、それをお迎えし、接待し、お見送りするのが、お正月やお盆の行事で、古来から引き継がれているわけです。

12月13日には「すす払い」をして家に中を綺麗にし、門松、しめ縄、鏡餅でご案内の準備をして、初日の出とともにご来光されるのをお待ちする。ご来校されたら、お節でお接待、松の内といって1月7日までご滞在され、やがて天上の帰られる。そしてその後片付けが小正月で、関東では1月11日か20日、関西では15日か20日が締めの日になるわけです。

宗教的に見ても日本の神道は独自の発展と変容を辿ってきたわけですが、実は気付かぬまま日本人の生活の中には神道の行事や習慣が根付いています。

神道は、仏教とともに日本の宗教として根付いてきましたが、神道を信仰しているという自覚を持っている人は非常に少ないのが現状ですね。日本人が無宗教だと言われる所以でもあるわけです。

月影に 睦月あの日の 走馬灯

This is the 24th year since the Great Hanshin Awaji earthquake occurred. When I am looking at the moonlight which illuminates the surface of the water in this way, the state of the time is remembered like a running lamp.

大きな揺れと柱の軋む音に飛び起きました。大地震だ。瞬間にそう思いました。当時奈良県生駒市に住んでいましたが、どこが震源かはわからないが、ともかく今までには体験したことのない地震でした。

テレビを付けると、震源は兵庫県の淡路島だという。神戸方面の上空から写した画像が流れる。あちらこちらから煙が上がっている。「死者10人」のテロップが流れる。数分後には死者20人。これだけでもとんでもない地震が起こったんだと思いました。

とるものもとりあえず、兵庫県の東、尼崎市武庫之荘にあった教室に向かいました。阪急梅田駅を目指しましたが、普段利用している御堂筋線は不通。仕方なく谷町線で南森町まで行って、そこから徒歩およそ3㎞。阪急梅田駅までやっとたどり着いたけれども、阪急神戸線も不通。

「ただいま地震のため不通です。」という張り紙が貼ってあるので、しばらくしたら開通するのかと、紀伊國屋書店の入口に掛かってある大型テレビを見ながら、しばらく待機。火災はどんどん広がり、「ただいま死者50人」、「100人」とどんどん死者数が増える。

2時間待っても開通する様子もないので、車で行こうと、奈良の自宅に帰ることに決める。これがとんでもない誤算。

国道2号線(大阪~北九州)の起点である桜橋までは何とかたどり着けたが、そこからは1cmも動かない。後ろからは「岐阜県消防隊」とか「愛知県消防隊」と書いた幟を立てた各県の救助隊がサイレンを鳴らしながら駆け付けてはいるがこれも全く停止したまま。

こりゃ駄目だと引っ返そうにも引っ返せない。車の車列から抜け出せないのです。何とか脇道に脱出できた時はもう日も落ちて真っ暗。周りのビルの殆どが停電で、大阪都心とは思えない。ただただ帰りを急ぐだけでした。

寒風に 糸を垂らして 鯵二匹

I went fishing while a cold wind was blowing. It was very cold so I couldn’t catch easily fish. In the end I only caught two horse-mackerels. At that time the body was completely cold. Good grief!

晴天が続いています。気温は一桁台。寒いことは寒いですが、雪も全く降りませんし、水道が凍るということもありません。ありがたいことはありがたいですが、これが地球の温暖化のせいだと考えると手放しで喜んでいるわけにもいきません。

まだ1月も半ばだから、これからもっと寒くなったり、雪が積もる事があるかもしれませんが、早咲きの梅も数は少ないですが咲き始めています。昼の長さも目に見えて長くなってきています。

そんな中、天気がいいのでふらっと魚釣りに出かけました。完全武装で出かけましたが、風も強くやはり寒いです。糸を垂らしても全く反応はありません。魚も寒くて身動きがとれないのかもしれません。

半分諦めて、体を温めるために浜辺を行ったり来たり。しばらくそうして元の場所に帰ってみると、穂先がピクピク動いている。ヤッターですね。釣り上げたら20センチばかりの鰺です。そしてその後すぐにもう一匹。もう有頂天です。

しかし、結局はそこまで。後はピクリともしません。体は冷えるばかり。2時間もいたでしょうか。そそくさと退散です。

でも大満足です。この2匹のアジの美味しかったこと。

蝋梅に 湯上り人の 影を追い

Robai blossoms, Winter-seet blossoms, have a scent of soap. It feels like the fragrance of a loved one just after finishing a bath.

蝋梅が満開です。甘い石鹸のような香りがあたりに漂っています。

悩ましい香りにも感じますし、湯浴びする赤ちゃんから漂ってくる香りのようにも感じます。

梅よりも先に開花し、香りが強く、花のつき方も梅に似ているので「梅」という名が付きますが、クスノキに近い種類です。種子にはアルカロイド系の毒があり危険です。

この花が咲くと春間近、梅が咲き、桜が咲き、いたるところで命が萌え始まます。

今年は元号も変わり、日本丸も改装なっての船出ですが、海はしけ模様、内外ともに予断を許さない状況ですが、何とか勢いよく乗り切って欲しいものです。

紅白の 蕪(かぶら)で祝う 小正月

There is still soil on red and white turnips which have just dug out the frost. We will celebrate the last day of the New Year by eating Ozoni, Japanese traditional soup dish for New Year’s, with  using these turnips.

今日は成人の日だそうです。なんか締まりませんね。成人式は1月15日と頭に焼き付いているものには、年によって変わる成人式はいただけません。まあ色んな事情があってそうなったんでしょうが、体育の日とか海の日と言った祭日ならともかく、元旦とか子供の日とかいった祝日は毎年決まった日がいいように思います。

この成人式も、ひところは傍若無人な若者に引っ掻き回される事が多かったようですが、最近はおとなしくなったとか。これはこれでまた心配にもなります。

新成人の数も、ピーク時の1970年の250万人近くから今年の125万人に半減していますからね。それでも昨年よりかは2万人増えたとか。このまま増え続けたらいいんですが、昨年ですか、出生数が100万人を切ったというから、今後まだまだ減り続けるわけです。

1月19日にはセンター試験がありますが、日本の高等教育者数はだいたい70%ですから、125万人の70%は84万人。大学、高等専門学校の総定員と拮抗しています。大学に限れば、定員の方が多いわけですから、日本の大学の半数以上が定員割れ。言ってみれば大学全入制が実現したわけです。

聞く所によれば、どの大学も留学生が溢れているといいますから、これで何とか大学の体裁を保っているんでしょうね。

今日の赤蕪と白蕪で成人式と小正月を祝いたいんですが、心配ばかりが先に立って、歳なんでしょうね。

山茶花の 踏むに踏めない 花絨毯

The petals of the sasanqua flowers having been blown by the gale are spread like a carpet. How could I walk on this?

山茶花の植え込みが続く道一面に花びらが散っています。昨夜の疾風に吹き飛ばされたのでしょう。色鮮やかでまだ活き活きしています。これでは歩くに歩けません。花びらの隙間を縫って歩こうとしたら、今度は普段気にもしなかった苔の緑が目立ちます。大きく迂回して歩く羽目になりました。

連日いい天気が続いています。雨粒の数を数えられるくらいの小雨はありましたが、この一ヶ月ほどほとんど雨も降りません。日にちだけがやたら早く経っていきます。

確認のため、1月から12月が一面に印刷されている大判のカレンダーを見ると、「2019年平成31年〇〇元年」と〇〇の部分は白抜き。1月から4月は別の色で塗られ、4月30日、5月の1,2日は白抜きになっています。

そうですよね。平成は4月まで。5月からはどんな元号になるのか。その時にはこの白抜きに書き込んでくださいよという配慮なのでしょう。

自分の髪の毛の白さが気になりました。

野次馬と 変わる事なき 初恵比寿

Toka-Ebisu is the festival held on January 10 in honor of Ebisu, the god of wealth. It has been the festival praying for the prosperity of business originally, but now it is recognized as a mere festival regardless of age, sex and the business. 

十日えびすは、十日戎、十日恵比寿、十日恵比須と様々に表記されるが、主に関西以西で1月10日に開かれる、商売繁盛、豊漁を祈願する祭りである。

大阪の今宮戎神社の「今宮戎」、兵庫県西宮市の西宮神社の「西宮戎」、九州福岡県博多区の十日恵比須神社の「正月大祭」がよく知られているが、これ以外にも各地にいろんな呼び名の「十日えびす」がある。

おそらく元は商業都市大阪の「戎祭」が各地に広がったのであろう。関東方面では11月の「酉の市」がこれに相当するが、大鳥神社、鷲神社、大鷲神社と名の付く神社で開かれるように、関西も関東も根っこにあるのは大鳥信仰、古事記に登場するヤマトタケルを祭神とする信仰に由来する。

大阪の堺市にある「大鳥神社」がその総元締めで、正式名も「大鳥大社」と呼ばれるように、島根県の「出雲大社」と並び称せられる古代神道の中心だったのである。これが天下の台所と呼ばれる堺、大阪の商人たちに利用されて起こったのが「戎祭」で、どこも商売と縁の深い祭りになった。

大阪では写真のように「福笹」に、小判や米俵、鯛といった様々な吉祥物を付け持ち帰り神棚に祭る。関東の「酉の市」では「熊手」がこれに相当する。

おそらく鎌倉末期くらいから日本も商業が活発になり出し、それに伴って土着信仰として発展してきたのが「十日えびす」であり、「酉の市」なのである。