緋桜と 菜の花織り成す シンフォニー

The color of scarlet cherry and yellow rape blossoms collaborate and there is an atmosphere like a symphony being played on the hill.

寒緋桜は旧暦の正月、新暦では2月上旬に開花するので元日桜と呼ばれることもあります。緋寒桜、台湾桜、緋桜とも呼ばれ、緋色をしているのが特徴です。

この寒緋桜と大島桜をかけ合わせた里桜「河津桜」が有名になり、特に静岡の「河津桜」は多くの観光客を集めています。

開花の早い桜としては山形県の啓翁桜がありますが、これは中国系の美桜と彼岸桜をかけ合わせてできた桜です。これなどは1月には開花するわけですから、桜も早咲きのものがけっこうあり、こうして情報法社会になりますと、今までは地元でしか知られなかった珍しい桜がまたたく間に全国に知られることになるわけですね。

しかしこれらの桜も露払い的な桜で、桜といえば染井桜。これが咲き始めると本格的な春の幕開けです。今はまだ梅が各所で満開という状況ですから、これが散ると染井桜の出番です。

きびなご を 炙りながらの 囲炉裏酒

It is also fun to drink and chat while baking a fresh Kibinago fished on the hearth in a cold day.

この時期の季節の魚といえばイカナゴトとキビナゴです。

イカナゴは内海、特に瀬戸内海などを回遊するので、1月下旬から2月上旬に解禁になると、2cmから3cmくらいのイカナゴを取って阪神間では釘煮などにして食べます。このイカナゴも年々漁獲量が少なくなり、1kg当たりの値段も、5年ほど前は1,000円を切っていましたが、今年は2,000円を超えています。

一方キビナゴは4月から6月にかけて太平洋岸に沿って産卵場所を探しながら北上します。写真のキビナゴはもう10cmくらいの大きさになっていて、お腹には卵をいっぱい抱えているのでちょうど食べごろです。今の時期にこのくらいのキビナゴが取れるわけですから、これも温暖化の表れかもしれません。季節季節の魚から気候の変動を読み取れるわけですね。

囲炉裏を囲んでキビナゴを焼きながら飲むお酒は、酒好きの人にとっては堪らないらしいですが、下戸にとってはもくもくと食べるのみです。

 

薄す雪の 重さに耐えて 梅の花

The plum blossoms have just bloomed by the cheerfulness of spring, but are covered by unexpected snow and desperately are standing its weight and coldness.

大阪も平野部はほとんど雪が降りませんが、山間部に入ると違います。箇所によっては結構雪深いところがあって、車で行くのも大変なところがあります。

今年は温暖気象で、早くから梅が咲き、菜の花や桜もちらほらというところもあります。

2月といえば梅が主役で、ほとんど満開を迎えます。そんな時、先週からは急に冷え込んで、山の梅にも雪が覆います。

春の陽気に誘われてせっかく花を咲かせたのに、この雪ではたまりません。寒くて重くてひたすら耐えていますが、さすがにその重さに耐えかねて枝をぴょんと跳ねて、積もった雪を払い落とします。そのしぐさに思わず微笑んでしまいます。

また、時折、鶯がやってきてその雪下ろしを手伝います。なんともほほえましい光景で、ほっこりとした気分になります。

こうして日一日春が明けていくんですね。

待ち遠しいような、それでいてもう少しこんな光景を留めてほしいという複雑な気分です。

写メールも もらって嬉しい バレンタイン

I completely forgot the day of Valentine, but I received some e-mails of Valentine ‘s chocolate. I would be glad to get it even if it was virtual chocolate.

昨日2月14日はバレンタインデーだったんですね。

テレビやスマホではよく報じられているのでわかっていたんですが、昨日がその日だとは気付かなかったし、それほど関心もなかったのですが、たくさんのメールの中に、写真のような写真を添えたメールが何通かあり、どれもこれがチョコレートの写真だとは思えないものばかりだったので、まだバレンタインデーに気付かずにいました。

お礼の返信を送るついでになんの写真かお尋ねしたら、チョコレートの写真だと言うことで、はじめて「あっ、そうだ今日はバレンタインデーだ。」と気付いた次第です。

認知症の兆候が現れたのかもしれません。

それにしても、えっ、これがチョコレートと思うばかりの写真でしたので、ずいぶんチョコレートも様変わりしたもんだと、浦島太郎の心境になりました。

当日のニュースを見てもこの話題でもちきりで、今はチョコレートだけでなく、様々な商品がプレゼントに使われるようだし、女性から男性に送るだけではなく、同性にも家族や友達にも、日頃の感謝を込めて送るそうだし、これは止めようとか、どうせ送るならそのお金を募金箱に入れようという呼び掛けもあるようです。

多様化してけっこうなことだと思いますが、本来の趣旨にかえって、もっと簡素に、チョコレートを女性から好きな男性に送る日だとしても良いのではないかとも思いました。

まんぷくの チキンラーメンで 偲ぶ冬

NHK ‘s morning drama has finally come into its climax. Impressed by it, today’s breakfast is “Reprint edition instant ramen”. I ate delicious, remembering a lot of things at that times.

NHKの朝ドラ「まんぷく」は毎回見ています。いよいよドラマも佳境に入って、即席ラーメンは完成し、「まんぷくラーメン」と命名されました。

昨日はそれに惹かれてか、さっそく近くのスーパーに出かけたら、入り口に「1958年復刻版パッケージ」と刻印された即席ラーメンが並んでいます。商魂たくましいというか、お客の要望あってのことか、ともかく買い求めました。

今朝はこれで朝食です。栄養と健康のことを考えて、お肉や野菜をたっぷり入れ、お鍋で煮たわけですから、インスタントラーメンの食べ方とはちょっと違ったかもしれませんが、美味しかったです。

麺が実にいい。昔はこんなだったか、思い出せもしませんが、復刻版といっても当時のそのままではなく、麺も今の技術でできた麺なんでしょう。

食べながら、昔のことを思い出しました。

京阪沿線の千林駅を降りると千林商店街という、当時はかなり繁盛した商店街があり、その入口に「主婦の店ダイエー」というスーパー・マーケットのはしりの店があって、中内のおっちゃんが枚掛けをして「いらっしゃい、いらっしゃい」とお客を呼び込んでいました。後の「スーパー・ダイエー」ですね。中内のおっちゃんこそ、その創業者で、日本で初めてのスーパー・ストア、「ダイエー」を築き上げた人です。

そこにこのインスタントラーメンがうず高く積み上げられていました。

それと当時これも珍しいコカ・コーラとを買って、時々、これもまだ創業間のない「餃子の王将」で餃子を食べて、家に帰ったものです。

あれやこれや、もう昔昔のことが思い出される朝食になりました。

赤ポスト 雪降る中で ぽつねんと

Miyama in Kyoto is a snowy place. There are a lot of farm house with straw roof and a lot of tourists come in the spring and autumn. Now the red postbox standing at the entrance of the settlement seems to be lonely in the snow.

京都美山は京都府北部山陰側の山に囲まれた集落です。藁葺き屋根の農家が点在し、春や秋には多くの観光客が押し寄せます。https://bit.ly/2WZb579

その集落の入口には昔ながらの赤い郵便ポストが立っていて、ここを訪れる人には必ず目に留まり、印象に残ります。

雪深いところなので、昔はしばしば雪で孤立することもありましたが、今は幹線道路も除雪されているので集落近くには行けます。

大阪からは車で3時間半ほどのところですが、まるで別天地です。

大阪はこの冬、埃ほどの雪はちらつきましたが、雪らしい雪は降っていません。年々こういう気候が常態化してきています。近い将来には、大阪では雪を見ることができなくなるかもしれません。

日本のスキー場には雪の降らない国から外人客が沢山訪れているそうですが、大阪の人もその一人になりそうです。

その時にはまたこの美山を訪れることでしょう。

艶やかに 心誘うや うば桜

Even though it is an old tree, cherry blossoms are in full bloom this year too. Cherry blossoms that make such flowers bloom every year are envious.

「艶やかに」は二通りに読めますね。一つは「あでやかに」でもう一つは「つややかに」です。さあてどう読んでもらおうか、ずるいですがお任せします。

「あでやかに」と読めば、派手にとか外観に重きをおいたように感じますし、「つややかに」と読めば、色っぽいと言うように心情が入ってくるように思うのですがいかがでしょうか。

俳句には掛詞という技法はないかと思いますが、あえて掛詞風に読んでいただきたいなあとも思ったわけです。

また、「うば桜」ですが、漢字で書けば「姥桜」。「姥」は単に「年老いた女性」、老婆ですね、を表す言葉ですが、「姥桜」と熟語になれば、山桜のように先に葉が出てそれから花をつける桜ではなくて、花が先に咲き、それから葉を出す桜のことをいうのが本来の意味で、それが転じて、「葉(歯)が無くても、つまり、歳を重ねても色香があり若々しく美しい女性」という意味にもなりました。口さがない人は、「歳に似合わず色っぽくて端ない女性」というふうな意味にも使います。

さてこの「姥桜」、オオシマザクラと寒緋桜を交配してできた桜で、樹齢60年くらいだそうですが、この寒さにもかかわらず見事に花を咲かせています。樹体はいかにも古ぼけて苔まで付いているようでも、毎年毎年、新芽を出し、可愛い花を咲かせる桜や梅は羨ましい限りです。

人間はこうはいきますまい。老いらくの恋に花を咲かせても、まあ一度限り。線香花火のように、最後はパチパチ弾けても、後はポタッと落ちるだけ。

菜の花と 桜花咲く 紀元節

Today is Japan’s National Foundation Day. There are various controversies about this day, but I think that we had better consider it more generously.

“A long time ago, people gathered in this land, eventually a country called Japan was made. May you be a peaceful and prosperous country from now on as well.”

今日は「建国記念日」です。この「」は大切です。

明治憲法下で「紀元節」と定められたものを、敗戦で削除され、再び復活したのですが、「紀元節」ではだめ、「建国記念日」にしようと当時の自由民主党が提案したのですが、これでは日が特定され、建国神話が押し付けられるという反対があって、「建国記念日」を「建国記念の日]にすることによって、「建国されたという事象そのものを記念する日」とも解釈できるようにして、当時の社会党とも折り合いが付き制定されたとう経緯があります。

まあ私見ではどっちでもいいと考えるんですが、国事となるとそういうわけにもいかんのでしょう。

上の俳句にも「紀元節」と詠いましたが、「紀元節」でもいいと思うんです。ややこしいことを言うと、国が休日とする法定休日を「祝祭日」といいますが、「祝日」と「祭日」をあわせた言葉で、「建国記念の日」は歴史的出来事に由来するから「祝日」、例えば「こどもの日」は国民の慣習に由来するから祭日なんですね。

「紀元節]は天皇家のまつりごとの日の「四大節」の一つであるので、天皇と強く結びつくというので当時のGHQによって排除されたわけです。

言葉の定義も大切ですから、「紀元節]を「建国記念の日」にしてもいいのですが、我々にとってはどうでもいいことで、結局、「紀元節」も「建国記念日」も「建国記念の日」も一緒です。

実際にもまぜこじゃで使われていますよね。

 


凍てつく夜 凛と花咲く 冬花火

Fireworks are not just traditional events of summer. Many fireworks festivals are held in various parts of Japan during the winter as well. Fireworks going up to the freezing night sky are also exceptionally delicious.

花火は夏と思っていましたが、調べてみたら意外や意外、もちろん夏ほどまでにはないにしろ、北海道から沖縄まで様々な花火大会がめじろ押し。規模も夏には見劣りしますが、冬場の足も途絶えがちな観光客目当てなんでしょう、けっこう盛んなんですね。

北海道みたいな気温が零下何度という所での花火見物は想像しただけでも身震いしますが、この北海道もけっこう多い。

この時期、晴れておれば夜空も澄んでいるでしょうし、やはり寒いから見る人もそれほど多くないでしょうから、夏場みたいに押し合いへし合いすることもない。寒い冬だからこそ花火の温もりも感じるでしょうから、これからももっともっと盛んになってくるような気がします。

白無垢の 山茶花秘する 花芯かな

A pure white Sazanka flower is blooming in the dim forest. It is like a bride with a pure white dress. It is impressive that the flower core is shining bewitchingly.

花も見方を変えればさ、様々な姿に見えます。

冬の寒くて薄暗い小道を歩いていると白い山茶花が咲いていました。それほど多くはない花の中にひときわ目立つ一輪が目に留まりました。真っ白な花びらにほんのりと薄紅が指しています。その真中には発光しているかのような花芯がおちょぼのように丸まっています。無垢であって妖艶な不思議な感覚に囚われます。

ところで、花芯とは花蕊(かずい)のことで、雄蕊(おしべ)と雌蕊(めしべ)を総称して言う言葉です。

この「しべ」にも使われる順に、蕊、蘂、蕋の三つの漢字があって、どれも「おしべ」「めしべ」を言うときにしか使わない漢字だそうですから、これまた不思議な漢字(感じ)です。草冠に「心」が三つ、その下に「木」とか「止」。漢字の成り立ちを考えれば考えるほど興味が湧いてきます。

そして「花芯」。瀬戸内寂聴さんの小説で有名になった言葉ですが、「花蕊」は純粋に植物の器官を指す言葉ですが、「花芯]になれば違います。寂聴さんの小説や映画をご覧になった方はおわかりでしょうが、まさに秘する言葉です。

また「おちょぼ」という言葉も、「おちょぼぐち」という言い方でよく使われますが、もとは「ちょぼ」で、昔、遊郭の5歳前後の女の子をいう言葉であったそうで、「小さい」という意味でいまだに使われています。

「たこ焼き」のことを「ちょぼ焼き」というところもあるそうですが、「たこ焼き」はこの「ちょぼ焼き」が、おそらく関西で変化し使われるようになったのでしょう。

無垢で心をそそる白い山茶花。女性にはどう受け止められるのでしょうか。