生け花に 春が広がる 京料理

When I enter the restaurant, there are ikebana decorated with spring flowers. Eating Kyo-ryori while watching it, I feel that spring is spreading in my mouth.

各地から一斉に桜の開花情報が聞こえてきます。

待ち焦がれる気持ち、満開の豪華さ、散りゆく儚さ、人の一生を凝縮したようなこの瞬間に、日本人の多くが心奪われ、共感します。

桜の開花に誘われるように、人は野外の繰り出し、満開の桜の下で、酒を酌み交わし、歌い、踊り、ひと時を狂乱の世界に浸ります。

そして4月。4月こそ、まさしく一年の始まりです。今年はさらに、5月が改元。新しい時代の幕開けにもなります。

これからがどんな時代になっていくのか、楽しみと同時に心配も隠せません。と言ってもそれも所詮は杞憂。桜の散り行くごとくが我が運命だからです。

願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ

西行翁はどんな気持ちでこの歌を詠んだのか。花開く桜を見ながらしばし黙考です。