蜜蜂も 群れて楽しや 藤の花

The wisteria flower has a sweet smell. So a lot of honeybees gather. Although only people gather in the cherry blossoms, people and bees also gather in the wisteria.

藤の花が満開です。桜と違って芳香があり、ミツバチが群れ、その羽音が騒がしいのも違います。

藤に群れるミツバチはクマバチで、人を襲うことはめったにありません。人を襲うハチはスズメバチ。クマとスズメの名とは逆のような気がします。また、人を襲うのはメスバチでオスバチは針がないので襲いません。羽音が高いのもオスバチで、メスバチはその羽音に誘われてオスバチに近付きます。

ところで、藤は蔓性の植物ですが、左巻きと右巻きがあるのはご存知ですか。

藤には2種類あって、房が大きく色が淡いのが普通に言う藤で右巻き。山に自生している藤はヤマフジと言って色が濃く、香りも強くて、房はズングリムックリしていて左巻き。

夏休みに、朝顔の蔓は左巻きか右巻きか観察する宿題があって、毎日観察したことを思い出しました。

今日は平成最後の日、そして明日の午前0時は令和の始まり、どんなファンファーレが鳴るのか楽しみです。

 

幻の 熊野古道に 藤の宿

Kumano Kodo remains in Sennan City in the southern part of Osaka.  There is an old inn town known for Noda Wisteria along the way.  One tree has 40,000 flower bunches, and the scenery is spectacular.

大阪の南部、泉南市信達は昔熊野街道の宿場町でした。

熊野街道は今の大阪市中央区天満橋から和歌山の熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)に至るおよそ300㎞の参詣道です。

その宿場町の一つが信達宿です。参勤交代は江戸に伺うことだけではありませんでした。ここ信達は関西圏の小大名が徳川の直轄地であった紀州藩に伺う参勤交代の宿場町でもあったのです。熊野詣の信者に混じって時には数百人を従えた大名行列も行き交ったのです。

野田藤は昔、大阪市福島区野田を中心とする地域が「吉野の桜に野田の藤」と言われるくらいに藤の名所として全国的にも知られていて、いつの頃かここ信達の地に移植されて有名になりました。

街道の面影は今ではほとんどありませんが、この藤だけは有名でこのシーズンになると多くの人が押し寄せます。

春霖も 晴れ間をつくる 躑躅かな

Azaleas have begun to bloom all together. The weather is unstable at the turn of the season, but where the azalea blooms always looks like fine weather.

桜の名残が残る中、ツツジが一斉に咲き始めました。

ツツジも桜と同じでいたるところで見受けられます。赤いツツジ、白いツツジ、赤と白の混ざったツツジ、桜のような壮大さはありませんが、華やかさはあります。

天候は相変わらずの不安定さで、2,3日晴れたかと思えば、2,3日はぐずついた天気。季節の変わり目にはよくある現象です。

春霖とはそうした春の不安定な気候を表す言葉で美しい言葉です。

ツツジは晴れた日にも雨の日にも、咲いていればその場は晴れ間を作ります。

この春霖が過ぎれば五月晴れ。ツツジも満開を迎えます。まさしくサツキも咲き始めます。

今年は10日間の連休があり、もう始まりましたが、この連休が過ぎるころには春霖が過ぎて五月晴れ。初夏の始まりです。

 

 

 

異国から 春眠破る メッセージ

I received a message from a foreign friend on Facebook while sleeping in the morning. It is a music video with a message of “Good morning” when I open it. I woke up at once.

SNS(Social Networking Service;社会的ネットワークをインターネット上で構築するサービス)はすっかり世の中を変えました。

Facebook、Twitter、Lineなどを合わせたらおそらく世界人口70億人の半数は利用しているだろうといわれています。

手のひらに乗るスマホ1台でその人たちとたちどころに会話ができます。電話、メッセージ、しかも顔を見ながらでも。

ビルの一室くらいのスペースが要った大型コンピュータが、テレビ受像機くらいの大きさにまとめられたパーソナル・コンピューター(パソコン)ができてからおよそ50年。インターネット元年と言われるのが1995年ですから、それから高々25年。スマートフォンの先駆けになったApple社のiphoneが出たのが2007年。12年前です。50年でこんなにも世界が変わるんですね。

今朝、ブラジルのFacebook友人から「good morning」と書かれた動画が届き、寝ぼけまなこで開いたんですが、いっぺんに目が覚めました。それを聞きながら、つくづく世の変遷の早さに思いを致したわけです。

春風に 乗って高野は ほど遠し

I was induced by the merry of spring and followed the Koya Old Highway. I enjoyed the arts while drinking Yuzu tea at a gallery on the way. I still have a long way to Koyasan.

昨日は河内長野市にある高野街道沿いの画廊『ほたる』にお邪魔しました。友人のグループが個展を開いていて最終日だということで駆け付けたというわけです。

80を越えた老先生を中心に中高年の生徒さんが集めっておられて、皆さん絵もなかなかお上手。最近こうして中高年から始められる方が多いとか。もともと絵心もあったからでしょうが、短期間でこんなに素敵な絵が描けるのかとびっくりした次第です。

絵もさることながら、街並みが気になり、周りを散策すると、街道沿いには重要文化財に指定されている酒造会社跡があったり、どの家の間にも『高野街道』と書かれた門前灯篭が立てられていたり、なかなか風情があります。

『高野街道』はその名の通り高野山への参詣道で、大阪や京都から高野山にお参りするには、先ずこの河内長野に来て、そこから県境の紀見峠を越え和歌山県の橋本市に出て高野山にお参りします。

今はこのあたり一帯は大阪のベッドタウン化が進み、高野街道もズタズタ。最近になって昔の景観を保存しようと、この画廊周辺も再整備されたそうです。

熊野街道と高野街道は昔は多くの人が行き交う幹線道路で、宿場があり、温泉があり、遊郭あり、相当賑わったそうですが、今ではこうした町興しの一環になっているだけです。

長野神社にお参りして家路につきました。

ぱっちりと スパラキシスの 寝覚め顔

When I was taking a morning walk, the flowers of Sparixis planted along the side of the street say “Good morning” to me. They are flowers with clear-cut features.

スパラキシスの和名はスイセンアヤメです。スイセンとアヤメを合わせ盛った随分欲張りな名前です。でもその名前にたがわず美しい花です。

品種も多く、花はバラエティに富んでいて、どれも美形。南アフリカが原産で、そういえば黒人女性ではっとするような美人がいますが、そんな雰囲気を持った花です。

いつも通る道の植え込みに誰が植えたのか、朝日に照らされ、「おはよう、お元気」と囁き掛けてくれるような表情がなんとも可愛い。また元気が出てきます。

平成も後5日。もう秒読みに入りました。Line を開けると「改元を盛り上げよう!」とスタンプの売り込み。50円前後のスタンプの宣伝がスワイプしてもしても尽きません。

テレビでは東京警視庁に圏内警察署長が集められ、改元前後の警備体制が話し合われている様子が写っています。

またどんなお祭り騒ぎが起こるやら、粛々とお祝いしたいものです。

見てびっくり 黄色椿に 首傾げ

Camellia flowers are usually red or white.  The yellow flower has never been seen before.  I did not even know its existence.  So I have examined variously.

黄色い椿ってあるんですね。初めて見ましたし知りました。

伊豆に住む友人から送られてきた写真ですが、最初はバラかヤマブキかと思ったんですが、葉を見るとそれらではない。ツバキ科の葉なんですね。椿と言えば普通は赤、そして少ないですが白もあります。開花の過程で白とピンクが混ざったり、白い椿にはわずかに黄色みを帯びたものもたまにはあります。しかし、これほど歴然とした黄色の椿は初めてです。

調べてみました。はやり珍しい品種で、1980年ごろに、中国広西省とベトナムの国境付近に自生していたものが見つかり、瞬くうちに世界に広まった品種だそうです。

もちろん現地の人たちには珍しいものではなく、薬効もあることから広く知られ、大事に育てられていたそうです。

日本にもいち早く持ち込まれ、園芸業者によっていろいろ改良も加えられ、一時は愛好家にとても人気があったそうです。

今では様々な品種がありますが、それらを包括して『金花茶』と呼びます。お茶の花がよく似ているので中国でそう呼ばれ、そのまま日本でも使っているようです。

椿自身がそうであるように椿油とか化粧品の材料になるくらい様々な薬効があり、金花茶も同じで、そのため現地では乱獲がたたり、今では絶滅品種の二種に指定され、厳重に管理されているとか。

関心のある方はここをクリックしてみて下さい。

ただ一輪 荒れ野にポツン 花菖蒲

A single Japanese iris is blooming in a wild field bathed in the spring sun. I am even impressed by the stunned standing figure.

草ぼうぼうの休耕地にたった一本花菖蒲が花を咲かせて立っていました。まだ4月とは言え、汗ばむ陽気で萎れることもなく凛とした立ち姿は立派です。昔植えた名残なのか、誰かが植えたのか、ただ一輪というのが不思議です。

ただ、これショウブ(菖蒲)なのかアヤメ(漢字は菖蒲)なのかカキツバタ(杜若)なのか、はたまたアイリスなのか。アイリスと他は見分けが着くのですが、後は難しい。

ショウブも菖蒲湯のショウブとは違うようで、菖蒲湯に使うショウブはサトイモ科。紛らわしいのでアヤメ科のショウブは花菖蒲と呼んで区別するようです。漢字で書けば花菖蒲のショウブもアヤメも同じ。ああややこしい。

花菖蒲は陸生で、カキツバタは水生、アヤメはその間というように生育する場所である程度の区別はつきますが、これも色々。

ともかく、句の花も花菖蒲と書きましたが、自信はありません。

蜜蜂の 羽音に揺れる 姫林檎

The red flowers of apples are in bloom.  It is normal for apple flowers to be white when opened. This is a variety called Maypole, which is mainly used for pollination. Because honeybees like red flowers.

林檎の花が青森や長野でも咲き始めているか、咲いていることでしょう。

林檎の花は蕾から咲き始めにかけてはピンク色をしていますが、咲いたら白いのが普通です。「姫林檎」とか「五所川原林檎」のように咲いた花びらが赤い品種は一部ありますが、普通の林檎のように皮を剥けばすぐに食べられるものではありません。主に果樹酒とか加工品向けです。

ここに咲いている林檎は「メイポール」といって園芸用の品種です。別名「バレリーナツリー」といって授粉用にも使われます。

ミツバチは白よりも赤を好み、林檎が最初ピンク色をしているのも蜜蜂を引き寄せるためです。「メイポール」は花が咲いてもずっと赤いので、蜜蜂が集まり易く、林檎の授粉の手助けにもなります。実がなると普通の林檎より小さく鈴なりに成ります。

産地以外にはこうして主に観賞用として可愛がられています。

ネモフィラが 優しく揺れて 日向ぼこ

The Harvest Hill in Sakai, Osaka is full bloom with nemophila flowers.  They are swaying gently by the breeze in warm sunlight. When I’m sitting on a bench and watching the scene, my body and mind warm up.

すっかり温かくなってきました。近くの桜もわずかに花を残すだけ。桜に代わって、初夏の花々が咲き始めています。

写真は大阪堺市にある『ハーベストの丘』に咲くネモフィラですが、ネモフィラは北米原産で和名は瑠璃唐草。今ではすっかり人気の花になりました。

2015年大阪万博が開かれる大阪湾の夢洲の隣、舞洲は昨年まで250万輪の百合が咲く大百合園でしたが、昨年の台風21号で海水を被り、百合がすっかりダメになりました。

変わってネモフィラ100万株を植えたところ、今が満開、連日押すな押すなの賑わいだそうです。全国的にもネモフィラの大庭園があっちこっちにでき賑わっているとか。

そうした人が賑わう大庭園ではなくても、最近は家の周りや道沿いにも見られるようになりました。可愛い小さな花が春風に楚々と揺れる光景にはほんとに心が癒されます。