まほろばは さくら花咲く 我が里ぞ

The best place to live for me is the hometown with full bloom cherry blossoms like this. There is nothing to say if I am born here and die here.

故郷がある人ない人様々です。

ふるさとは 遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの 

室生犀星の有名な詩の一節ですが、今どれだけの人がこういう思いを持っているでしょうか。

お正月やお盆に故郷に帰る人たちを羨ましく感じる人も多いことでしょうが、故郷を持たない人たちも確実に増えています。

今や東京都市圏の3,584万人をはじめ、大阪、名古屋、福岡、札幌の五大都市圏の人口だけでおよそ5,900万人ですから、これだけで日本の人口の半数を占めています。

故郷喪失の時代とも取れますが、そもそも故郷という概念が変わってしまっているのかもしれません。交通機関の発達、そして何よりも情報時代の到来でますます距離感がなくなり、日本全体がひとかたまりの故郷になった感があります。

そして今こうして桜が咲く時期になるとますますその一体感が深まり、いたるところに咲き乱れる桜に酔い痴れるとなおさらです。

これほどの一体感を共有する国民は世界にはありません。日本が、そして日本人が世界でも稀にみる国民性を有することは世界の多くの人たちが認め、関心を持っていることは事実です。

21世紀の時代がどんな時代になっていくのか、日本の果たす役割は大きく、期待を持って見られています。

今日、くしくも新しい元号が発表されますが、元号を持つ国は日本だけです。今、国中がかたずを飲んで新元号の発表を待っていますが、桜に思いを寄せる思いが重なり、ぎゅっと濃縮された日本が見て取れます。