有難や 今年も初柿 貰い物

I ate the first kaki, persimmon, of this year. Like a year ago it is a gift. Because it was sweet and a warm gift, it was more delicious.

昔から「柿を食べると体が冷える」とよく言われたものです。これは全くある現象を真逆に解釈したことによって生まれた俗言です。

ある現象とは、酒を飲んだあと柿を食べるとアルコールの分解度が高まり、早く酔醒する。せっかく酒で体が温まったのにアルコールが体から抜けるものだから体が冷える。こういうことから生まれた俗言です。つまり、呑兵衛が言い始めたんでしょうね。

それどころか、このことは呑兵衛にとっても良い作用で、二日酔いの原因である、アルコールからアセトアルデヒド、これが肝臓に溜まって起こるのが二日酔いの原因なのですが、これを分解、利尿してくれるから二日酔いが早く覚めるんですね。柿は利尿剤としても有効ということですね。

また、この俗言が敷衍して「柿は体を冷やすだけで栄養はない」という人もいます。全く逆で、柿は、ビタミンCやβカロテンなどを多く含む果物に中でもトップクラスの栄養価の高い果物です。

アルコールの分解を促進する物質は、渋み成分のタンニンですが、このタンニン、アセトアルデヒドを分解することによって肝臓を保護するだけでなく、動脈硬化を防ぐことでも知られています。タンニンに含まれているカリウムが、動脈硬化の原因であるナトリュウムに取って代わるからですね。だから、高血圧の人、心筋梗塞や脳梗塞、高脂血症の人には有り難い成分であるわけです。

このタンニンはまた、甘柿、渋柿を決める役割を果たしているんですね。水に溶けなければ甘いが、水に溶けたら渋い。甘さと渋さの原因になっているんですから面白いですね。

子供の時、山に成っている柿を食べたら渋柿で、うえって吐き出したことを思い出します。その渋柿を藁に通して軒先に吊るしていたら、いつの間にか甘くなっている。不思議だなあと感心したものです。

滝音に ヒグラシ遠く 唯一つ

I can hear the charping of higurashi from afar being mixed with the sound of the waterfall. It sounds weakly and is only one.

山は完全に秋です。

尾根から吹き降りてくる風は寒いくらいで、滝しぶきを通り抜けるとさらに冷たくなります。

晴れ渡った青空には絹層雲が薄く広がり、木漏れ日の温かさが心地よく感じられます。

脇の草むらに咲く彼岸花も盛りを過ぎたようで、それを労わるかのように雷蝶がやさしくとまっています。

出会う人もなくどこまでも静かです。

立ち止まると掻いた汗で体が冷えるのでまた歩き続けます。尾根を越えた山向こうにある温泉に早くたどり着きたい一心です。

お彼岸の中日、温っかい温泉が一番の記念になりました。

 

 

いつ見ても 今年は今年の 彼岸花

Today is Autumnal Equinox Day. The length of time of the day and the night is almost the same. In Japan it is an important day of Buddhism and Japanese people all celebrate this day.

今日はお彼岸の中日。秋分の日です。

関西地方は秋晴れとはいきませんが、青空にまだら雲が一面に散らばっています。野山には彼岸花もすっかり咲き揃い、秋の幕開けを告げています。

いつも思うのですが、この彼岸花は実に正確にこのお彼岸に合わせて花開きます。多分、気温とかお天気によって開花時期が決まるのではなく、日照時間によって決まるからだと思います。

秋分の日を挟んで前後3日、合わせて7日間がお彼岸ですが、世界を見渡してもこういう習慣のある所は日本と韓国、それとせいぜい中国くらいで、やはり仏教の影響が強いようです。

天文学的な関心ではマヤやインカ、エジプト、現代のヨーロッパにもあって、マヤやインカの観測データは現代にも負けないくらい正確なものが残っているそうです。

農耕と結びつける学説が多いようですが、もしそうなら、日本程度の認識でいいわけで、おそらくそうではなく、地球規模の大異変が過去にあって、そのトラウマが代々引き継がれ、天体観測の精緻さに駆り立てたのが理由だと思います。

今日は世界のどこもが昼、夜の時間がほぼ同じで、これからは、北半球ではだんだん夜の時間が長くなり、南半球では昼の時間が長くなります。

これからは紅葉もますます深まり、モミジを求めての民族大移動が始まります。

線香の 香りも旨し お萩かな

In Japan there is a custom to eat ohagi on the equinoctial week. Ohagi is a rice food covered with sweet adzuki beans. Nowadays it is very popular to foreigners.

春のお彼岸には牡丹餅、秋のお彼岸には御萩。いつの頃からか定番の組み合わせになりました。

お彼岸はもちろんご先祖を偲び、現世の安寧と豊穣を祈る1週間の日々のことを指します。そのときにお供えするのが、縁起のいい赤い小豆と五穀の代表であるお米で作る牡丹餅や御萩です。

牡丹餅は字が示す通り、牡丹を模したもの、御萩は萩を模したものです。

牡丹餅は漉し餡、御萩は粒餡ですが、春の小豆は前の年に収穫したもので皮が固く、そこで潰したもの、御萩が粒餡なのは、収穫間もない小豆は皮も柔らかく、適度な口触りが心地よいことから生まれたものと言われています。

今では年がら年中、牡丹餅も御萩も口にできますが、昔はお米、小豆さえ、庶民には満足に手に入るものではなく、味付けの砂糖に至っては貴重品で高価、滅多に口にできるものではありませんでした。

お彼岸、お正月、お盆、吉祥吉祥で、口は悪いですが、ご先祖様を出しに、そんなついぞ口にできない物を、親戚やご近所が寄り合って食し、必ずお酒も出て、現世の移りゆく季節を感じながらひと時を楽しんだんですね。

彼岸花 咲いて案山子の 晴れ舞台

Scarecrow in rags is a guard man of rice fields. But,when Higanbana, cluster-amaryllis’, bloom at his feet, he rises to a stardom in the fields.

案山子(かかし) 、スケアクロウと言えば思い出すのは映画「スケアクロウ」。

刑務所上がりのマックス(ジーン・ハックマン)と船乗り上がりのライアン(アル・パチーノ)の道行き映画である。

生きた人生も性格も全く異なる男二人が偶然出会い、一人は洗車屋を始めるためにピッツバーグへ、他の一人は長年会わない家族に会うためにデトロイトに。

同じ旅路で深まる友情、待ち受ける悲運。二人の名優が演じるこの映画は忘れられない映画である。

途中、案山子を見て、マックスが「カラスをスケア(脅かす)から案山子」と言うのにたいして、ライオンは「おかしな格好のかかしを見て笑い転げて、この畑の持ち主はいい人だ、だから荒らさずにおこうと思う」という。この場面が映画の題名になっている。

デトロイトに着いたライアンは妻のアニー(ペネロープ・アレン)に会うため理髪店と教会に寄り、彼女の家の前で電話をする。しかしアニーは2年前に再婚しており、「子どもは死んだ」と嘘をつく。それを聞いたライオンは公園で錯乱状態に陥り病院に担ぎ込まれる。「お前がいないと洗車屋ができない、お前の面倒は俺が見る」と眠り続けるライオンに語りかけるマックス。一人で駅へ向かったマックスは、ピッツバーグ行きの往復切符を買う。

ぜひ見ていただきたい。

爪染めて 何処へ散ったか 鳳仙花

Where did the girl who painted the nail red with Housenka go?  I hope her to live healthily wherever she went.

花言葉「私に触れないで」にあるように、実が熟すと皮と実の細胞の膨圧の差が蓄積され、何かちょっとした刺激を受けるとパッと弾け、種を遠くへ飛ばすこの特性が昔から人の目を引いてきました。

赤い花は、昔から女の子が爪を染めるのに使っていたため、ツマクレナイとかツマベニとも呼ばれ、年頃になった少女が爪を赤く染めるようになり、やがて恋心を抱くようになり、そして弾け散るという女性の変化を見る思いで鳳仙花を見てきたのでしょう。

加藤登紀子が歌った「ほうせんか」は韓国民謡からアレンジしたものですが、韓国では、秋にこの鳳仙花で赤く染めた爪が初雪まで色が残っていれば恋が実るという、とてもロマンティックな伝承があります。

さだまさし、島倉千代子、中島みゆき、ボカロの黒澤まどかなども「鳳仙花」を歌っています。どれも悲しい歌ですが、女性の定めがそうなのか、そのほうが人から共感を呼ぶのか、いずれにしろ秋と言う季節には合った花であり、歌であり、エピソードです。

レッドパールも 良くお似合いの 黒真珠

Leaves are black, flowers are purple, fruits are black or red. Black pearl is an elegant plant like a lady.

黒真珠は、あの高価な真珠の黒真珠じゃなくて、れっきとした植物の名前です。

黒真珠には二系統あって、ペチュニア黒真珠と唐辛子黒真珠です。

ペチュニア黒真珠のほうがポピュラーですが、ここに掲げたのは唐辛子黒真珠です。

葉が黒くて、花は紫色、実は黒真珠の様に光沢のある黒色そして赤。まさしく黒真珠の名にふさわしい気品のある植物です。

花言葉は「悪夢から覚める」で、食べるとまさしく唐辛子、ピリッとし、それと、コウモリを連想させる神秘的な姿がその由来でしょう。

葉も最初は緑色をしていますが、太陽光を受けるごとに黒くなります。これも紫外線から身を護るための防護策で、人間の黒人も同じです。

実はまさしく黒真珠のようで光沢のある黒色をしていますが、日を経るに従って赤く変色していきます。鳥たちに目立つように赤くなって実を食べてもらい、種を拡散する工夫です。

前回の「酔芙蓉」といい、この黒真珠といい、種を保存していくために様々な進化を遂げているんですね。

祭り酒 酔って頰染める 酔芙蓉

Suifuyo, drunkard cotton rosemallow, is white in the morning when it begins to bloom, in the evening it gets pink like a drunkard. That is the origin of the name.

酔芙蓉の花期は8月下旬から9月。花の色が一日で白から桃色、紅色に変化します。咲き始めの朝は白、お昼は桃色、夕方にはお酒に酔った様に紅をさすことから「酔芙蓉」と呼ばれるようになりました。

一日のうちに、朝、昼、晩と色を変える花は珍しいですが、ランタナのように、夏の初め、夏の盛り、夏の終わりに合わせて、黃、橙、赤(紫)と色を変えるもの。

バンマツリのように、数日、数週間をかけて紫から白に色を変えたり、スイカズラ(金銀草)も同じように白から黃に色を変えるものもあります。

バラなどは温度を変えれば色を変えるものもあります。

紫陽花は土の酸性、アルカリ性によって花の色を変えることはよく知られていますね。

アサガオも酔芙蓉と同じように一日のうちに色を変えることがあるそうです。

すべてこれらは何も人を喜ばせるために色を変えているのではなく、太陽からくる紫外線から実を守るためとか、昆虫を引き寄せ受粉しやすくするためとか、生き、そして種を存続させるために努力しているわけですね。

今日は和歌山県の紀の川市にある植物センターで見かけた「酔芙蓉」に因んでのお話でした。

立ち姿 城にも負けぬ 大工方

A guy who commands while dancing or bouncing with a fan in his hand on the roof of Danjiri, the festival ground car, is called a carpenter. It is very dangerous and he sometimes falls off the roof and may cause serious injury. Still there are many men who volunteer for carpenters every year.

16日(日曜日)は予報では雨でしたが、すっかり晴れ渡り、澄み切った青空が広がっていました。

岸和田だんじりの「本宮」の日です。台風21号の影響もあって、観覧席も資材不足で設けられなかったそうですが、晴れて良かったです。

岸和田だんじりは300年前から引き継がれている伝統行事で、今では約40万人の人が訪れるそうです。

岸和田っ子にとっては「だんじり無くして何が人生」という一大行事で、もう梅雨明け時分から街全体が浮足立っています。

教え子にも相撲で大阪のナンバーワンと言う子がいましたが、高校進学の際、全国の有力高校から特待生のお誘いが掛かっているいるのに断って、地元の高校に進学した子がいました。地方に行ったらだんじりができなくなるというのが理由です。

地域社会が希薄化する中で、こうした伝統行事を守る事によって人の連帯感が育まれることは大切なことです。全国各地にもこうした例はいっぱいあって、これが日本の社会基盤になっているように思います。

だんじりの上に立って団扇片手に飛んだり跳ねたりしながらだんじりの指揮をとる人を「大工方(だいくがた)」といいますが、皆の憧れの的です。

もともと荒々しい祭りなので、だんじりの応急修理を受け持つことから欠かせない人材で、それが「大工方」の起こりだそうです。

「角回し」といって、だんじりを街の角で全速力で駆け抜けることが醍醐味で、そのときにこの「大工方」が屋根から転げ落ち、場合によったら死ぬこともあるそうですから、まさに命がけ。

五穀豊穣を祝っての秋祭りは、こうして人の情念を掻き立てる祭りでもあります。

あと七日 満を持しての 彼岸花

The buds of Higanbana, cluster amaryllis, have inflated. It is the Autumnal Equinox Day after seven days. By that time they will open the flowers all at once.

来週の日曜日、9月23日はお彼岸の中日です。

彼岸花は蕾を膨らませ、その日を今か今かと待ちわびている風です。そしてお彼岸には確実に花を開きます。まるでカレンダーに合わせるかのような正確さです。

春の桜のように絢爛さはありませんが、野山のいたるところ、今では街中のちょっとした空き地にも、真っ赤な花を咲かせます。

一つ一つの花は、桜のひとひらの花に比べるとはるかに絢爛です。花街の花魁を思わせる妖艶な姿です。

北原白秋は「曼珠沙華」で今は亡き赤子を偲ぶ女性を詠いました。華やかそうに見えるけれども、その裏にある悲しさを感じさせる詩です。

以前にこんな投稿もしましたから見て下さい。

曼珠沙華  ・彼岸花