アンシャン・レジーム


 
アメリカ大統領選挙は大方の予想を裏切って「暴言王」トランプが勝利した。
今や世界中がちゃぶ台をひっくり返したような大騒ぎ。この話題で持ちきりだ。
日本の株価は、トランプが勝利したその日は1,000円を超える大暴落。翌日は1,000円を超す大暴騰。その落差たるや2,000円をを超えたわけだから正しく激震が走ったわけだ。
今我々はこういう世界に住んでいるから、この出来事はびっくりする出来事だが、どこか他人事のような、どこか劇場の世界に浸っているような気分になっている。
これが100年前、というまでもなく、50年前の世界であったら、これほどの激震がたちどころに世界を揺るがしただろうか。
このことこそが20世紀後半から始まった情報革命、世界史で誰もが勉強した産業革命に相当する歴史的エポックに起こった例示的出来事なのであって、実はこの情報革命のもたらす世界の変革こそが重要なのである。

トランプが勝利した瞬間、ふと思い出した言葉が「アンシャン・レジーム」である。高校の世界史で習った言葉が蘇ったわけだ。
アンシャン・レジームとは、もともとフランス革命以前のブルボン朝、特に16~18世紀の絶対王政期のフランスの社会・政治体制をさしている言葉であって、フランスが誇る歴史家であるアレクシス・ド・トクヴィルが『アンシャン・レジームと革命』で使ってから定着した歴史用語なのであるが、日本語では旧体制、旧秩序、旧制度などと訳語があてられ、転じて、フランス以外での旧体制を指す比喩としても用いられている。
アンシャン・レジームはフランス革命の勃発で崩壊し、一時ナポレオンの失脚により復活したものの、やがて7月革命により打倒され、近代社会の幕開けとなっていくのである。
18世紀から19世紀にかけてイギリスに発した産業革命とそれに伴う社会構造の変革、フランス革命等によってもたらされた人権思想が、ことごとくそれまでのアンシャン・レジームを打破し、やがてはアメリカという巨大国家を生み出していくのである。
それと同じことが今や世界中で起こっていて、21世紀以降経済発展著しいBRICs(ブリックス、Brazil, Russia, India and China)の誕生、イスラム圏・イスラム国家の台頭と混乱、アフリカ諸国の台頭と混乱、イギリスのEU離脱、フィリピンのドゥテルテ大統領の登場、今の韓国の大混乱、やがて訪れるであろう中国や北朝鮮の体制崩壊、アメリカ大統領トランプの出現、これらすべてが現代的意味のアンシャン・レジーム崩壊が始まっている証である。
我が国内においても、小池東京都知事の誕生もその小さな出来事かもしれない。
安倍首相が、トランプが勝利したとき、側近に「本音で語る時代が来たね。」と言ったそうだが、まさにその通りで、情報社会はすべてがあからさまで隠しようがない。隠しても必ずどこかで漏れる。
本音と建前の建前が通じなくなったというわけだ。建前を振りかざして人を騙そうとしても騙せなくなった。そんな時代が来たんだ。
21世紀ももうやがて20年。時代は変わり、変革著しい新時代に突入しているのである。

余談になるが、シンガーソングライターの森山直太朗と御徒町凧が成城学園高校3年生24名とともに作ったオリジナルソング「アンシャン・レジーム」という歌がある。
生徒たちの先生のあだ名から取って付けた曲名だそうで、高校生活を物語る思い出の代名詞であることから、このタイトルになったそうだ。さわやかでいい歌だ。
http://www.tudou.com/programs/view/dE4F4AVL6GU/
ぼくもこうしてふと思い出した言葉が「アンシャン・レジーム」でつい話したくなったわけだが、やっぱり高校時代に習った言葉だ。高校時代は良かったんだなあ。つくづく思うよ。

アンシャン・レジームを吹っ飛ばせ!


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