球脊髄性筋萎縮症 SBMA


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2020年1月6日、球脊髄性筋萎縮症の診断が下った。CPK(CKとも。クレアチンキナーゼの略語。筋肉にエネルギーを貯めるときに働く酵素で、骨格筋や心筋に多く含まれている。それらの筋肉が傷害されると、血液中に溶けだしこの指数が高くなる。)がこの10年間余り常時1,000前後であった原因が突き止められた瞬間だ。

血液検査をすると、その中にCPK(CK)という項目があり、基準値はおおむね40~200で、その数値は激しい運動をすると直後は20,000くらいにもなることはあるが、通常なら1日も経てば正常値に戻る。それが、いつ測定しても1,000前後というのは異常なはずなんだが、いままで掛かった医者はどの医者もさして気にも留めずにきたし、こちらも医者が何も言わないんだから特に異常ではないんだろうくらいに考えてきた。

2018年1月13日、胸に異様な動悸を感じ、歳が歳だからと念のため循環器科で見てもらったら、心電図やエコーには異常は見当たらないが、CPKが2,000を超えていたので狭心症の疑いがあるということになり、検査入院、カテーテル検査という大げさなことになった。が、結局心臓には特別異常なしということになったのは良かったが、中性脂肪やコレステロールの指数が基準値をやや超えているので高脂血症という診断が下り、心臓にはよくないということで「アトルバスタチン10㎎錠」を処方された。

このアトルバスタチンが今回のCPK異常の原因、球脊髄性筋萎縮症を突き止めるきっかけになったから皮肉なことだ。

アトルバスタチンを毎日1錠を飲むうち、1カ月経ったころから、今まで5km位なら平気で歩いていたし、近くの小山くらいなら何の苦も無く登れていたのに、1km歩くのも大変、常に脱力感、疲労感を感じ始め、とうとう100m歩くのもおぼつかなくなった。近所の掛かりつけ医に相談したら、直ちにその薬を止めるよう指示された。この「アトルバスタチン錠」はまれに「横紋筋融解症」という副作用が出ることがあるそうで、どうもその疑いがあるという。まさかまさかの副作用に見舞われたということだ。

結論から先に言えば、このアトルバスタチン処方は完全に医者のミスである。困ったことに、球脊髄性筋萎縮症がまだまだ医者にも認知されていないし、現状では仕方ないことかもしれないが、CPKの値が高い患者にスタチン系の薬を処方することは禁忌なのである。

球脊髄性筋萎縮症とは、脳の一部や脊髄の運動神経細胞の障害により、しゃべったり、飲み込んだりするときに使う筋肉や舌の筋肉、さらには手足の筋肉が萎縮(やせること)し、誤嚥性肺炎、歩行困難に至る病気で、男性のみにおこる遺伝性の病気である。通常30~60歳ごろに発症することが多いとされていて、正確な頻度はわかっていないが、日本全国で2000~3000人くらいの患者がいるものと推定されている。治療方法が確立しておらず、長期の療養を必要とすることで大きな経済的負担を強いることになるので、国が「難病の患者に対する医療等に関する法律」に定められる基準に基づいて医療費助成制度の対象としている「指定難病」でもある。

一昨年「横紋筋融解症」にかかって以来、リハビリのためジムに通ったり、できるだけ歩くことを心がけたりしてはいるが、相変わらずのCPK高値、筋力の衰えが気になり、循環器内科、神経内科、形成外科などを何軒か訪ねたが、診断は、体質によるものでしょうとか、経過観察ということにしましょうという程度で、なんら解決策には至らなかった。今回、転居したこともあって、そこでたまたま訪ねた「脳神経内科」で、「球脊髄性筋萎縮症」の疑いがあるので遺伝子検査を受けてみますかということで受けたところ、先生の診断が的中した次第である。

球脊髄性筋萎縮症は、2017年8月に「ニュープロレリン酢酸塩」が球脊髄性筋萎縮症の進行を抑制する治療薬として承認され、現在も名古屋大学を中心に全国の球脊髄性筋萎縮症患者を対象とした治験が行われている段階である。まだまだ確立した治療法ではないが、現在は健康保険の適応対象になり、高額医療に属するが「指定難病」にもなっているので、潜在的な球脊髄性筋萎縮症の方々も多くいるに違いないと思うのでここにメモすることにした。

【参考】
・脊髄性筋萎縮症に関してはここ
・SBMAの患者会が結成されています(https://sbma.jp/

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