ぼくの時間、ぼくの寿命

さーてと、もう1月も今日でおしまいだ。
長かったなあ。
いつもそうなんだよなあ、1月は長いんだ。
月の途中で2月と勘違いして、あれあれっとどぎまぎしたこともあったけなあ。
どうしてなんだろう。
お正月があったりして、いつもとは違う生活がリズムを狂わせ、時の流れを堰き止めるからだろうか。
もしそうで、長生きしたかったら、どの月も非日常的であればいいということになるんだが。
のんべんだらりといつの間にか時が過ぎていく生活を送っていると早く年を取る気がする。
昨年もそうだった。1年が実に速かったなあ。あれよあれよと思っている間にもう12月だというのが実感だった。

今から20年ほど前に『ゾウの時間ネズミの時間』(本川達夫著)という新書版を面白く読んだことがある。
基本的には、生物の分野の動物のサイズに関する知見が語られている実に学術的な本だが、我々余人にとっては余談が面白かった。
ネズミ以上の哺乳類では心臓の拍動数が決まっていて大体15億回であり、1回にかかる拍動時間が普通のネズミは0.2秒、ネコで0.3秒、ウマで2秒、そしてゾウだと3秒かかるそうだ。
これを人間に当てはめてみると、1回心臓が打つ時間が大体1秒だから、1秒×1,500,000,000回÷3600秒(1時間)÷24時間(1日)÷365日(1年)≒47.5年ということになり、同じ計算でネズミが9.5年、ネコ14年、ウマ95年、ゾウ143年という結果になるが、ゾウで大体寿命が70年くらいといわれているからどうなんだろう。
気になるのは人間の寿命だが、生物学的には47.5年は妥当なところだろう。
縄文時代の日本人の平均寿命は24歳だといわれているそうだが、日本の近代だけを取ると、明治維新頃で32歳、大正で44歳、昭和25年で60歳、そして今や80歳であるから、近代からこっちの寿命の伸びは実に顕著であるわけだ。人間の寿命は生物学的な要因よりもっともっと多様な要因で決まるようだ。

さて、ネズミの9.5年がゾウの143年に相当し、縄文人の24歳が現代我々の80歳に相当するとすれば、ネズミや縄文人の時の流れは実に速く、ゾウや現代のわれわれの時の流れはゆったりとしたものだということになり、絶対時間では測れない相対時間があって、同じ1カ月、1年が自分の中でも違い、人によっても違うものになり、これが充実した生活、人生であったり、悔いの残る人生であったりするのかもしれない。
考えさせられるなあ。

さてと、2月3日は節分。恵方巻を準備して。梅便りもぼつぼつかな。

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