上海余話

オスプレイの沖縄配備問題に揺れている日本。
ふと中国上海での日常で思い出したことがある。
上海と言えば中国第二の大都市。とはいっても人口で比較すれば、北京は約1700万人に対して上海は2100万人だから、経済規模の点からいっても中国ナンバー・ワンの都市だと言っても差支えない。
ちなみに東京地域の総人口は3700万人で傑出して世界ナンバー・ワンというから、中国との人口比較からしても、いかに東京が人口密集地帯であり、これからの日本を考える際に極めて重大な問題を抱えていることを知るべきである。
その上海にいて、いつも気になっていたことがある。
毎朝10時くらいだろうか、夕方にもあったような気がするが、上海の北西方面からジェット戦闘機が2機、轟音を轟かせながら、極めて低空で上海上空を2回か3回大きく旋回するのである。
それだけではない。月に1回くらいだったように思うが、真夜中に同じような旋回飛行がある。ジェット機のヘッドライトが窓に飛び込むこともあり、安眠妨害も甚だしい。
日本ではまったく体験しなかったし、語られていない光景で、慄然とする思いと、これをどう考えたらよいのか、いろいろと自分なりに推測したものである。
常識的には訓練飛行なんだろうが、あの広い中国だ、何もこんな大都市のど真ん中でやらなきゃならない必然性もない。
常在戦場を上海市民にも自覚させる政府の意図なのか、それとも、ともすれば北京政府を脅かしかねない上海勢力に対する威圧行為なのか、その辺のことは専門家ではないぼくにはわからない。
いずれにしろ、こんな大都会の上空をジェット戦闘機が毎日飛び交っている中国とオスプレイ問題に揺れる日本。
何をもって比較対照すべきか、実に難しい問題であるが、自分が垣間見た中国に対峙していかねばならないことは事実で、政治家をはじめとして、日本国民全体ももっと自覚を新たにしなければならない。

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