中古のサッカーシューズ

明日6月15日午前10時、2014年ブラジルワールドカップ、日本対コートジボワール戦がいよいよキックオフである。
できることなら日本よ、勝ってほしい。全力で応援するつもりだ。

昨日、家庭教師先の中学2年生とそのことを話しているうちに、たまたまどちらもが観たテレビ番組が話題になった。
先日9日に放映された番組で、岐阜のNPO法人「ぎふ・コートジボワール」が2008年以来続けている「コートジボワールの子に運動靴を贈ろう」運動が、今回偶然にも両国が対戦することになって取り上げられた番組である。
岐阜市の生花店経営、NPO代表の杉山利夫さんと同市内に住むコートジボワール人、カク・ブル・ジョージさんの友情から生まれたこの活動は輪を広げ、今では全国から届けられた中古の運動靴は3万足にも上るという。
この4月にはさらに4トントラック2台分、運動靴とスパイクシューズに分類し、汚れを取り除いて船便で送った約1万足を、カクさんが現地を訪れ、子供たちに分配する様子がテレビで流された。
普段は草履ばきがせいぜいの子供たちは大喜び。
一人の少年が貰ったサッカーシューズの後ろに「棟近」という名前が書いてある。その少年はカクさんにそのわけを聞き、すかさず「ムネチカくん、ありがとう。大切に使います。」とテレビ画面に感謝の言葉をする。

中学2年生も感動したという。
話題は広がり、今ちょうど世界地理を勉強しているというので、先生(ぼく)が中学生の時は世界の人口は約30億人、50年後の今2013年には72億人に達していて、そのうちの10億人は慢性の飢餓状態にあるということ、まともなな飲み水もなければ、学校はおろか、学用品もない、日本では考えられないほどの極貧状態の人達を合わせると世界人口の半分にもなるというと、中学2年生、うっすらと涙を浮かべている。

思うに、今教育問題がしばしば取り上げられ、教育改革がどうの、学力低下はゆゆしき問題だ、いじめの問題は学校が悪い親が悪い、兎も角かまびすしいこと限りないが、どれもこれも視点が小さく小賢しい。
大切なことは教育の内容で、子供たちにもっと大きな視点を持てるように、生きていくうえで大切なことは本当は何なのか、世界が平和であるためには極貧状態にある40億人の人たちとどう向き合っていかなければならないのか、一言では言い表せないが、もっともっと違った視点から考え直さなければ、「人を殺せば死刑になれる」と考える子供、いや大人までもますます増えるのではないだろうか。
つい最近も、日本の子供たちは世界の子供たちと比べると、際立って自信を無くしている、しかし際立って社会のために尽くしたいと考えているといった調査結果を目にした記憶があるが、こんな子供たちをどうか大切に育てていきたいものだ。

・NPO法人ぎふ・コートジボワール https://www.facebook.com/pages/NPO%E6%B3%95%E4%BA%BA%E3%81%8E%E3%81%B5%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B8%E3%83%9C%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB/186337734792191
・コートジボワール日誌(在コートジボワール大使・岡村善文氏のブログ) http://blog.goo.ne.jp/zoge1/e/4e6bc1a4ac7289403b8cf8a36c1a6c0d

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