心臓くん、ごめんなさい!

 
心臓が全身に血液を送り出す際には動脈に拍動を生じるが、この回数を脈拍数あるいは心拍数という。その数は人間の場合、1分間で男性で60~70、女性で65~75程度と言われている。ぼくは男だから中を取って65で計算すると、一日の総心拍数は65回×60分×24時間で93,600回、およそ9万4千回、一生の総心拍数は、男性の平均寿命は2017年でおよそ81歳だから、9万4千回×365日×81歳でおよそ28億回ということになる。しかし、一生平静に過ごしているわけではない。仕事で駆けずり回り、ラッシュアワーで駅の階段を駆け足で上り、下り、リフレッシュのために運動もするだろうし、好きな人ができれば胸がドキドキすることもあるだろうから、それやこれやを合わせると心拍数が100を超えることだって数えれば切りがないほどあるわけだから、28億回どころか、30億回は超えてもおかしくない。女性だと単純計算で35億回ということになる。
恐ろしい数だ。
それを1秒たりとも休むことなく一生涯打ち続けているわけだから、これだけを考えても心臓くんには最敬礼しなければならない。
脳死でときどき問題になるが、生きていくために必要な働きを司る脳幹を含む、脳全体の機能が失われても、薬剤や人工呼吸器などによってしばらくは心臓を動かすことができるし、植物状態では脳幹の機能が一部残っていて自ら呼吸できれば心臓も活動できるから、死の判定を脳死で判定するのか、心肺停止で判定するのか議論が分かれるほど、心臓は最後まで活動し続ける。
それほどに丈夫で頑健な心臓ではあるが、日本人の死亡原因の第二番目が男女ともに心疾患(ちなみに、第一番目は癌)であるいうのだから、これまた驚きだし、大矛盾というか不思議な事実だ。
今回、狭心症の疑いありで緊急入院、カテーテル検査まで進んで、初めて心臓のことを考え、教えられ、学習して、この臓器の大切さを、ひいては肺や肝臓や脳まで含めて、思い知らされ、大矛盾の解答を得た思いでいる。
今まではあまりにも心臓に無関心で、どれほど負担をかけていたか、下手をすれば、日本人の死亡原因、心疾患の一人に数えられかねない能天気でいた自分を猛反省している。人からは、健康に用心深い人だといわれ、自分もそのつもりでいたが、大錯覚していたわけだ。
BMI
ここに掲げたのは、1月16日に狭心症の検査入院の日から2か月間の体重とBMI(ボディマス指数、肥満度指数、標準18.5~25)の変遷を記録したものだが、体重で71㎏から63㎏、BMIで25.2から22.3に下げることができた。病院で生活習慣改善のレクチャーを受けそれを実践した結果だ。
といっても、自慢どころか、まことにお恥ずかしい思いで、逆に言えば、適正体重から8㎏を超える体重を馬鹿みたいにひたすら維持するためにどれだけの負担を心臓にかけていたか。体重だけではない。

・総コレステロール 239 → 157 (基準値 150~210)
・HDL(善玉コレステロール) 49 → 63 (基準値 40~86)
・LDL(悪玉コレステロール) 161 → 80 (基準値 65~139)
・LDL/HDL 3.3 → 1.3 (判断基準 2.5以上だと動脈硬化や血栓のリスクが高い。ほかの病気がない場合は2.0以下に。高血圧や糖尿病がある場合は1.5以下に。)
・中性脂肪 178 → 111 (基準値 30~150)

これだけの負担を心臓にかけていたわけだから、心臓もへこたれるのは当たり前。まさに、心から「心臓くん、ごめんなさい!」というぼくの偽らざる心情をご理解いただけると思う。
ただ、問題はこれだけでは収まらない。
昨日(3月15日)、循環器内科の勧めで神経内科を受診した。
理由は、1月16日に緊急入院した際、測定したCPK値(心臓をはじめ骨格筋、平滑筋など筋肉にある酵素で、これが高いと心筋梗塞や脳梗塞が疑われる)が異常に高くて、狭心症が疑われたわけだが、ぼくの場合かなり以前からこの数値が標準よりいつも高く、骨格筋系統の検査を受けて原因を特定するために神経内科にも回されたわけだ。ただ、神経内科医が少なく、受診するために2カ月先の3月15日の予約になった。
というわけで、とりあえず、上記のコレステロール値や中性脂肪、高脂血症を下げるために「アトルバスタチン10㎎錠」という薬を処方され、毎日1錠を飲むことになった。1カ月経ち、さらに飲み続けるうち、今まで3km位なら平気で歩いていたのに1km歩くのも大変、常に脱力感、疲労感を感じるので、60日目に近所の掛かりつけ医に相談したら、直ちにその薬を止めるよう指示された。この「アトルバスタチン錠」はまれに「横紋筋融解症」という副作用が出ることがあるそうで、どうもその疑いがあるという。上にも示した通り、血液の改善は見事に効き目を現したわけだが、とんでもない副作用に見舞われたということだ。
この薬を止めてから2週間、だいぶ体の調子も回復してきたが、まだまだ完全ではない。
そして、昨日の神経内科の受診。「アトルバスタチン錠」の副作用がもろに出ていること、もっとひどくなると食事ものどを通らなくなること、これからはこの薬を飲まないことを告げられた。幸い、ぼくの場合はそこまでには至っておらず、手足の筋肉には今のところさほどの異常はなく、これからの経過観察ということになった。
薬には、どんな薬にも副作用はあるとは聞いてはいたが、今までにもそんな副作用に見舞われたこともなかったので、今回初めて副作用の恐ろしさも体験したわけだ。

最近も、日本の薬害事情を告発する医者の記事を読んだが、病院や医者から処方される薬が必要以上に多かったり、複用してもせいぜい4種類が限度にもかかわらず、特に高齢者になると10種類を超える薬を飲んでいる人が結構多いそうで、思いもよらない副作用で様々な障害をしょい込んだり、ひどい場合には死に至っているケースも少なからずあるという。経済的にも、無駄な薬(残薬)に使われている費用は500億円にもなるそうだ。そういえば、ぼくの家にも、薬屋を開いてもいいくらい飲まなかったのか、飲み忘れた薬がいっぱい溢れている。

今回いろんなことを体験し、言いたいこともいっぱいあるが、疲れたのでこのあたりで。

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