今年の夏至は6月21日だから、今日でちょうど1週間が過ぎた。
ところで夏至とはどういう日かというと、これは中学の理科で習ったことだが、太陽が最も高くに上る日、一日の日照時間が一番長い日のことだ。
最も高いということはどういうことかというと、夏至の日の午後12:00に、まず目線を水平方向に置き、今度は太陽を見上げた時、その水平方向と太陽を見上げた時の角度で、観測地点が北緯35度(日本標準時の規準点の明石あたり)で、88.4度の角度のことを言う。日照時間ならおよそ14時間50分(ちなみに冬至は9時間45分)である。
また別の角度から見ると、夏至の日というのは、太陽が地球の最も北より、北緯23.4度の地点で午後12:00に頭の真上に来る日だ。台湾の台北市で北緯25度だから、台北の少し南、台中市あたりがその地点になる。この北緯23.4度を北回帰線と呼ぶ。またこの日は、北極圏(北緯36.6度以北)では白夜と言い、一日中太陽が沈まないで、地平線すれすれ辺りを一日ぐるっと回っている。
まあ、こういうことを中学あたりで学ぶことなんだが、受験生でもない限り、こんな詳しい知識はいらない。
ともかく、夏至が過ぎれば、日に日に昼が短くなっていき、夜の時間が長くなっていく。まだまだ夏8月あたりまでは日が照っている時間が長いから、それほどまでに思わないが、ああこれから昼が短くなっていくんだと思うと、少し鬱とまではいかないが気が重たくなるのは僕だけだろうか。
こうして夏至のことを考えるだけでも、こうした知識を共有しだしたのもほんの百年前辺りからで、江戸時代以前の人たちには経験則以外にはこうした知識は無かったわけだ。
ただ驚くのは、つい最近まで大半の人たちはこうした知識を持ち合わせていなかったが、一部の専門家達は太古の昔からこういう知識を持ち合わせ、研究に余念がなかった。
ピラミッドやインカの遺跡、イギリスのストーンヘッジ、世界いたるところに、天文学的知識とは切り離せない遺跡がいっぱいある。ペルーのマチュピチュ遺跡は何であんな高い、2000mを超えるところに建てられたのか。ノアの箱舟神話の正体は。
もちろん、いわれるようにどれも農耕との関連は考えられないことはないが、農耕だけのためなら、その知識は余りにも高度で専門的すぎる。
おそらく、人類は、人類誕生の日から、幾たびもの地球的大災害に見舞われてきて、人類絶滅の危機に瀕し、恐怖におののき、何とかその危機を事前に察知出来たらという思いから天文観測や研究に余念がなかったのだろう。
マチュピチュの遺跡にしても、いわゆる、スペイン人の迫害から逃れるためといったような通俗的な理由ではなく、いつか過去の日に人類が出くわした地球規模の大水害、今のメキシコ湾を生み出したような大隕石の突入による300m~500mを超すような大津波による大水害の記憶が語り継がれ、それから難を逃れるために作られた空中都市ではなかったか。ノアの箱舟神話もまたしかり。
そんなことを考えるとき、今現在地球に生息する我々人類は、あまりにも様々な危機に瀕しているにもかかわらず、暢気すぎではないだろうかと考えてしまう。
原発問題もそうだし、地球温暖化、大気汚染、海洋汚染、食糧危機、どれもこれもこのままでは、いずれ人類が滅びかねない問題山積だ。
昨日か一昨日だったか、別のブログでハンゲショウの俳句にちなんでのどかな話題を書いたが、今日は夏至が過ぎ、ちょっと鬱な気分から怖い話になってしまった。