♪♪♪ 般若心経 ♪♪♪
NHKオンデマンドの『100分de名著』で「般若心経」を見る機会を得た。
名には聞いていたし、昔子供のころ、お盆には必ず家のものがよく仏壇の前で唱えていたことを覚えている。
しかしそれがいったいどういう内容のものか全くと言っていいほど知らなかったし、関心もなかった。
今回も「般若心経」をお経として関心を持ってのことではなく『名著』にひかれてのことだ。
わずか262文字で記されている大乗仏教典の要約、エキスということだが、初めて目にする漢文はちんぷんかんぷん。
「空」と「無」という文字がやたら目について、東洋思想の「空」と「無」の若干の知識は持っていたので、何かそのことを解き明かしているのではないかと思った程度。
せっかくだから大意だけでも掴みたいものだとwebサイトで「般若心経」を検索し、「インド哲学の国際的な権威」東大名誉教授中村元先生の翻訳や、英語から逆にわかるのではないかと鈴木大拙先生の英語訳も読んでみたのだが、まるで分らない。
「般若心経」の最後に『羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶』という呪文を唱えることが真言と書いてあるのだが、ぼくにとってはこの「般若心経」自体が呪文である。
哲学には若干の関心があり、若いころから結構哲学書も読んだほうだが、西洋哲学が主だったせいかここの翻訳用語の概念がまるでずれている。
そうしているうちやっと出くわした
http://www.mikkyo21f.gr.jp/academy/cat48/post-200.html
で、初めて「般若心経」の何たるかを朧げながらも掴めた気がしたが、あくまでも独りよがりで確かではない。
おもしろくて意外に真意を読み取っているのではないかと思ったのは、
http://blog.goo.ne.jp/triarrowstar/e/de2310ff6cb1b632fef1f5ec2d299787
に出ている超現代訳。
解説にもある通り、この「現代語訳」は2010年9月、ニコニコ動画に投稿された動画「初音ミクアレンジ『般若心経ロック』」へのコメントとして、その後まもなく書き込まれたものだそうだ。
結局は大した成果もなく『100分de名著』に誘発された「般若心経」挑戦はあえなく挫折となった次第。
思うに、そもそも「般若心経」を『名著』として読み解こうとしたことに無理があったのかもしれない。
『羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶』も文字に起こし、意味を探ろうとすることが邪道で、原典のサンスクリット音で何度も何度も唱和し、瞑想の奥義を極めることに意義があるのだろう。
「般若心経」もそうで、仏壇の前でおそらく意味を考えることなく唱和していた家のものこそ真言の姿であるのだろう。
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄・・・・