ミステリーサークル


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写真は奄美大島沖の海底で発見された謎のミステリー・サークルである。
実に見事な幾何学的模様は人工物としか考えられない。
古代遺跡? ダイバーのいたずら? はては宇宙人の遺物?
いずれにしろ自然の造形とはとても考えられない模様だ。
奄美大島在住のベテラン・ダイバーが最近時々見受けるということでNHKに持ち込まれ、日曜午後7:30からの人気番組「ダーウィンが来た」のスタッフが調査することになった。
水中スクーターをはじめ、NHKお得意の最新撮影機材を持ち込んでの調査が始まった。
なるほど、水深25メートルあたりの砂地にいくつか同じ模様が発見され、どれも砂でできた模様だから古代遺跡ではない。ダイバーのいたずらなら調査に及ばずともすぐにわかるはず。
ということで、いくつかのサークルの内、まだ判然とはしていないがかすかな痕跡があるサークルに水中カメラを設置し観察が始まった。
しばらく待つうち現れたのが体長6㎝足らずのシッポウフグらしきフグ(後にどうも新種らしいということが判明)で、尾びれ、腹びれ、胸びれを巧みに使いこなしながら模様を形作っていくではないか。
直径2メートルくらいの円はほぼ真円で、真ん中の平らな円の周りには山並みのような模様が刻まれ、そこには貝殻のかけらを積み重ねられている。
この小さなフグがたった一匹でよくもこんなにどでかく、精巧極まりない造形をなせるものだとまず感服。
ほぼ完成したころ、どこからともなく現れたのはお腹の大きいメスフグらしい。
あちらこちら見回った後、またどこへともなく姿を消した。オスフグはその後もせっせとメンテナンスに忙しい。
やがてどのくらい経ったのか、例のメスフグがお腹を一回り大きくしてやってきて、しばらくオスフグとランデブーした後、安心した様子で産卵を始める。
潮流の激しいところらしく、もしこのサークル内に産卵しなければ、たちどころに卵はどこかに流され、ほかの魚の餌食になる。サークル内に産み落とされた卵は流されてもせいぜい周りの山並みに引っ掛かり、サークルの外には流れ出ない。(わざわざ東大でその実験をやっていたから面白い)
山並みに積まれた貝殻の破片も伊達におかれたわけではなく、酸素を多く含んだ新鮮な水流を捕捉し、卵の生育に寄与するとか。
卵は数日で孵化し、2㎜にも満たない無数の幼魚が体の半分以上もある目を輝かせながら波間に漂っていく。
もう感動以外の何物でもない。
生きとし生けるもの、すべて精一杯の「生の営み」を繰り返しながら種を保存していくのだろうが、これをこのように目の当たりにすると、
これはもう神のしわざとしか言いようのない感動と崇高な気分にひたるのであった。

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