私信 ーそれでも秋がー

 
九月のかかりに、あれっもう秋かな、と感じる日がありました。そんな日も2,3日。もう九月も半ばを過ぎましたが、連日の暑さには閉口いたしております。
その後いかがお過ごしでしょうか。昨年の今頃は、肺がんの手術を2回もなさって、その大変さと入院病棟の涼しさとが相まって世間の猛暑便りも蚊帳の外、そんな感想も漏らしておられましたが、今年の暑さにはさぞ参っておられるのではないでしょうか。
手術後の経過も順調で、お聞きするところ、畑仕事にも精を出され、食欲も旺盛でダイエットを盛んに気になさっておられるとか。なんと申し上げたらいいのか、お元気はいいのですが自信過剰は禁物、体調管理にはもう少し気を配られたほうがいいのではと老婆心ながら申し上げたい気持ちです。
それでも確かに秋は近づいてきましたね。稲の刈取りがあちらこちらで始まり、稲の切り株からまた新たな芽が青々と出てきているのもあれば、まだ手つかずの稲田もあります。その畔にはお彼岸を前にあの真っ赤な彼岸花が目立ち始めました。湖岸には例年のようにアユの稚魚が群れを成して遊弋しています。もう少しすると湖岸にびっしり群れを成し、勢い余って湖岸に跳ね上がり干からびるアユも出始めます。昨年は何とかこのアユを掬い取りたいと網を買ってきましたね。ダメでしたね。今年も挑戦してみますか。
今年も本当にいろいろなことがありました。3月11日のことは言うに及びません。あんな天災はめったにあるものではありません。日本国中いまだに右往左往していますし、今後何年かかって復興ができるのやら、被災された方にはお気の毒としか言いようがありません。
昨日はテレビで、東北地方の人たち100人が取れたてのサンマをトラックいっぱいに積んで東京にやって来て、せめてものお返しだと、テントを張って、ながーい炭火コンロで焼き立てのサンマを東京の皆さんに振る舞っていました。涙が出ましたね。
東北地方の人たち、中でもお亡くなりになった人たち、取り残された人たちには申し訳ありませんが、この方々のおかげでどれだけ日本国民が浄化され、温かい心を取り戻し、子供たちには最高の教育機会を与えたことでしょう。
さっそくサンマを買ってきましたよ。本当に今年のサンマは美味しい。丸々太っていて実に脂の乗りがいい。でも、テレビでも言っていましたが、今年は三陸沖は水温が高くてサンマが寄り付かず、北海道沖まで出かけねば取れないそうです。またこれも心配です。
今度お伺いするときはサンマの美味しそうなやつを持って伺います。今年は大根はまだですか。あれば最高なんですがね。それとあの手作りの柚子ポン酢がね。

 

ゴーヤ

 
この夏はよく食べた。開けても暮れてもといった感じだ。なぜって?
この夏が始まるころだったと思うが、テレビで京セラが社屋の壁面をゴーヤを這わして夏の節電対策にするという報道があったのが動機と言えば動機で、だからと言って壁面に這わしたわけはでなく、小さな畑で三つか四つ苗を買ってきて植えてみた。
かわいいもので、ずぼらして水やりを忘れても日に日に育っていき、夏の初めには初収穫。光沢のあるいぼいぼは逞しく、いかにも精の付きそうな野菜である。
調べてみると、「ゴーヤ」ではWikipediaにも載っていない。たどりたどって、「ツルレイシ-Wikipedia」で初めてゴーヤにたどり着いたわけだが、「ゴーヤ」は沖縄地方での呼び名で、正式には「ツルレイシ」または「ニガウリ」ということだそうだ。水溶性のビタミンCが豊富で、苦味成分は健胃効果があって夏バテにはもってこいとのこと。
このゴーヤ、初めて食べたのが昨年の夏。名前も知らなくて生徒に聞いて初めて名も知ったわけだが、そのお母さんがさっそくゴーヤ料理を作って持ってきてくれた。豚肉と味噌で煮込んだもので、最初は「なんじゃ、この苦さは」と正直思ったが、食べるごとに調理もうまいのか病み付きになりそうな苦さがある。それからというもの、時々ゴーヤを買ってきては見よう見まねで何度か食したわけだ。
今年はそのゴーヤができるはできるは、ほかの野菜と一緒に炒めたり、リンゴとバナナとネーブルのジュースに加えたり、余ったやつは陰干しして「ゴーヤ茶」にしてみたり、まさにゴーヤ三昧。おかげで今年は熱中症にかかることもなく、何とか夏も越せそうだ。
ゴーヤさまさまである。

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