切り花が 払い除けるや 梅雨の憂さ

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Ikebana is a representation of Japan’s aesthetic sense that brought together nature in a concise way.
https://goo.gl/zux8Mj
生け花とか切り花とか華道とかいろいろ呼び名があって、どれが本当の呼び名かわからないが、日本を代表する芸術であることは確かだ。西洋の盛花と違って非対称性で一方向から見ることを意識して飾られる生け花は日本独特である。飾る空間は狭くとも無限の広さを持つ自然を再現するように天地人で構成されている。四畳半の極めて狭い空間に飾られる一輪挿し。畳2枚ほどの床の間に飾られる生け花。すべてその例だ。日本の庭園、能、絵画、短歌、俳句、あらゆる芸術に流れる普遍の原理は、無駄なものをできる限り排除し、それでいて無限の広がりを感知させる表象なのである。この意識は深く日本人のDNAにしみこんでいて当の本人には自覚できないほどであるが、外国人が日本に来てこの異国性は鋭く感知され、日本の魅力になっている。古くは、16世紀の戦国時代にやってきた宣教師たちは、この日本の独自性と思想性に感心し、野蛮の国と思って入国した判断の間違いに早くから気づいた。明治に入ってからも、この生け花一つをとっても関心を示し、家庭の盛花にも日本風を取り入れた。そして今、ここに載せた動画のように、日本の生け花は外国人にも広く関心を呼んでいる。これから2020年の東京オリンピックまで、日本を訪れる外国人はますます増えるだろうが、この極東の国、ユーラシア大陸の大陸棚の絶壁に位置する日本はますます注目されるに違いない。

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