平成も 終われば懐かし 雛祭り

♭♭♭ うれしいひなまつり♭♭♭

Heisei Period is about to finish soon. There were various events both public and private, but now all of them remain a nostalgic memories. I am grateful that I can celebrate this Hinamatsuri safely now.

2月28日。平成31年の2月も今日でお終い。あと1ヶ月で新しい元号のもと、新しい時代が開けます。ふと立ち止まって、この30年間を振り返ってもみます。

こう思うと元号もまんざら意味のないものではありません。どちらかというと紀年はもっぱら西暦派でどうも元号は使いにくい。書類なんかで年を書き込む時は、どちらで書き込むのか迷うこともあるし、例えば、西暦2019年なら、元号記入のとき、平成19年と書き込んでしまう時があります。

そりゃお前、いよいよ認知症だなと言われれば、無碍に否定できない現実もあります。

西暦であれば、例えば、2001年なんかは世紀が20世紀から21世紀の変わり目で、皆が大騒ぎするもんだから、そうなんだ2001年なんだと強く意識しましたけれども、それ以外では多少は意識しても時の過ぎ行くままです。

そういう意味では、元号は一区切りを強く意識するので、ひとしきり、来し方行く末を考えてみるということもあり、意義のあることだとも思います。

まあしかし、事務書類は西暦で統一してほしい。どちらでも結構、あなたのお好きなようにでも困ります。

 

夜桜に 白酒飲んで 赤い顔

♭♭♭ うれしいひなまつり♭♭♭

Even though it is in the Hina Festival, the cherry blossoms are blooming. And so we appreciated the splendid cherry blossoms tonight. Drinking a white sake for the Hina Festival we had a slightly red face.

これから雛祭りだというのに、もう桜が満開というところがあります。夜にはライトアップされて多くの見物人で賑わいます。

夜ともなればさすがにまだ寒いので、ついお酒をということになりますが、振る舞われるお酒は白酒。

白酒は主に雛祭りのお祝いのために出される酒で、蒸したもち米に焼酎と米麹を加えて作られます。酒税法ではリキュール類に分類されます。

童謡「うれしいひなまつり」の中に「すこし白酒めされたか あかいお顔の右大臣」として出てきます。

ところでこの童謡でよく指摘されることですが、写真のように、顔を赤くしているのは左大臣。

作詞者サトウハチローは、ひな壇のことは深く考えずにこう書いたのか、歌の響きから「左大臣」の「さ」より、「右大臣」の「う」が良かろうと考えたのか、どうなんでしょう。「左大臣」は向かって右側だからそう表現したのかもしれません。

いずれにしろこの赤ら顔の「左大臣」は今で言う内閣総理大臣ですから、お内裏様の随身ではナンバーワン。ひな壇でもお内裏様のその下の段に置かれるべき人です。この意味でも今のひな壇は段違いなんですね。

もっとこだわれば、「左大臣」「右大臣」は文官ですから、正装では弓矢を持ちません。

弓矢を持つのは武官で、そういう意味から言ってもサトウハチロー先生が曖昧である前に、ひな壇自身も曖昧なのですから、そう目くじらを立てるほどの事はないのかもしれません。

 

雛祭り 聞いて安らぐ わらべ歌

♭♭♭ うれしいひなまつり♭♭♭

March 3 is Hinamatsuri. You can hear the song of Hinamatsuri out of nowhere. If you listen to that song, your mind will feel comfortable and return to your childhood.

今週は雛祭り一色です。どこに出かけても「うれしいひなまつり」の唄が流れてきます。のどかでいかにも「桃の節句に」にふさわしい唄です。作詞:サトウハチロー、作曲:河村幸陽 により1936年に発表された童謡です。

1936年、昭和11年と言えば「二・二六事件」という軍事クーデターが起こった年です。この年の1月には日本がロンドン海軍軍縮会議から脱退し、軍部の力が大きくなっていく年でもあり、ヒトラー指導の下に8月にベルリン・オリンピックが開催され、4年後の1940年には東京オリンピック開催が決定されるという、後の枢軸国が世界にのしていく年でもありました。

国内外ともにきな臭い年にこの童謡がつくられたということに多少の違和感を覚えますが、いつの世も庶民は平安を望んでいたわけです。

時代は変わって今は2019年。世界は様変わりしていますが、何となくきな臭さも感じられるのは同じです。

世界の皆んながこの「うれしいひなまつり」を聞いたら、もっとももっと平和の大切さを知るでしょう。

写メールで 炬燵に届く イチゴ狩り

When entering the kotatsu and watching TV the smartphone ‘s ringtone sounded. My grandchildren are filling their mouthes with big strawberries when I open my smartphone. Even though it is still February.

炬燵に入ってパソコンで作業をしていますと、横においてあるスマホからメールの着信音が鳴りました。開けてみると、東京にいる孫たちからのメールです。今千葉の何とかいういちご狩り園に来ているというメールです。

5,6枚の写真が添えてあって、大きな真っ赤なイチゴを頬張っている写真とか、園内の様子が写っています。

いつもながらに、ふとカレンダーを見てしまいます。まだ2月です。イチゴといえば、5,6月という感覚ですが、今はそうではないんですね。ビニルハウスの促成栽培では2月ともなれば、土日なんかはどこも予約客で満杯だとか。

今の世の中、万事がこういうことですから、孫の世代と時代感覚のギャップが生まれるのは当たり前。

この前なんかは、25歳の若い人と話していたら、20歳の人とでもギャップを感じるそうですから、我々みたいに、60,70も歳を離れていたら、孫たちからすれば縄文時代人くらいにしか受け止められても仕方ない。

これからを生きる若い人たちの時代感覚は我々には感知できないものを持っているでしょうから、あまりしゃしゃり出ないことも肝要かと、イチゴメールから得た教訓です。

梅の花 桃の節句に 咲き誇り

March 3 is the Peach Festival. Ironically, however, plum blossoms are in full bloom at this time and peach blossoms are blooming one month ahead.

3月3日は「桃の節句」です。

「桃の節句]とはいいますが、桃が咲くのはまだ1ヶ月先。今は梅が花盛りです。「梅の節句」と呼ぶ方が適切だと思うのですが。

これも暦のいたずらで、日本では新暦と旧暦が入れ混じっていることから起こる混乱です。

冬がこれから始まるというお正月には「初春のお喜びを申し上げます」と言ったり、俳句の季語でも季題は何かと戸惑うことしばしばです。

旧暦と新暦にはおよそ1ヶ月くらいの誤差がありますから、「桃の節句」も本来は新暦の4月3日ということになり、「桃の節句」もなるほどということになります。

中国では、今年の正月は2月4日が日本で言う元旦でしたから、今年もたくさんぽ中国人がこの時期に来日し、ニュースでもよく取り上げられました。

小さい頃は、お爺さんやお婆さんのいる田舎ではまだ旧暦でお正月を祝っていたところがあった記憶があります。

中国や韓国ではいまだに頑として旧暦を守っている部分がありますが、日本はこの点では優柔不断。

元号も変わることですから、行事ごとも新暦なら新暦に一新することも一案かと。

湯上がりの 心も癒す つるし雛

At the Inatori hot spring town of Izu, the festival of Hanging Hina, a traditional event, began. The festival was originated to honor that the mothers of poor peasants made hina dolls from old clothes for their daughters.

「つるし飾り」発祥の地をうたう静岡県東伊豆町の稲取温泉の「つるし飾り祭り」は、福岡県柳川の「さげもん」と山形県酒田の「傘福」とともに「日本三大つるし飾り」のひとつとして知られています。

江戸時代においては、お雛様を購入できる裕福な家庭はまれで、せめて、お雛様の代わりに愛する子供や孫のために手作りで初節句を祝おうと、母親や祖母が「つるし飾り」をしたのが稲取の雛のつるし飾りだそうです。

一度は廃れかけた風習でしたが、1998年から毎年「雛のつるし飾りまつり」として復活、地区全体を会場に様々な箇所で様々な雛人形が飾られています。

写真は、素盞嗚神社(すさのおじんじゃ)の118段の石段をひな壇に見立てた雛飾りで、両脇には無数のつるし雛が飾られていて圧巻です。

稲取の「つるし飾り祭り」は1月20日から始まっていますが、素盞嗚神社(すさのおじんじゃ)の「つるし雛」はこの20日から始まり、3月10日まで開催されます。

これから3月3日の「桃の節句」「ひな祭り」まで各地で「ひな祭り」に因んだ様々な催し物が繰り広げられることでしょう。

メジロまで 桜をバックに ポーズ取り

A Mejiro, a Japanese white-eye bird, is coming and watching cherry flowers. On pointing my camera at one, it poses like a human being by twisting its body. That figure is very cute.

梅にウグイスとはよく使う表現です。桜にウグイスとはあまり聞きません。写真は桜にとまった目白ですが、これとてウグイスと間違われる方が多いのではないでしょうか。

うぐいす色というのは、写真のような黄みがかった緑がなんとも言いようのない色彩を言い表す言葉で、このメジロの色こそ連想するうぐいす色なのです。しかし、実際は、ウグイスはこんな色ではなくもっと地味で茶色がかった色をしています。

梅にウグイスという表現は、梅にとまるウグイスを言い表しているのではなく、梅が咲く頃ウグイスが鳴くということからきた言い表しようです。

ウグイスはとても警戒心の強い鳥でめったに人目には留まりません。ましてや、特に人が集まる梅や桜には十中八九やってきません。やってくるのはメジロです。ウグイスは声だけは美しくて甲高く、梅や桜の咲く頃、木立の中から姿を見せずに囀ります。

メジロは人懐こい鳥で警戒心があまりありません。鳴き声もチチチッ、
チチチッと鳴くだけで鳴き方はウグイスには負けます。

「梅にウグイス」は鳴き声の取り合わせで「梅にメジロ」は色の取り合わせ。それがねじれて「梅にウグイス」という誤った連想が生まれたわけですね。

天ぷらで 春の苦味は 蕗の薹

The feature of spring Japanese food is “bitterness”. Japanese food often uses wild vegetables as materials but the spring wild vegetables have bitter taste in general. It is because that bitterness has been thought to discharge the waste matter accumulated in the winter from the body.

「春は苦味を盛れ」― 和食でよくこう語られます。

春の食材は山菜が主役です。タラ、ウド、ノビル、ツクシ、ワラビ、ゼンマイ、野山ではこれらの山菜が一斉に芽吹きます。どれにも独特の苦味があります。

冬の間に体内に蓄積された老廃物をこれらの苦味が一掃してくれる、と信じられてきました。実際にもその通りで、これらの山菜にはベーターカロチンやカリウムその他様々なミネラル成分が含まれていて、春に向けて体をリフレッシュしてくれます。知らず知らずの内に語り伝えられてきた伝統の食材なんですね。

春の七草、秋の七草、季節季節に盛られる伝統の味にも、れっきとした栄養のあとづけがあるのは驚きです。

最近、日本の縄文文化が世界でも注目されていて、我々が知る以上に縄文文化は高度で広がりのある文化だと認識されつつあります。旧石器時代に土器が制作されている痕跡、それに盛られた食材。

蕗の薹の苦味の込められた歴史を味わうのもまた一興です。

天高く 野焼きの煙 春の香

Field burning is done in various parts of Japan this time. It eradicates pests and its ash becomes fertilizer of plants. It is also an important occasion as Shinto rites.

1月26日には、奈良の若草山で山焼きが行われました。これを皮切りに各地で山焼き、野焼きが一斉に行われます。

有名なところでは、阿蘇の野焼き、大室山の山焼き(写真)、秋吉台の山焼き、などがあります。

害虫の駆除のためにも、また焼いた後の灰が草木の肥料になることから行うところもあれば、奈良若草山焼きのように、春日大社、興福寺、東大寺の神仏が習合して、先人の鎮魂と慰霊、さらには世界の人々の平安を祈っての神事としての山焼きもあります。

どの山焼きのも沢山の人々が押し寄せ、春の到来を告げる一大イベントになっています。

昨日2月19日は「雨水」と言って、二十四節気(1年を24等分して付けた季節の名称)のひとつの日です。大寒、立春、雨水、啓蟄、春分、といった具合ですね。このように日本人は非常に季節に拘り、大切にしてきました。

また、昨日はスーパームーンの日でもあったわけで、これはこれで多くに人の話題にもなりました。

古き良きこと、新しい発見、そんな邂逅の日であったわけですね。