今日2月11日は「建国記念の日」である。
この日いちばん目に留まったニュースは、Yahoo!ニュース(産経新聞)の『建国の日「知っている」2割未満 米中では9割超 『自国誇り』は7割』という見出しの記事だ。
日本青年会議所(日本JC)が11日の建国記念の日を前に、「自国の建国・独立の日」に関する意識調査を行ったところ、中国の10割をトップに、カナダ、米国、フランス、ドイツ、そして最後のイタリアが8割弱を示す中、日本はどーんと下がって2割弱。「日本人の建国に対する意識の低さが鮮明に浮かび上がった。」とし、最後に日本JC国史会議議長の棟久裕文(むねひさ・ひろふみ)氏が「日本では自国を誇りに思いながら、建国は知らないという矛盾した状況になっている。グローバル社会に向け、義務教育段階から建国を含めた国史教育を充実させていく必要がある」と話している、と締めている。
むべなるかな。
この「建国記念の日」制定のいきさつからしてすったもんだで、戦前の「紀元節」が1948年(昭和23年)に廃止され、間髪を置かず紀元節復活の動きが1951年(昭和26年)頃から見られ、「建国記念日」制定に関する法案が提出されが、当時野党第1党の日本社会党が保守政党の反動的行為であるとして反対し、衆議院では可決されたものの、参議院では審議未了廃案となるなど、この法案はその後9回の提出と廃案を繰り返すも成立には至らなかった。結局、「建国記念日」の名称に「の」を挿入した「建国記念の日」として“建国されたという事象そのものを記念する日”であるとも解釈できるようにして社会党も妥協、1966年(昭和41年)6月25日、「建国記念の日」を定める祝日法改正案は成立した、といういわくつきの祝祭日なのである。
つまりは、「日本が建国された日」ではなく、「日本が建国されたという事実を記念する日」として制定されたわけで、多くの国民は「建国記念の日」と「建国記念日」の区別がつかないし、制定のいきさつと目的が曖昧模糊としているわけだから、「建国記念の日」の受け止め方もいい加減なもので、多くの国民が骨休みの休日くらいにしか受け止めていないのも仕方ない。上のアンケート調査もいったい何を問うたものか定かでないというわけだ。
世界の主要国を見ても「建国・独立の日」は歴史的にも日が浅く、明確な根拠がある。一方、日本では「建国記念日」が設定に建国神話が用いられ、記紀中で神武天皇が即位したとされる日(紀元前660年2月11日)であるから、今年で建国2675年ということになり、世界でも類を見ない長寿国ということになるが、これとても確たる根拠があるわけではないから、いっそう曖昧さに拍車がかかる。
さりとて、ほとんどの国民は日本を誇りにし、うまし国と思っているのは確かだろう。
ちょうどこの記事の下に、
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いうのが載っていて、まあ今日の「建国記念の日」も良しとするかという気持ちにあいなった。