理不尽なこと

最近立て続けに理不尽なことに出くわし、少々心が滅入っていた。
どちらも車を運転していてのこと。
一つは交差点で信号待ちをしていてのこと。
前に大型の乗用車が1台止まっていて、信号が青になったのに動き出さない。運転席を覗くとどうも携帯に夢中になっている様子。後ろにも何台か車が続いているので、あまり気が進まないままクラクションをそっと鳴らして喚起を促すと、ハッと気づいたように前の車が走り出した。ところが、走り出したまではよかったんだが片方1車線とはいえ幹線道路。制限速度が60キロと書かれているのに、その車、40キロにも満たない速度でノロノロ運転。明らかに嫌がらせとしか思えない。後続の車が何台も続いていて、さあどうしたものか。対向車線にも車が次から次に来ていて、それでも合間を縫って前の車を追い抜けないことはないが、追い抜くとまた何をされるかわからない。こちらがまずその車を追い抜かないと後続の車も追い抜けない。イライラは募るばかりで、14、5分は続いただろうか、やっととある交差点でその車が左折してくれたが、ほっとすると同時にこの理不尽さに腹立たしさを超えた複雑な思いがよぎった。
もう一つは、こちらにも非があったのかもしれないから声を大にして言えないが・・・
コンビニから前の車道に出ようとすると大渋滞。長い車列ができてノロノロ、ノロノロと走っている。割り込もうとしても、向こうの車線なのでなかなか割り込めない。そんな中、割り込めるに十分だと思える車間ができている個所があったので、手前の車線の車に譲ってもらいそこに割り込んだ。後続の車とは十分だとは言えないまでも迷惑をかけない程度には車間はあったと思うんだが、割り込んだ途端、後続の車が急接近してきてクラクションを激しく鳴らす。あまりの権幕なので路肩に車を寄せ、その車を通り過ごさそうとすると、その車が横にぴったりと停車し、車から40前後の男が降りてきて、ぼくの胸ぐらをつかんで、子供が乗っているのに追突でもしたらどうするんだと大声でわめき散らしている。変に言い訳をしても怖いとひたすら謝り続けた次第。

車を運転していると、本当にいろいろな場面によく出くわす。いやなことだけではない。譲ってもらったり、停車してもらっては気の毒なほどのダンプカーや大型トラックがこちらに道を譲ってくれたり、後続の車を止めて割り込ませてくれたり、小さな感動を何度も味わわせていただいたこともある。
また、一人の人が神様になったり鬼になったりするのも車だ。
今回出くわした鬼もまた違った場面では神様になっているのかもしれない。腹の虫の居所が悪かったんだろう。
そう思えば、やっとこちらにも安どの気持ちが蘇った。

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