イカナゴのくぎ煮

今日は2月28日。1月は長かったが、2月はあっという間に終わろうとしている。
このころになるといつも気になるのがイカナゴの解禁日だ。
4,5年前だったか、近くのスーパーで初めて生のイカナゴが目に留まり、物珍しさ半分でイカナゴのくぎ煮に挑戦することに相成った。
1㎏買ってきたものだから、うまい具合にはできたが一人で食べるには多すぎる。
離れて暮らしている家族に宅急便で送ってみたら、これがやたら好評なのである。
それからというもの、毎年この2月も暮れになるとイカナゴの解禁日が気になってしようががない。
イカナゴ漁に解禁日があるなんてまるで知らなかったが、瀬戸内海から大阪湾にかけて生息するイカナゴが激減し、やむなく禁漁期間を設けたそうな。
このイカナゴのくぎ煮、東播磨から神戸、大阪にかけて広まった食材で、もう京都になるとイカナゴよりもちりめん山椒が好まれるというからごく限られた地域の食文化なのである。
そして今日、今年はこの2月28日がイカナゴの解禁日で、前日予約しておいた店に取り立てのイカナゴを買いに行った。
すぐ近くの漁港から毎朝11時くらいに入荷するそうで、家族や親せきにお配りするので3㎏買うことにした。
今年はまたいっそう不漁だそうで、1㎏が1,380円もする。それでも安いと店の主人が言う。
昨年は普通のスーパーで1㎏が1,000円、そしてこの店が確か1,000円は切っていたと思うから、かなりの値上がりだ。
でもいい。昨日スーパーで売っていたくぎ煮は500gで2,500円ほどしたから、手間暇はかかるが仕方ないか、と自分を納得させた。
ザラメ砂糖を買い、ついでにほかの食品も買い込んで勇躍家に帰り着いた途端、肝心の土生姜を買い忘れたのに気が付いた。
この土生姜を刻みこんでこそイカナゴの独特の風味がいっそう引き立つというもの。
本当にオレって馬鹿なんだよね。あれほど買い物に出かける前に、ザラメ砂糖と土生姜と反復しておきながらこのざまだ。

その土生姜も近くのスーパーで手に入れ、今は出来上がったイカナゴのくぎ煮をつまみ食いしている。美味い。
これがまたコーヒーとよく合うんだよね。
2月も終わり、明日からもう3月だ。
梅の香りも漂い始め、今日はやけにあったかい。
それにしても慌ただしいなあ。人生、まるで駆け足だ。
前のテレビはTPP交渉が決裂を報じ、福島原発の汚水処理も遅々として進まないどころか、次から次と問題が派生しているという。
ソチが終わった途端ウクライナ政権の崩壊だし、中韓は相も変わらず駄々を捏ねまくり、そうそう、アンネの日記がたくさん破かれたとか。
せっかく春の風物詩でもと書き始めたんだが、ままならないものだ。
またこれも人生か。

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