自慢にもなりませんが、20年来の慢性便秘で苦しんでいます。ここ1,2年は、夜、寝しなに「大建中湯」一包を飲み、翌朝一番に「グーフィス」2錠を飲んで、何とか凌いできました。最近はその効き目も弱くなったのか、数日間全く便意を催さないことが度重なるようになりました。そしてこの1週間、全く便意を催さず、排便できない状態になりました。怖くなり、近くの高度医療専門の医療センターに行って、CTスキャンもしてもらった結果、大腸癌とかポリープが発生して便通を妨げているわけではなく、左方結腸あたりに硬い便が固まっていてこれが通便を妨げているとのこと。気長く、排便を促進する薬と、水分を多くとる以外に対処方法はないとの診断です。そして「リンゼス」という下剤を処方してもらいました。
大腸に特に異常はないということが安心材料ですが、こんな長期の便秘に応急処置方法がないというのも困ったものです。大腸検査に使う内視鏡みたいなもので詰まった便を掻き出すとか、柔らかくする薬を大腸にまで注入するとかいう方法はないもんでしょうか。ともかく医者の指示通り「リンゼス」2錠を朝いちばんに飲むことにしました。しかし2日経っても何の効き目もありません。継続して飲めば効果があるのかもしれませんが、そんな悠長なことは言っていられません。思い切って、従来通り夜寝しなに「大建中湯」1包、翌朝「グーフィス」2包、そして新たに、大腸に水分を保持する「モビコール」1日6包と、腸内に乳酸菌、特に酪酸菌などを補うことで腸内環境を整える「ミヤBM錠」1日6錠を飲むことにしました。するとどうでしょう、初日から数えて10日目あたりに便意が催し始めました。そして11日目の朝、溜まりに溜まった便が一気に出たのです。乾杯!思わず快哉を叫ばずにはいられないほどの喜びです。
国民の3割が櫂患(とうかん)しているといわれている慢性便秘症は、まさに国民病ともいえるものです。便秘症は60歳未満では女性に多いと言われていますが、60歳を超えると特に男性の数が増えてきます。今や高齢化社会を迎えて便秘症の患者さんは男女ともに増加の一途をたどっています(図1)。
慢性便秘に対する対処法や解消法は様々挙げられていますが、具体的な対策となると全くの手付かずの状態です。それどころか、医者に行って処方してもらった薬のせいでかえって便秘が進化したということもよく耳にします。大黄を含んだ緩下剤を処方し続けるとか、大腸検査の前夜に飲む「プルゼニド錠」を30日分平気で処方する医者にも出会いました。朝、昼、晩と1日3回飲むように処方されている薬でも夜寝しなに1回だけ飲むほうが効き目がある薬もありました。要は、薬の効き目にも個人差があり、医者の処方通りにはいかない薬も多いという気がします。医者も患者からもっと情報を聞けば役に立つだろうに、パソコンの画面にでる処方薬を漫然と出す医者も多いような気がします。
大阪でも有名な胃腸病院に通ったこともありますが、そこの担当医がやはり便秘で、二人で薬の効き具合を調べ合ったことがありました。その時の知識が今回も役立ったように思います。