新マキャベリズム

最近の国際関係、なかんずく日本と日本を取り巻く周辺国家との外交問題がかまびすしい。
尖閣諸島問題で日中間がぎくしゃくする中、新たにロシアとの北方領土問題がクローズアップされ、国会論戦でも野党が「どん菅内閣」と揶揄する論戦が巻き起こっている。
確かに最近の日本外交は方向性の見えないダッチロール外交だ。
戦後のとにかく国力回復を目指す経済中心外交、そして東西冷戦の中、非核三原則を掲げ非武装中立を目指す平和主義外交と、それなりに目標を掲げ、右肩上がりの経済成長がそれを下支えして世界にも影響力を持ち、日本の存在感もあったわけだが、1980年代後半からのバブル崩壊による国内的混乱は予想以上に深刻で、外交どころではない矢先に、中国をはじめとするいわゆるBRICs(ブラジル (Brazil)、ロシア (Russia)、インド (India)、中国 (China) の頭文字を合わせた4ヶ国の総称)の経済成長は目覚ましく、外交分野においても大きな勢力として台頭してきた。
隣国中国に至っては21世紀を先導する国ともいわれるほどの成長ぶりだ。
そして日本はこのところこの中国に振り回されぱなっしだ。東シナ海のガス田問題ではいまだ外交的決着がつかず、その間中国は実効支配したままどんどん資源を吸い上げているし、尖閣諸島もその地下資源を標的とした支配力を及ぼそうと日本を揺さぶっている。
そして同じく経済新興国ロシアがまたまた領土問題で日本に難題を突き付けてきた。
ヘーゲルが言ったように、「歴史は繰り返す」。
21世紀はおそらくマキャベリズムが幅を利かせる世紀になろうとしているのだ。
『謙譲の美徳をもってすれば相手の尊大さに勝てると信ずる者は、誤りを犯す羽目に陥る。』
とマキャベリはその著「君主論」で言っているが、謙譲の美徳を最も尊重する国日本は、このマキャベリの言うとおりの落とし穴にはまりこんでしまうのではなかろうか。

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