中国のコメ10%がカドミウム汚染

南京農業大学の潘根興(パン・ゲンシン)教授が率いる調査チームが2007年に中国の全国6地域の主要都市・県で売られている91種類のコメの安全検査を実施したところ、10%前後の基準値を超えるカドミウムが検出された、と中国のウェブサイト財新網が14日報じたそうだ。
カドミウムといえば、1968年日本の公害病第1号として認定されたイタイイタイ病の原因となった重金属で、イタイイタイ病は水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくとともに日本の4大公害病といわれ、学校の教科書にも載っている。
日本の場合もそうだったが、カドミウム汚染は酸性土壌で起こりやすく、中国全域がもともと酸性土壌なうえ、近年の度重なる環境汚染により土壌はいっそう酸性化しているのが実態だそうだから怖い。
人口もそうだが中国の10%は桁が違う。中国のコメの年間消費量は約2億トンだから、その10%といえば2000万トン。日本の年間コメ消費量は今や1000万トンを割り込んで900万トンくらいだから、中国のカドミウム汚染米は日本の年間消費量の実に2倍強ということになる。この汚染米を食したからと言って全員イタイイタイ病にかかるわけではないが、日本のイタイイタイ病発症者をはるかに上回ることは目に見えている。
さらに恐ろしいのは、中国ではこうした土壌汚染地域に作付するのを規制する法律がないことだそうだ。
流通米に関する罰則はあるから大都市圏では規制されても、貧困な農村やその周辺の中小都市圏では経済的理由から汚染米も食せざるを得ない状況にある。
昨年だったか一昨年だったか、アメリカやオーストラリアで、子供の玩具からカドミウムが検出されて国際問題になったこともある。
カドミウムに限らず、中国の環境対策に関してはもう手の付けようがないほどだ。無政府状態だ。
2,3%の富裕層が国家資産の70%、80%を保有する中国に人権はない。拝金主義に凝り固まった一部特権階級はますます富を蓄積独占し、エジプトで起こったムバラク追放のニュースを流さないどころか、「ムバラク」の検索さえできないよう情報操作をする政府は、いったい中華人民共和国を名乗るに値する政府なのか、隣人として座視することはできない。  

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