鏡湖池に 菖蒲を招く 金閣寺


The Kinkakuji that reverses in the Kyoukochi, the mirror lake pond, where irises bloomed is reflected vividly.
アヤメ、ハナショウブ、カキツバタは非常によく似ていて、なかなか見分けが着きにくい。次のサイトが分かりやすいと思う。
https://matome.naver.jp/odai/2139886191150689201
ここでは菖蒲と詠ったが、実はカキツバタだ。
カキツバタで思い出すのは、『伊勢物語』に登場する在原業平の、

  ら衣 つつなれにし ましあれば るばる来ぬる びをしぞ思うふ

である。歌意は「から衣の着物が身になじむような妻が、はるばる来た今はしみじみ思われます。」だが、実に技巧的な歌で、「かきつばた」の5文字を句頭に入れて即興で詠んだ歌で、クイズや暗号にも似た手法は現代人にも受けるのではないか。

伊勢物語、在原業平、カキツバタ、八橋は高校で古典をかじった人なら、連語として浮かぶキーワードだが、業平が愛人を追って東下りをする折に、愛知県知立市にある臨済宗のお寺、無量寿寺の境内に咲いているカキツバタに感動しうたった歌で、無量寿寺の山号「八橋山」に由来する。愛人を追って、旅先で見たカキツバタに糟糠の妻を思い出すとは、なんとも複雑な思いだが、どう受け取ればいいのか思案どころだ。