真田 泰昌 について

長年予備校の教師をやってきました。パソコンとの付き合いは古く,1号機からの付き合いで、プログラムもすべて自前でした。日本語もカタカナがやっとという時代でしたから,今はもう浦島太郎もびっくりです。

浜木綿の 白さ浮き出す 空と海

The sea of the azure, the deep blue sky, the whiteness of Hamayu that blooms against them are all the more striking.

昨日は私的梅雨明け宣言を出した後、気象庁からも関西の梅雨明けが宣言されました。例年に比べて3日遅いそうです。

しかし周りはもうすっかり夏です。近くの海浜公園に咲くハマユウは早くから花を咲かせ、紺碧の海とまだ少し梅雨の名残をとどめる青空を背景に白さが目立ちます。

ハマユウはヒガンバナ科の植物ですが、ヒガンバナは初秋に真っ赤な花を咲かせます。ハマユウは白、ヒガンバナは赤、絶妙の配色です。ハマユウの色が赤なら暑苦しくて堪りません。海浜に咲く花として、空や海の青には馴染みません。

夏本番はまだこれから。人の動きも静かです。東京オリンピックまであと1年ということで、昨日はNHKでも特番を放映していましたが、京アニメ事件がまだ尾を引いているのか、相次ぐ高齢者の自動車事故のせいか、参院選で蒸し返された消費税と社会不安のせいか、今ひとつもろ手を挙げて喜べないのが実感です。

韓国の執拗なダダ捏ねも困ったものです。根にある植民地問題も歴史の必然性によるものであって、日本と韓国だけの問題ではなく、世界の列強と弱小国の関係が皆そうであったわけで、いつまででもそれを蒸し返しているのは、中国と韓国だけです。どちらの国も時の政権維持の手段として反日を掲げ、反日教育をしているのですから、困ったことです。

来週からは雲一つない夏の青空が見えることでしょう。

夏の日は 天上天下 花盛り

The rainy season is over, at last, full-scale summer has arrived.  Colorful flowers bloom in the fields and the mountains, and fireworks are launched all over Japan at night.  Summer is a very season in which there is held a huge pageant, day and night.

関西の梅雨明けはまだ気象庁からは宣言されていません。ぼくが勝手に宣言します。空には雲も多く、陽光も射したり陰ったりですが、陽光は完全に夏だし、クマゼミの鳴き声がうるさいくらいだからです。

春、秋、冬は徐々に春、秋、冬で、さあ春だというような区切りがありませんが、夏は梅雨明け、即夏というはっきりした区切りがあります。もちろん、夏も春から徐々に夏になっていくんでしょうが、梅雨明けの区切りは明確です。自然もそうだし、7月21日、地方によっては違うでしょうが、この日から多くの学校が夏休みに入り、朝から子供たちがいたるところで見受けられます。

自然の厳しさは冬も同じですが、冬は家に籠ってひたすら寒さに耐えるイメージですが、夏はギラギラ輝く日差しの中で、泳ぎ、走り、登り、とにかく戸外で活動的です。なにか、この年になっても、ワクワクするものがあります。色彩にも富み、食材も豊か、様々なイベントも目白押しです。

どうかこの夏は、暗い出来事が無いように、それだけを祈ります。

クマゼミの 声にも聞くや 京アニメ

The cry of Kumazemi is getting stronger. When I’m listening to the cry, I feel like hear the sad cry of people who died in the arson incident that happened in Kyoto the other day.

クマゼミの勢いが増してきました。梅雨明けです。

それにしても先日の京都で起こった放火による殺人事件は痛ましいことです。多くの人たちに夢と希望を与えるアニメーションの制作に没頭している最中の出来事です。何が何だかわからないまま火災から逃れようと屋上に向かったに違いありません。逃れ切れぬまま亡くなった時の苦しさを想像するだけでも震えがきます。

今放送中のNHKの朝ドラを見ているので、制作現場の様子がリアルに思い出されるのでなおさらです。34人もの方々が亡くなったなんてあまりにも悲惨です。

自分の不満をぶつけるためにこれだけ多くの犠牲者を出していいんでしょうか。自分が死にたいから、誰かを恨んでいるからといって、そのために何の関わりもない人を巻き添えにする事件が最近多すぎます。

社会の病理と言ったらそれまでですが、どうしたらこういう事件をなくせるんでしょうか。幼児虐待、いじめ、経済格差、その根は深いものがあります。

参院選挙も終わり、万歳万歳の映像が流れる中、社会の片隅で臍を噛んでいる人たちにもっともっと救いの手を差し伸べることのできる社会に一日も早くなってほしいものです。

一日は 祇園守りの 命かな

Gionmamori is a kind of mokuge.  It blooms around the Gion Festival in Kyoto, so people in Kyoto call so. It looks like it continues to bloom in summer, but the life of a single flower is only one day.

ムクゲの花があちらこちらに咲いています。白いのとピン色が多いですが、紫色のもあります。

梅雨時分から咲き始め夏中咲いていますが、一つ一つの花は一日で咲いて一日で散ってしまいます。ムクゲの木の下には落ちた花がたくさん散らばっています。

普通に見かけるムクゲは一重ですが、八重咲もあります。祇園守(ぎおんまもり)はムクゲの一種で、京都八坂神社本殿裏の咲くムクゲは、一重でもなく八重でもない、半八重といった感じで、花芯に小さな花弁が十文字のように付いています。八坂神社で受けるお守りは家紋の祇園守紋といってこのムクゲを図案化したものです。十字架にも似ていてキリシタン大名が図案化したのではないかと言い伝えられてもいます。

このムクゲにしてもそうだし、夏中咲き続ける花はどれも一つの花の寿命は一日か長くて三日。まさに「花の命は短くて」、次々花開くから夏中咲き続けると思われるわけです。

梅雨が明けたのか開けていないのか、はっきりしないお天気ですが、去年に比べたら、今のところ涼しいのが救いです。

チアリーダー 若さ弾ける 夏休み

The Tenugui Festival was held at the Hamadera Park in Sakai, Osaka. There were held the cheerleaders by girls from kindergarten to elementary school. A big applause arose from the audience for the vigorous performance.

7月20日、大阪堺市の浜寺公園で「てぬぐいフェステバル」が開催されました。全国の手拭いの織物業者や染色業者が催したフェステバルです。

泉州はもともと日本の綿織物の主要生産地で日本の外貨獲得にも寄与した地域です。今は中国や東南アジアの安い綿織物に主要生産国の地位は奪われましたが、その伝統技術と芸術性は追随を許さないものがあります。

それが日本ブームの中で世界に見直されています。その紹介と需要拡大を目指すフェステバルで、ファッションショーや様々な催しものがありました。

中でも幼稚園から小学生の女の子たちのチアリーダーは、その溌剌とした演技には大きな拍手が起こりました。

ヒマワリは 太陽からの エイリアン

Sunflower is a typical flower of summer. We feel summer just by looking at this flower. This is a universal recognition. It must be an alien having come from the sun.

わーぉ、夏休みだ!

この年になっても7月20日はわくわくします。つーしんぼ(通知簿)をもらって、ちょっと気になるけど、そんなことより夏休みの夢が広がる日です。

今の子たちはどうなんでしょう。勉強勉強で追い倒されている印象が深いんですが。

朝のラジオ体操と絵日記だけは欠かさなかったけれど、宿題はやらないと決めていました。小学校から高校までそれで叱られたことはありません。先生だってどうでもいいんです。

今この日記を書いていても外ではセミがうるさく誘います。何してんだよ。早よ出て来いよとね。毎日がそうなんだから、勉強ができますか。

ヒマワリ。大好きです。種をよく見ると右巻きと左巻きが合体している。絵日記に書いたことがあります。先生が誉めてくれました。後にこのヒマワリの種の付き方がフィボナッチ数列という不思議な数列と関係があり、生命や美と密接な関係があることを知ることになります。

吉田拓郎さんの『夏休み』。大好きです。

絞り汁 耳に垂らした ユキノシタ

Yukinoshita flowers bloomed. When I suffered from my ears as a child, I got the juice of Yukinoshita leaves dropped in the holes of my ears. It had an immediate effect and in a couple of days the pain of the ear was gone. It also worked well for insect bites and cuts. It reminds me of various things.

ユキノシタの花が咲きました。都会ではすっかり影を潜めましたが、田舎や古いお家には今でも庭に隅に必ずと言っていいほど植えられています。

しもやけ、火傷、腫物、虫刺され、漆負け、そして耳垂れや中耳炎などに、ユキノシタのしぼり汁を塗ったり垂らしこんだりしましたし、風邪の時には葉に氷砂糖、生姜を入れて煎じて飲みました。その他、小児のひきつけにも効くそうだし、解熱・解毒によく効くということで葉を乾燥させて保存していました。ともかく家庭の万能薬だったわけです。薬局に行ってもこんな万能薬はありません。

また食材としても、田舎の民宿などで「白雪揚げ」として出すところもありますし、家でも胡麻和えや生姜和えの食材としても使われます。

高校の生物の時間に、ユキノシタの葉を使って、原形質分離の観察をしたこともあります。

西洋薬万能の時代で、確かにピンポイント的には効果てきめんですが、もぐら叩きみたいなところがあり、ここは良くなったけれども、そのせいでここが悪くなった、つまり副作用という意外に怖い側面があります。

今日はユキノシタ。いろんな思い出とともに、今の薬のことも考えさせられます。

鋸草 白馬を目ざす 足を止め

Various alpine plants bloom in the vicinity of the Tsugaike Pond on the middle of Mt.Hakubadake. During taking a walk around the road, taking photos, the memory card of my camera will be full quickly. One of them is this Nokogiriso. Although the leaves seem to hurt us like a saw, the flowers look beautiful and tender.

白馬岳もいよいよシーズンを迎えます。何度の何度も登った山で花に魅せられたのもこの白馬岳かもしれません。

今は山頂小屋も立派になり、下界のホテルも顔負けするほどですが、昔は素朴な山小屋で、と言っても、昔から人気の山小屋で、他の山小屋とは違って規模も大きく、登山客も多かったです。真夏に登っても気温2度、ストーブをガンガン焚いて暖を取ったこともあります。

いくつもの登山ルートはありますが、栂池から白馬大池ルートがお気に入りでした。変化に富み、つらい岩場もありますが、高原情緒豊かな憩いのエリアもたくさんあります。

木道を伝っての高原植物観賞はここがいちばんです。たくさんたくさん花の写真を撮りました。今はデジタルですが、昔はフィルム。すぐにいっぱいになり、フィルム交換も大変でした。

いつもこの栂池付近で時間を取られ、先の大池に急がねばならないこともしばしばでした。

ノコギリソウは白いのが普通ですが、たまにピンクから真っ赤なものまであり、それこそ葉の鋸状のとげとげしさからは予想もつかない可憐で美しい花です。

この日ぞと 雌伏八年 蝉の声

The cries of Semi have being got noisy. The Semi’s shell can be seen in the trees and grass. The Semi spend 3 to 17 years in the soil, become adults, molt, males continue to cry for a week in search of females, and die together.

セミが本格的に鳴き始めました。木や草にもセミの抜け殻が沢山見受けられます。ほぼ1週間、オスはメスを求めて鳴き続けます。恋が成就したのかしなかったのか、路上で大往生を遂げたセミの亡骸をよく見かけるようになります。

子を宿したメスは針状の卵管から土に卵を産み落とし、卵から孵った幼虫は3年から長いもので17年もの間土の中で命を育み、成虫になり、梅雨明けを見計らって木や草に登り、脱皮して、その輪廻を繰り返します。

源氏物語の『空蝉(うつせみ)』の「空蝉」は、光源氏から求愛される女性の名前ですが、空蝉とはもともとセミの抜け殻のことで、脱皮してたかだか1週間、その日のうちに鳥に食われてしまうかもしれない、そんな儚いセミの一生を女性の運命に移し替えたり、人の一生を移し替えて、儚いこの世の意味にも使われます。

これから迎える夏はまさしく太陽も生命も「盛者必衰」。蝉の声が騒音にしか聞こえない西洋人と日本人の違いはどこから来ているんでしょうね。

大峰の コイワカガミが そぼ濡れて

Mt.Omine is located in Yoshino Kumano National Park, and the whole area was registered as a UNESCO World Heritage Site in 2004. This area is the area with the highest rainfall in Japan, and the daily rainfall of 844 mm is a Japanese record.  Under such circumstances, it was impressive that Koiwakagami was soaking wet and still beautifully blooming.

今日は快晴ではありませんが、夏を思わせる陽気です。もう梅雨晴れもまじか。もう覚悟もできていますから、早くあの暑い夏が来てほしい気持ちです。

今日はコイワカガミです。大峰山に咲いていました。

大峰山は、修験道の山として有名で、全国から多くの修験者や観光客がやって来ます。白装束に身を固め、先導役の修験者が法螺貝を吹いて、「六根清浄」を唱えながら大峰山に登っていきます。

途中、「女人結界」といって、ここから先は女性は入れないという境界があります。女性を差別するという意味ではなくて、男性にとって女性は母であり、甘える存在であるため、男として自立したいという願いを込めて女性を断ち切る覚悟の境界なのです。

険しい山道を登り、断崖絶壁にあわや真っ逆さまの恐怖を味わい、これからの人生を乗り切る気概を持つわけです。吉野や大台ケ原そして熊野はそうした大自然の中で人がどう生きていくかを探る人生の道場でもあるわけです。

1年365日の内300日は雨と言われるほど降水量が多く、一日844㎜の降水量は日本記録です。

コイワカガミはそんな修験者にとって女性の優しさを感じさせる花です。