真田 泰昌 について

長年予備校の教師をやってきました。パソコンとの付き合いは古く,1号機からの付き合いで、プログラムもすべて自前でした。日本語もカタカナがやっとという時代でしたから,今はもう浦島太郎もびっくりです。

日本海 ハマナス咲いて 波静か

Hamanas grow wild in the Hakuto coast of Tottori Prefecture.  The raging Japan Sea in winter is quiet in these days and the hamanas are swaying gently in the sea breeze.

今日は「海の日」。祝日なんですね。忘れていました。我々の世代にはピンときません。

1995年(平成7年)に制定され、1996年(平成8年)から施行され、当初は7月20日だったのを、2003年(平成15年)の祝日法改正(ハッピーマンデイ制度)により、7月の第3月曜日となったそうです。学生にはありがたい改正ですね。7月20日だと、たぶんこの日は終業式の日だからあまり有り難くありませんが、例えば今日15日だと、儲かったという感じがします。

カレンダーを見ると、8月12日も祝日です。何の祝日かとよく見てみたら、「海の日」。へー、知りませんでした。これも学生にとっては、というよりもサラリーマンや大人にとっても祝日の有り難さが薄い日です。お盆の日だから大概の会社は休みでしょうからね。

なんでこんな祝日の日の決め方をしたんでしょう。「海に日」も「山に日」もあってもいいんですが、それならいっそのこと、例えば、7月1日を「海の日」2日を「山の日」と決めれば、今年なら、6月29日(土)、6月30日(日)から4日連続休みになって、多くの人が海や山に出かけることになる。あのお盆を挟んでの民族大移動も少しはましになるんではないでしょうかね。

7月1日前後だと、まだ梅雨の真っ最中で、この提案もベストではありませんが、せっかく祝日を決めるんだったら、皆んなが喜ぶ日で、交通渋滞や、人込みラッシュが起こらない工夫をして決めてほしいものです。

ハマナスは故森繁久彌さんが自作自演したり、加藤登紀子さんが歌って知られるようになりましたが、どちらかと言えば北の海辺に咲く花です。鳥取県の白兎海岸にも自生していますが、これが南限だそうです。

あの荒い日本海も、ハマナスが咲くとおとなしく、優しい浜風を送っています。

初蝉で 思い出すのは 夏休み

I heard the cry of the first Semi. It is summer vacation toremember when I hear the cry. I remember various things. Radio exercises, picture diary, sea bathing, mountain climbing etc are all fun memories. A rich vacation promises a rich life.

近所を散歩しているとニイニイゼミの鳴き声がしました。この夏初めて聞いた蝉の声です。梅雨明け前にニイニイゼミの声を聞くことはないのですが、何を勘違いしたのか羽化して鳴いてみたのでしょう。来週末くらいには梅雨も明けるでしょうから、ニイニイゼミも一斉に鳴きだすでしょう。先鞭をつけたのかもしれません。昨年はこの日にクマゼミの声を聞いたから、今年の梅雨明けは遅れています。

また梅雨明け時分にはヒグラシが一斉に鳴き始めます。ヒグラシだから日暮れに鳴くと思われていますが、日が明けるか開けないくらいに一匹が鳴くとそれを合図に波が伝わるように一斉に鳴きだし、まさにヒグラシの蝉時雨です。その清澄な鳴き声に、いつもこの時期は睡眠不足になります。

そしていつまでたっても忘れないのが子供のころの夏休みです。いつもいつも鮮明に記憶がよみがえってきます。子供たちには、勉強も大切ですが、どうか楽しい夏休みを送ってほしいと思います。

ランタナが 咲いて今年の 夏シーズン

Lantana has begun to bloom. Soon the rainy season will close and the summer season will begin. Lantana will continue to bloom with seven changes until the end of autumn.

ランタナがあちらこちらで咲き始めました。梅雨の主役アジサイに代わってランタナが咲き始めると梅雨も終わり、本格的夏の到来です。

ランタナはとても生命力の強い花で、これから秋の終わりくらいまで咲き続け、花の色も変わります。和名の「七変化」の由来です。

紫陽花によく似ていて淵の花は大きく内側は小さい花を咲かせ、色も異なります。花には蝶が群がり、秋には黒い小さな実を求めて鳥たちがやってきます。人間には有毒な実ですが、鳥たちには無毒です。

可愛い花に似合わず世界の侵略的外来種ワースト100に選定されていて、日本でもここ10年の間に急速に植えています。特にオーストラリアや東南アジアでは繁殖が激しく好まれていません。

21世紀という世界は、人だけでなく、植物っ動物までもグローバル化が進む世紀ですね。

鷺草が 何の化身か 墓地公園

Sagiso is blooming in the woods of the cemetery park. The pure white grass swaying in a gloomy amid looks like an incarnation of God or Buddha.

お墓参りに行きました。そばの林の中にサギソウが咲いています。空梅雨とはいえ空は曇り空。薄暗い中に真っ白なサギソウがそよ風に揺れている姿はまさしくシラサギが飛び交っているよう。

というよりも、場所が場所だけに、その姿はなにか神か仏の化身のように見えます。魂が飛んでいるようにも見えます。不思議な光景です。パワースポットという言葉がありますが、ここがまさしくそのようなスポットです。命あるものと、土の眠る命の交流の場かもしれません。

昨日は「はやぶさ2号」が小惑星「リュウグウ」への2度目の着地に成功し、46億年前に、生命の材料となった水や有機物が「リュウグウ」のような小惑星によって地球に運ばれたのではないかという仮説を証明すべく、地中から岩石その他を採集することに成功したというニュースが飛び込んできました。

生命。宇宙の最大の産物であると同時に、永遠の謎。

我々、生きとし生けるものが担うものが命です。

 

岩苔に 咲いたベゴニア 美しき

Begonia is blooming on the stone wall covered with moss. It is usually planted in a row and can not be bothered too much. But when looking at Begonia this way, it looks beautiful beyond recognition.

ベゴニアが苔で覆われた石垣に一株咲いています。

ベゴニアは、家庭でも公園でもまとめて植えられている場合が多いので、ともすればその美しさが見逃されがちですが、こうして見ると実に美しく愛らしい花です。周りの苔や下草によくとけ合って一服の絵になります。

安くて丈夫で長持ちしますので、どこにでも見られ、ほんの慰めにはなっているのですが、バラやユリなどのようにもてはやされません。親しみがあるが故に、なお美しく見えます。

つい、人のことも考えますが、人も同じですね。普段見慣れていて何のこともないですが、環境が変わったり、ふとしたことで、見直すってこともよくあることですね。

磨崖から 梅雨が滴る 宝山寺

Hozan-ji Temple is located in Ikoma City, Nara Prefecture.  As a prosperous business god, the temple have collected many faiths since the Edo period. Its history is even older, and has been known as a monk’s hard study ground since 1300 years, and it is said that the famous monk Kukai has also studied hard at this stage.

宝山寺は奈良県生駒市の生駒山中腹にあります。江戸時代頃から商売繁盛の神社として、主に大阪商人から絶大な信仰があります。山道に並ぶ寄付した顕彰石柱には100万円位は並み、1千万、2千万、1億円なんてものも立っています。商売で儲けたら一部を神さんにお返しする。そうすればさらに儲かるという信仰があるからです。神社もそれを様々な社会施設を作って社会に還元する。そういうしきたりが昔からあったそうです。

ここは元々、1300年前くらいから修験道の場所で、空海もいっときここで研鑽に励んだという言い伝えがあります。

梅雨の中、平日にもかかわらず、熱心な信者たちが次々に訪れていました。もちろん観光客もそれに混じり、外人客も見受けます。

日本各地にこういったお寺や神社が沢山あり、今のこういう時代にも信仰の絶えないことは驚きでもあり、未来永劫にも絶えないのだと思います。

出食わせば ほっと安堵の 岩桔梗

My mind when climbing is complicated.  When I traverse, I tremble for fear and I am impressed by the panorama below.  Above all, the feeling of relief is the best when I find an Iwagikyo blooming between rocks.

最近はシーズンになるとどの山小屋も満杯状態。あふれ返った山小屋では臨時に青いシートで囲った寝場所を作って収容するところもあります。3000m近い山では真夏でも気温10°以下になることもしばしば。大丈夫なのかなと心配になります。

山で遭難する人も増えて、特に中高年者に多いそうです。リュックを岩側にして岩場を降りる人をよく見かけますが、これは最も危険。岩にリュックが当たった反動で滑落し亡くなった事件に出会ったこともあります。

山頂に立った時の征服感と眼下に繰り広げられる大パノラマ、岩場をトレースする時の恐怖感、様々な心の動きが手に取るように分かります。

そんな時、岩場の間に写真のような花々を見つけた時は、本当にほっとします。そんな感動がまた山に誘います。

織姫も じっと見つめる 蛍かな

July 7 is the day of Tanabata.  Orihime and Hikoboshi will date across the Milky Way on a sunny day. At night on the ground, fireflies are flying and staying on the grass and blinking.

7月7日の夜は快晴といかないまでも星空は見渡せることはできました。銀河ははっきり見えませんが彦星(アルタイル)と織姫星(ベガ)は何とか見えました。

仲違いした彦星と織姫星が天の神様の計らいでこの日だけは会うことを許される日です。と言っても二つの星の距離は15光年ですから、我々地球人の感覚ではとてつもない距離ですが、宇宙尺度では天の川をひょいと渡れる距離です。我々が寝静まったころにそっとデートするのでしょう。

近くの川ではホタルが飛び交っています。これもホタルのラブコール。

天上も地上もほほえましい光景が繰り広げられるめでたい日になりました。

カラカラと 夏風誘う カザグルマ

The steamy and hot winds under the rainy season are shaking Kazaguruma. Kazaguruma, please let me blow the hot and dry summer wind early.

関西は相変わらず空梅雨が続いています。降りそうで降らない、なんともじれったいお天気です。

垣根に咲いたカザグルマもよどんだ風でカラカラ音を出しません。

カザグルマとテッセンも見分けが難しい花です。まとめてクレマチスと言っておけば間違いありません。カザグルマは「風車」、テッセンは「鉄扇」、漢字で書けば特徴が分かります。

風車は日本固有のクレマチス。一方、鉄扇は中国産のクレマチス。よく花弁が6枚が風車、8枚が鉄扇という見分け方を言いますが、花弁の数はまちまちで、4枚のもあれば7枚のもあります。見分けるのはやはり葉の形です。蓬状の葉を持つのが鉄扇です。

風車は花の形に注目した命名で、鉄扇は蔓に注目した命名で、日本人の情緒性と中国人の実利性をよく表しています。

風車を歌った歌も沢山あって、アメリカのっ有名歌手の誰もが歌った『The Windmils of Your Mind』や、松山千春その他日本人歌手もそれぞれの『風車』を歌っています。

梅雨の中 白鬚詣でて 雨を請ひ

On the west shore of Lake Biwa, there is the oldest Shirakami Shrine in Japan. It is known for its red torii standing on the lake surface. In the precinct, monuments of famous poets such as Murasaki Shikibu and Bashou are lined. Many tourists have come in spite of the rainy season.

滋賀県の琵琶湖の西岸、大津市の北端を越えてすぐの高島市に日本最古の白髭神社があります。神社縁起にもいろい書いてありますが、本当のところは由来ははっきりしません。

白髭という音をたどれば古代朝鮮の「新羅」に結び付くように思います。琵琶湖北岸の地峡をたどれば福井県に容易に辿り着けますから、日本海を渡ってきた新羅系の渡来人がそのルートからやってきて住み着いたのが、この白髭神社あたりではないかと推測できます。あまり知られていませんが、白髭神社の後背地の山の中にはかなり古い古墳が散在しています。

また湖面に浮かぶ朱の鳥居も初めから水中に建てられたのではなく、大地震かそれに伴う地殻変動で今では水の中、元は参道入り口であったというのが私の主張です。平清盛はこれを真似て厳島神社の水鳥居を作りました。

九州の集中豪雨とは裏腹に、今は梅雨の最中ですが、琵琶湖周辺は晴れはしませんが雨もほとんど降りません。白髪神社は水の神でもありますので、どうか恵みの雨をとお祈りしておきました。