真田 泰昌 について

長年予備校の教師をやってきました。パソコンとの付き合いは古く,1号機からの付き合いで、プログラムもすべて自前でした。日本語もカタカナがやっとという時代でしたから,今はもう浦島太郎もびっくりです。

春風に 乗って高野は ほど遠し

I was induced by the merry of spring and followed the Koya Old Highway. I enjoyed the arts while drinking Yuzu tea at a gallery on the way. I still have a long way to Koyasan.

昨日は河内長野市にある高野街道沿いの画廊『ほたる』にお邪魔しました。友人のグループが個展を開いていて最終日だということで駆け付けたというわけです。

80を越えた老先生を中心に中高年の生徒さんが集めっておられて、皆さん絵もなかなかお上手。最近こうして中高年から始められる方が多いとか。もともと絵心もあったからでしょうが、短期間でこんなに素敵な絵が描けるのかとびっくりした次第です。

絵もさることながら、街並みが気になり、周りを散策すると、街道沿いには重要文化財に指定されている酒造会社跡があったり、どの家の間にも『高野街道』と書かれた門前灯篭が立てられていたり、なかなか風情があります。

『高野街道』はその名の通り高野山への参詣道で、大阪や京都から高野山にお参りするには、先ずこの河内長野に来て、そこから県境の紀見峠を越え和歌山県の橋本市に出て高野山にお参りします。

今はこのあたり一帯は大阪のベッドタウン化が進み、高野街道もズタズタ。最近になって昔の景観を保存しようと、この画廊周辺も再整備されたそうです。

熊野街道と高野街道は昔は多くの人が行き交う幹線道路で、宿場があり、温泉があり、遊郭あり、相当賑わったそうですが、今ではこうした町興しの一環になっているだけです。

長野神社にお参りして家路につきました。

ぱっちりと スパラキシスの 寝覚め顔

When I was taking a morning walk, the flowers of Sparixis planted along the side of the street say “Good morning” to me. They are flowers with clear-cut features.

スパラキシスの和名はスイセンアヤメです。スイセンとアヤメを合わせ盛った随分欲張りな名前です。でもその名前にたがわず美しい花です。

品種も多く、花はバラエティに富んでいて、どれも美形。南アフリカが原産で、そういえば黒人女性ではっとするような美人がいますが、そんな雰囲気を持った花です。

いつも通る道の植え込みに誰が植えたのか、朝日に照らされ、「おはよう、お元気」と囁き掛けてくれるような表情がなんとも可愛い。また元気が出てきます。

平成も後5日。もう秒読みに入りました。Line を開けると「改元を盛り上げよう!」とスタンプの売り込み。50円前後のスタンプの宣伝がスワイプしてもしても尽きません。

テレビでは東京警視庁に圏内警察署長が集められ、改元前後の警備体制が話し合われている様子が写っています。

またどんなお祭り騒ぎが起こるやら、粛々とお祝いしたいものです。

見てびっくり 黄色椿に 首傾げ

Camellia flowers are usually red or white.  The yellow flower has never been seen before.  I did not even know its existence.  So I have examined variously.

黄色い椿ってあるんですね。初めて見ましたし知りました。

伊豆に住む友人から送られてきた写真ですが、最初はバラかヤマブキかと思ったんですが、葉を見るとそれらではない。ツバキ科の葉なんですね。椿と言えば普通は赤、そして少ないですが白もあります。開花の過程で白とピンクが混ざったり、白い椿にはわずかに黄色みを帯びたものもたまにはあります。しかし、これほど歴然とした黄色の椿は初めてです。

調べてみました。はやり珍しい品種で、1980年ごろに、中国広西省とベトナムの国境付近に自生していたものが見つかり、瞬くうちに世界に広まった品種だそうです。

もちろん現地の人たちには珍しいものではなく、薬効もあることから広く知られ、大事に育てられていたそうです。

日本にもいち早く持ち込まれ、園芸業者によっていろいろ改良も加えられ、一時は愛好家にとても人気があったそうです。

今では様々な品種がありますが、それらを包括して『金花茶』と呼びます。お茶の花がよく似ているので中国でそう呼ばれ、そのまま日本でも使っているようです。

椿自身がそうであるように椿油とか化粧品の材料になるくらい様々な薬効があり、金花茶も同じで、そのため現地では乱獲がたたり、今では絶滅品種の二種に指定され、厳重に管理されているとか。

関心のある方はここをクリックしてみて下さい。

ただ一輪 荒れ野にポツン 花菖蒲

A single Japanese iris is blooming in a wild field bathed in the spring sun. I am even impressed by the stunned standing figure.

草ぼうぼうの休耕地にたった一本花菖蒲が花を咲かせて立っていました。まだ4月とは言え、汗ばむ陽気で萎れることもなく凛とした立ち姿は立派です。昔植えた名残なのか、誰かが植えたのか、ただ一輪というのが不思議です。

ただ、これショウブ(菖蒲)なのかアヤメ(漢字は菖蒲)なのかカキツバタ(杜若)なのか、はたまたアイリスなのか。アイリスと他は見分けが着くのですが、後は難しい。

ショウブも菖蒲湯のショウブとは違うようで、菖蒲湯に使うショウブはサトイモ科。紛らわしいのでアヤメ科のショウブは花菖蒲と呼んで区別するようです。漢字で書けば花菖蒲のショウブもアヤメも同じ。ああややこしい。

花菖蒲は陸生で、カキツバタは水生、アヤメはその間というように生育する場所である程度の区別はつきますが、これも色々。

ともかく、句の花も花菖蒲と書きましたが、自信はありません。

蜜蜂の 羽音に揺れる 姫林檎

The red flowers of apples are in bloom.  It is normal for apple flowers to be white when opened. This is a variety called Maypole, which is mainly used for pollination. Because honeybees like red flowers.

林檎の花が青森や長野でも咲き始めているか、咲いていることでしょう。

林檎の花は蕾から咲き始めにかけてはピンク色をしていますが、咲いたら白いのが普通です。「姫林檎」とか「五所川原林檎」のように咲いた花びらが赤い品種は一部ありますが、普通の林檎のように皮を剥けばすぐに食べられるものではありません。主に果樹酒とか加工品向けです。

ここに咲いている林檎は「メイポール」といって園芸用の品種です。別名「バレリーナツリー」といって授粉用にも使われます。

ミツバチは白よりも赤を好み、林檎が最初ピンク色をしているのも蜜蜂を引き寄せるためです。「メイポール」は花が咲いてもずっと赤いので、蜜蜂が集まり易く、林檎の授粉の手助けにもなります。実がなると普通の林檎より小さく鈴なりに成ります。

産地以外にはこうして主に観賞用として可愛がられています。

ネモフィラが 優しく揺れて 日向ぼこ

The Harvest Hill in Sakai, Osaka is full bloom with nemophila flowers.  They are swaying gently by the breeze in warm sunlight. When I’m sitting on a bench and watching the scene, my body and mind warm up.

すっかり温かくなってきました。近くの桜もわずかに花を残すだけ。桜に代わって、初夏の花々が咲き始めています。

写真は大阪堺市にある『ハーベストの丘』に咲くネモフィラですが、ネモフィラは北米原産で和名は瑠璃唐草。今ではすっかり人気の花になりました。

2015年大阪万博が開かれる大阪湾の夢洲の隣、舞洲は昨年まで250万輪の百合が咲く大百合園でしたが、昨年の台風21号で海水を被り、百合がすっかりダメになりました。

変わってネモフィラ100万株を植えたところ、今が満開、連日押すな押すなの賑わいだそうです。全国的にもネモフィラの大庭園があっちこっちにでき賑わっているとか。

そうした人が賑わう大庭園ではなくても、最近は家の周りや道沿いにも見られるようになりました。可愛い小さな花が春風に楚々と揺れる光景にはほんとに心が癒されます。

平成も 吉野桜で 春を閉じ

Yoshino in Nara Prefecture is famous for its cherry blossoms since ancient times.  Despite the depths of the mountain, the number of people having visited here, including Saigyo and Basho who are famous poets, is uncountable.  Spring in the Heisei era is over when the cherry blossoms here scatter off.

奥吉野の「奥千本」の桜が満開です。

奈良県南部の奥深く、南北8kmに広がる吉野山を標高の低いところから、「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」とエリアが分けられ、4月上旬から約1カ月に渡って桜が咲き続けます。

全山がユネスコの世界遺産に指定され、200種類、3万本もの桜が咲く吉野は、昔から「桜と言えば吉野」と言われるくらい、日本人には馴染み深い桜の名所です。

桜に狂った西行は、ここに『西行庵』を建てて3年間暮らしたといいますし、芭蕉はその西行を慕って何度か吉野を訪れています。

その「奥千本」の桜が咲きり、散り始めると、もう春はお終い。

今年は『平成』から『令和』への改元が間もなくに迫っています。

今年の春のお終いは、平成の春のお終いでもあるわけです。

 

平成の 幕を下ろすや 花吹雪

The cherry blossoms that were scattered in the spring storm cover the earth.  It seems to symbolize the Heisei era, which was hit by many disasters, though there was no war.

ここ2,3日で目に見えて葉桜が多くなりました。少しの春嵐にも花びらは散り、朝早く歩くと綺麗な花絨毯ができています。

咲き始めの桜、満開の桜、どれも美しく見ごたえ十分ですが、こうして散って大地を彩る桜もまた綺麗です。ほかの花々も次々と花開き美しく気も取られますが、また桜に戻ってきます。

やはり桜は春の主役です。咲いて良し、散って良し、できたらこういう生き方をしたいものです。

最近は毎日のようにカレンダーを見ますが、我が家のカレンダーは、「2019年 平成31年  元年」と「平成31年」の後は余白になっています。ここに「令和」を書き込むようになっているわけですが、5月1日に書き込もうとそのままにしています。また4月30日、5月1日、2日は元は白字で書いてあったのですが、先日これは赤字に直しました。

平成もあと10日。天皇陛下御夫妻が伊勢神宮にご参拝なさっているお姿がテレビに映っていますが、まさに国民統合の象徴。平成天皇として、国民とともに様々な災害に心を痛められ、励まし、また、お喜びになった日々もあられたでしょうが、今こうしてお姿を拝見するだけで心安らぎます。

どうか令和の時代もお健やかに長生きされ、私たちも後を追わせていただきたい、そんな気持ちになります。

若葉して 昨日の桜 どこへやら

The visitors having been watching the cherry blossoms that made such a fuss have also completely gone.  Now that place is completely covered with young leaves, and only a few people are taking a walk.

花冷えが続き、いまだに桜が満開というところがあっちこっちにあります。しかし野山の木々は待ちきれず、新緑を開き始めました。

さくら、さくらと押し寄せた人たちもすっかり遠ざかり、静かに散策する人がちらほらというところも増えました。

季節の移り変わりの早さにも驚きますが、人の心の移り変わりの激しさにも驚きます。自身がそうですから、それをとやかく言うつもりは毛頭ありませんが、これもまた日本の特徴であり、日本人の特徴でもあります。

「折節の移り変わりこそよけれ」と兼好さんも言っているように、桜から若葉に切り替わるこの時期もまたいいものです。二日は晴れて二日は曇りまたは雨という日が続いていますが、こうしてまた暑い暑い夏に向かっていくのですね。

今日は快晴で雲一つない行楽日和ですが、ちょっと桜疲れ。近くのカフェにでも出かけますか。

平成の コイン最後の 通り抜け

“Cherry blossom walkthrough” held in the Osaka · Kita Ward Mint is an annual event of spring that lasts 130 years or more since the Meiji Era, 134 kinds of cherry trees planted in a tree-lined road approximately 560 meters in length It is done. This event has crowded with lots of people as the last one in the Heisei Era.

大阪市北区の大川沿いに建つ大阪造幣局は「桜の通り抜け」で有名です。明治以来約130年間続く行事で、134種類の桜が560mにわたってトンネルをつくります。

大川沿いはフランスのセーヌ川沿いにも負けないくらい景観も良く、造幣局対岸には上流に向かっておよそ3km、旧淀川の合流点にある毛馬まで、これまた豪華な桜トンネルが続きます。毛馬は与謝蕪村の生誕地でもあります。

大阪の人たちはこの「桜の通り抜け」を待ちに待ち、これが終わると桜も終わり。ゴールデンウィークが過ぎるとリフレッシュ完了、鋭気を蓄えていよいよ本格的に「おおさか」が動き始める感じです。

ところで、今日のニュースでも出ていましたが、平成最後のコインを求める人でいっぱいだとか。「平成31年銘ジャパンコインセット」も早々と販売終了。通り抜けの人たちが造幣局に押し寄せているそうです。

昭和64年の時もそうでした。1月7日までが昭和で、1月8日から平成です。この7日間に発行された昭和コインは希少価値があり、今でも高値で売り買いされているそうです。

令和コインは今年の秋くらいに出るそうですが、2020年東京オリンピック記念コインと合わせて、今から話題になっているとか。

まあ、めでたいお話です。