真田 泰昌 について

長年予備校の教師をやってきました。パソコンとの付き合いは古く,1号機からの付き合いで、プログラムもすべて自前でした。日本語もカタカナがやっとという時代でしたから,今はもう浦島太郎もびっくりです。

鳴き交わし ステップ合わせ 鶴の舞

A pair of Japanese cranes call out to each other and step on the step and dancing courtship dance.

ブラジルの友人が送ってくれた写真です。おそらく日本の写真を送ってくれたのでしょう。

日本の国鳥はキジですが、ツルといえば日本。中でもタンチョウヅルがその代表です。日本を代表する日本航空のロゴマークもタンチョウヅルをあしらった鶴丸です。

ツルの学名はGrus japonensis。『japonensis』は「日本産の」という意味だし、英名もJapanese crane「日本のツル」といいますからほぼ国鳥扱いです。

繁殖地はロシア、中国国境のアムール川周辺で、中国の江蘇省、朝鮮半島で越冬しますが、日本の釧路湿原には留鳥として一年中生息しています。

日本のツルとしては、山口県周南市や鹿児島県出水市に冬鳥として渡来するナベヅルやマナヅルなどもいますが、これらは渡り鳥で、姿形からしてもタンチョウヅルには叶いません。

鳥類の中でも最大級の大きさで、両翼に広げた羽の長さは2.5m、重さも10kg近くあります。しかし、細くて長い脚。頭頂部の赤い帽子。真っ白な体の中にところどころ真っ黒な羽。その均整の取れた美しさは鳥類の中でも秀逸です。

つがいでほぼ一生連れ添い、甲高いツルの一声を掛け合い、気が向けば寄り添ってダンスし、人も羨む夫婦仲です。

鶴は千年亀万年といいますが、タンチョウヅルの寿命はほぼ2,30年、鳥類の中では特別長生きです。

何から何まで、タンチョウヅルの美しさと気高さは、富士山と並ぶ日本の代表的、象徴的存在です。

初春に モルゲンロートの 槍ヶ岳

It is Mt. Yari which stands out in the morning glow being viewed from Mt.Tsubakuro. We call this view Morgenrot by the mountain word. The etymology is German.

懐かしい光景です。

昨夜NHKで放映された『北アルプスドローン大縦走』から取った写真です。モルゲンロートとは山岳用語で朝焼けのことです。ドイツ語です。

燕岳から見た槍ヶ岳、大キレット、前穂高岳から奥穂高岳。

若き日、大胆にも一人で縦走しました。

手の届く所にある槍の穂先に立つまでの怖さ。大キレット手前の南岳で遭難しかけた時の怖さ。というのも、昔の地図はいい加減で、南岳小屋が山頂の反対側に描かれていて、いくら探しても見つからず、元の槍ヶ岳山荘に帰るには時刻も遅く、頂上に立って声を限りに「ヤッホー」を叫び続けたところ、濃霧の向こうからカンテラの明かりが見えたのですが、ああ幻覚だ、もうダメだ、と死を覚悟したのですが、実は本物で、九死に一生を得たわけです。

大キレットの縦走は、今思い出しても震えが来るほどの怖さでした。『飛騨泣き』とか『何とか泣き』とか、危険箇所に付けられた名前ですが、そんなのが何箇所あったでしょうか。やっと大キレットを通過して前穂高岳の小屋で一杯50円の片栗粉を混ぜたような『カルピス』のなんと美味かったことか。

奥穂高岳の山頂に立った時の達成感。

うーん、もう一度行きたいけれど。

若き日を思い出すテレビ鑑賞で今年のお正月は閉じました。

お正月 ブーゲンビリアが 狂い咲き

Bougainvillea was blooming in the garden of one house on the way to going to a New Year’s visit. It is surprising that tropical flowers bloom in this cold season.

びっくりです。

初詣での道すがら、一軒の庭先に咲く赤い花に目が留まりました。近付いて見るとブーゲンビリアです。気温は5度。ブーゲンビリアといえば、ハワイや沖縄を連想するのですが、よくもこんなに寒い季節に咲くもんだとびっくりしました。

やはり気候変動によるものか、ブーゲンビリアがもともとこんな季節にも咲くものなのか、はたまた品集改良で四季咲になったブーゲンビリアなのか、よくわかりませんが、ともかくびっくりです。

最近は初詣も遠くに行きません。名の通ったお寺や神社は人でいっぱいです。車で行くのでまず駐車するのが大変。何時間も待たねばならないことがしばしばです。

それに引き換え、近場の初詣には地元なりの良さがあります。歩いて行けるのもいいし、すれ違う人にも近親感を覚えます。お正月の衣装を着飾った人もいれば普段着のままお参りする人も多い。絵馬やお守りもお値段が安い。かえってお賽銭もはずみたくなります。

お正月三が日もあっという間です。さてさて今年の運勢はどうなのか。お御籤は小吉です。

茜さす 初日に浮かぶ 羊蹄山

Mt. Yotei is floating in the sea of clouds against the sky stained in red in the morning glow.

元旦早々、朝焼けで茜色に染まった空をバックに青雲の雲海に浮かぶ富士山の写真が送られてきた。折り返しお礼の返事を送ったら、富士山ではなく北海道の支笏洞爺国立公園にそびえる羊蹄山とのこと。どう見ても富士山だ。

そういえば日本各地に何々富士という郷土富士というかご当地富士がたくさんある。三省堂の『日本山名事典』によると、218の郷土富士があるそうだ。しかしもっとあるそうで、マニアが各地から情報を収集してみたら320を超えたという。

ウィキペディアを開けたら、あるわあるわ郷土富士の写真がいっぱいだ。中でも鹿児島の開聞岳、それに今日の羊蹄山はもっとも富士山に似ている。間違えたのも無理はないと納得。

日本の真ん中に本家本元の富士がどんと座り、日本人全体の心の拠り所になり、各地方には親しみのこもった何々富士が鎮座して地域の人たちの心の拠り所になっている。

そういえばなぜ富士という名が生まれたのか。

記録で最初に出てくるのは、奈良時代の『常陸国風土記』の「不慈」で、それから万葉集の「不尽」とか「不二」。また長い山の斜面を表す大和言葉「フジ」から来たという説もある。その他、アイヌ語の「フンチヌブリ」、朝鮮語の「プット」、マレー語の「プシ」などにも語源をたどれるという。

ひょんなことで富士山にちなむ話題を拾ってみたけれども、「なぜ」と思ったことをwebサイトをたどれば必ず回答が得られる。パソコンを、さらにスマホを片時も離せないわけだ。

猪の 勢い載せて 年賀状

Animal that symbolizes 2019 is a boar. This year is going to be a year when it will rush to the target.

新年明けましておめでとうございます。

今年の干支(えと)は猪。猪と言えば猪突猛進。脇目も振らず目標に向かって突き進んでいくという意味で、言葉自身は良い意味にも悪い意味にも取れるますが、ニュアンスとしては後者の意味合いが強い。思慮浅く、周りの忠告にも耳を貸さず、ともかく猛進するといった具合です。

そう言えば、近年里山のあちらこちらで、人に危害を加えたり、農作物に損害を与えたりというニュースを目にすることが多くなりました。

近くにある神戸六甲山はもう幾度も登ったことのある山ですが、3,40年前は、猪が出るという噂は耳にはしていましたがめったに出会いませんでした。ところが、最近もお年寄りの女性が、住宅街を流れる芦屋川を散歩している時猪に襲われ、指を食い千切られるという事件があったように、人が住んでいるところにも頻繁に姿を表わすそうです。

4,5年前に登ったときも、登山途中のお多福山でお弁当を開いていると、またたくまに5,6頭の猪が現れ、非常に怖い思いをしました。

自然環境が変わって食物を得にくくなったという事情もあるでしょうが、猪だけでなく鹿、猿の出没で困っている農家が全国的にも増えているそうです。

2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博を控え、2019年も猪の良い意味での猛進の年と願いたいのですが、以前の東京オリンピック、大阪万博のときとは状況がすっかり変わっているようです。バブルその後の崩壊を繰り返さないかと懸念もされます。

新年早々、両手を上げて万歳ではないお話になってしまいました。

明日を待つ 大門松は 静かなり

A pair of the Big Kadomatsu has just decorated at the Ohmiwa Shrine in Nara. Today is quiet. From Tomorrow there’s going to be a big fuss in the New Year’s visit.

今日は大晦日。元旦を迎える準備が、各家庭、神社やお寺ですっかり整ったことでしょう。
と言っても昔ほどの仰々しさもなく、各家庭でも形ばかりの正月料理をこしらえ、デパートやコンビニで予約しておいたお節が列ぶ家庭も多いとか。これも二極化していて、やたら凝る家庭と元旦もトーストにサラダという家庭というふうに「保守」と「革新」に分かれるようです。
一方、神社やお寺は衰え知らず、東京明治神宮の319万人をトップに、100万人を超える神社・お寺がめじろ押しいうから驚きです。以下何十万人は数知れずといった具合ですから、この現象だけを取り上げても日本文化の謎に迫れるといった具合です。
特に最近は若者の初詣客が多く、こうした若者の保守化と言っていいのか、物珍し志向と言っていいのか、注目に値する傾向です。
関西でも、上に挙げたナンバー10の内、京都の伏見稲荷、大阪住吉大社など4つが入っているから驚きです。奈良県にある大神神社は日本でも最古参の神社ですが、ここでおよそ50万人。
もう正月三が日は参拝することは諦めています。
こうして、前準備が整ったプレ初詣がいちばんいいです。

初雪で 翁を舞うや 金閣寺

The Kinkakuji Temple that was covered with the first snow is quietly standing in the Kyokochi, the Mirror lake pond. Its appearance looks like ‘Okina’ in Noh.

「翁」は、「能にして能にあらず」といわれ、どのカテゴリーにも属さず、物語もない別格の演目です。神聖な儀式であり、演者は神となって天下泰平、五穀豊穣、国土安穏を祈願して舞います。正月の初会、祝賀の日に舞われます。

              能「

思い出は いも寝られずや お餅つき

We Japanese pound rice to make traditional New Year’s cakes at the end of the year. I could not sleep because I could hardly wait for the evening before pounding Mochi.

今日辺りから、近所中からペッタンペッタンお餅つきの音が聞こえてくる。明日お餅つきだという前の晩は眠れない。

まだ明けやらぬ朝4時くらいには近所の人が集まって餅つきの準備を始める。

3段重ねの蒸籠(せいろ)から湯気がもうもうと立ち上がる。

上の2段を一人が持ち上げ、もう一人が一番下の蒸籠を逆さまにして蒸し上がったもち米を臼に落とす。おっちゃんが杵をつく。おばちゃんが餅をこねる。よいしょ、よいしょ。周りから掛け声が上がる。掛け声と笑い声が飛び交う中、朝が白け始める。

つき上がった餅を片栗粉を真っ白に敷き詰めた大きな板に移し、先ずお鏡餅を作ることから始める。これはベテランのおばあちゃんの独壇場だ。

やがて待ちに待った小餅作り。子どもたちの出番だ。おばちゃんがちぎって、それを子どもたちが丸める。つきたてのお餅の香りがなんとも言えない。つい頬張ってしまう。隣のおばちゃんがそれにあんこを入れてくれる。うーん。

もう何十年もの思い出だ。この時期になると、ふつふつと思い出が蘇る。

どうか新しい年もいい年になりますように。

年も暮れ 里山の湯に 身をほぐし

It is about to finish this year. When entering the hot spring of the country and warming my cold body, I feel relaxed and vitality toward next year come up.

2018年もあと3日。今日が仕事納めという方が多いかと。

あす29日から帰省ラッシュが報じられています。おりしも強烈な寒波来襲で、北陸から東北、北海道にかけて1日の積雪量が1mというところも出るというそうですから、その方面に帰省される方は注意してください。

できたら車の帰省は避けた方がよさそうです。行きはよいよい帰りは恐いで、行く時は雪も大したことはなかったが、帰りには車も雪に埋もれ、道にも出られなくて困ったことがあります。

場所によっては、規制区域でチェーンを付けずに通行すると、道路法に基づいて6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金が科せられるというからかなりの厳罰です。できたらおとなしく自宅待機がよさそうです。

ということで、今年最後の温泉につかりに行きました。いつもはもう少しお客も多いのですが、今日は閑散としています。聞こえてくるのは、注ぎ込まれる湯の音と、こぼれ出る湯の音、それに混じって、時折聞こえてくるムクドリのけたたましい声だけです。湯舟のすぐそばにある赤い実をつつきに来ているのです。

湯につかった部分と外気に触れる部分の温度差が大きいせいか、体が二つあるような気分です。

今年一年のこと、新たに迎える2019年のこと、さらに先のことを考えながら、なぜか溜息混じりの温泉浴になりました。

冬枯れの 景色を払う 葉牡丹園

It is already winter landscape all around. At that time the peony garden here is another world. The colorful ornamental cabbages bloom and make us dispel the depressed mood.

今日のニュースサイトはどこを見てもトップは「NY株1000ドル急上昇」です。

昨日とは全く真逆。上げ幅は過去最高。ダウ平均の1日の上げ幅が1000ドルを超えるのは過去初めてだそうです。これまでの最大上げ幅はやはりリーマンショック直後の936ドルだというから、今回の乱高下はリーマンショック以来となります。

今年1年、世界的に見ても、気候変動と言い、経済変動といい、史上初めてが多すぎます。21世紀の幕開けは波乱にとんだ幕開けで、さて今後この1世紀はどんな1世紀になるのか、希望とともに不安もよぎります。

我が国日本も同じで、平成が終わり、新元号に変わり、世界的な大変動の時代にどう対処いていくのか、東京オリンピック、大阪万博、リニア新幹線、これらが上手く機能し、日本をさらに発展させることに繋がるのか、はたまた人口減少に伴う負の側面が国を覆うのか、

取り越し苦労が尽きません。