鳥たちの 毒見済みだよ 熟柿

Kaki bore a lot of fruit. It’s astringent, but it has already got sweet when the birds start eating.

鳥たちもよく知っていて、柿がまだ渋い時は食べに来ません。甘くなるとやってきますから、鳥が啄んだ柿があると甘くなってきた証拠です。

渋柿を硬いまま食べたければ、渋抜きをして食べることもできますが、生成りのままにしておくと柔らかくはなりますが、甘柿以上の甘さになります。

まだ多少硬くても色がしっかり赤くなっていたら取り時です。鳥はジュクジュクに熟したものから食べます。最近はヒヨドリやカラスが味をしめたのか盛んに来ますので競争です。

鶏頭が 道にはみ出し 顔認証

A large chicken head that is about the height of a person protrudes into the road. It is as if the face of the person passing the road is being authenticated.

道を歩いていたら、家に生垣から大きな玉の鶏頭がぬっと道にはみ出しています。ちょうど顔の高さなので思わず挨拶をしました。人相が悪いのか頭を引っ込めてくれませんので、潜って通り抜けました。

潜り抜けた向こうには、刈り取りもほぼ終わり、脱穀も終えた藁こづみが涸れた田んぼのあちこちに立っています。もみ殻を焼く香ばしい香りも漂ってきます。

日を追って深まりゆく秋。この平穏がいいのか悪いのか。寂しさだけが募ります。

箒木(ほうきぎ)が 秋を清めて 今日の富士

Kokia on the shore of Lake Kawaguchi in the foot of Mt.Fuji has turned red. Kokia is known by the Japanese name as broom tree or broom grass. Kokia is actually dried and used on the broom. It is green from spring to summer, but turns red in the fall.

富士山の裾野にあるかわぐち湖畔のコキアが葉を赤く染めました。

春から夏にかけては若草色から徐々に緑の変わり、秋には真っ赤に染まります。和名では箒木(ほうきぎ)とか箒草とか呼ばれています。実際に、コキアを乾燥させて箒を作ります。

秋田にはこの実を収穫して、畑のキャビアと言われるほど美味しい「とんぶいり」という郷土料理があります。

源氏物語の『箒木(ははきぎ)』の段にもある通り、平安の昔から知られた植物です。

黎明に 初冠雪(ういこうぶり)は 富士の嶺

It is the first snow of Mt.Fuji in the 1st year of Reiwa era. It is a beautiful figure suitable for the new era. I am confident that this is a peaceful and productive era.

10月22日富士山で初冠雪が観測されました。7合目まで真っ白く雪をかぶった富士山はまさしく秀麗です。

なんと平年より22日遅れ、去年と比べて26日遅れだそうです。ちなみに、最も早いのが8月9日(2008年)、最も遅いのが10月26日(1956年、2016年)です。

最近の豪雨といい、台風の大型化といい、地球の温暖化現象の影響がますます深刻化しているようです。富士山は私たちに警告を発しているのです。

世界の温暖化対策を見ていても遅々として進まず、各国のエゴがむき出しです。人間は一方では途轍もなく賢いのに、一方ではなんでこんなに馬鹿なんでしょう。

生態系が狂い、世界が飢餓状態に陥って、またまた第三次世界大戦のようなことが起こらなければ分からないのでしょか。子、孫のことを思うといたたまれない気持ちです。

四万十の 冴え行く秋に 寺の鐘

The Shimanto River is one of Japan’s leading clear streams.  The river is full of fish that can only be found in the clear stream. The autumn flowers are in full bloom around the river.  I can hear the temple bell from a distance in the clear air.

四万十川は日本有数の清流です。川にはアユが泳ぎ、清流にしか棲まない川魚がたくさん泳いでいます。

水は命の源泉。「水清ければ魚棲まず」と言う諺がありますが、これは人間の世界のことであって、自然界は必ずしもそうではありません。

牡蠣や海苔は適度の汚れがあるからよく育ち、食べても美味しいという生き物、食品もありますが、水がきれいに越したことはありません。水がきれいと空気もきれい。水や空気がきれいと、花もきれいし、作物もよく育ちます。

今、世界は海洋汚染、土壌汚染が蔓延し、地球存亡の危機に晒されつつあります。日本はそんな意味でもリーダーシップをとれる国です。そういう国になって欲しいものです。

暮れ六つの 鐘にも一葉 散る紅葉

The rushing trees are already starting to drop leaves. There are also leaves that scatter even by the sound of temple bells telling pm 6. It is a scene that makes me feel the sense of transience of life.

まだ夏の名残を残す中、本格的紅葉シーズンはこれからだというのに、早々と散り急ぐ木々もあります。ほとんど風もないのに、午後6時を知らせる暮れ六つの鐘の音にも1枚の葉が散っていきました。世の無常を知る瞬間です。

干し柿を 吊したよ早う 甘くなあれ

There are two kinds of persimmons: sweet persimmons and astringent persimmons. Sweet persimmons can be eaten immediately, but bitter persimmons are not. If these are put on a string and dried for a while, they are about 1.5 times sweeter than sweet persimmons.

柿には甘柿と渋柿があります。甘柿はそのまま食べても甘いですが、渋柿は渋くて食べられません。渋柿には水に溶けるタンニンが含まれているからです。

渋抜きをするには、アルコールに浸すか、ドライアイスと一緒にポリ袋に入れるとてっとりばやくできます。そうか、写真のように皮をむいて干すかです。どれもタンニンが水に溶けなくなるので渋みを感じなくなります。

木から捥いだ渋柿を皮のまま1週間くらい置いておいても甘くなります。どろどろの羊羹のようになって、スプーンで食べるととても甘いです。

一般に渋柿は甘くなると甘柿よりうーんと甘くなり、糖度は1.5倍ほどに増加します。

昔は、柿は体を冷やすとか下痢をしやすいと言って敬遠されていましたが、今では、ビタミンCやその他栄養分豊かだということで、好んで食べられます。

アメリカなどでは柿といえば果物と思っていない人の方が多く、日本の柿は別の果物と思っているようです。

ご詠歌に 波音混じる 秋の風

Nariai-ji temple is the 28th temple in the Saigoku 33 Kannon Pilgrimage. It stands on the mountainside overlooking the “Amanohashidate” facing the Sea of Japan in northern Kyoto. A pilgrim is singing Goeika, Buddhist hymn, in the autumn breeze that carries the sound of the waves.

西国33カ所第28番札所成相寺(なりあいじ)は京都の北部、日本海に面した「天橋立」を見下ろす山の中腹に建つお寺です。709年創建ということですが、はっきりした寺歴はわかっていません。

海が荒れているときには波音が聞こえてきます。秋風の吹く中、一人の巡礼者が一心にお経を唱えています。長い五色幕が揺れ、お地蔵さんの横に建つ真っ赤な幟がはためいています。

深まっていく秋に、一抹の寂しさとともに心洗われるひと時です。

馥郁と 気品を留め 秋の薔薇

Slightly remaining roses keep the elegance while releasing the fragrance. They have no splendor like spring and wait only to scattered. It is the same as human fate. The only difference is that they can regenerate.

バラ園には数えるほどのバラが咲き残っています。どの花も美しく、気品のある芳香を放ちながら凛と咲いています。

春のバラ園の華々しさに比べ秋はしっとりと落ち着いた雰囲気があり、じっくりと鑑賞できます。香りも一つ一つ嗅ぎ分けることができます。

でも寂しさは隠すことができません。あと何日咲き残るでしょう。人の運命と重ね合わせるとなおさらです。

しかし、たった一つ違うのは、バラはまら来年再生できることです。

朝ぼらけ 微睡む富士に 羊雲

Mount Fuji at dawn is still sleepy and has a comfortable doze.  In the sky, sheep clouds are floating with shined by the morning sun.

朝日に輝く羊雲のもと、富士山がまだ眠そうに微睡んでいます。ぽかぽかと温ったかみが増していく春の微睡みと違い、冷たさが寝床にも伝わる秋の微睡みは起きるのにも勇気がいります。今日一日のことに思いを巡らしながら、寝床の温かさに至福のひと時を過ごします。この平穏がいつまででも続いて欲しい。この一年を振り返るにつけ、祈る気持ちで願います。