神の国

今から15年前の2000年5月15日、時の内閣総理大臣森喜朗が、神道政治連盟国会議員懇談会において、「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知して戴く、そのために我々(=神政連関係議員)が頑張って来た」と発言し物議をかもしたことがある。いわゆる「神の国発言」である。
その詳細はWikipediaにも「神の国発言」として載っているが、内閣総理大臣の発言としてはいかがなものかと思うが、野党、特に共産党や朝日新聞、毎日新聞のように目くじらを立てて批判するほどのものではなく、全体としてはまっとうなことを言っているのではないか。
日本が「天皇を中心とした神の国」であるかどうかは俄かには首肯しがたいというか、正直わからないが、日本の歴史を見たとき、天皇が中心かどうかはともかく連綿と継続的に存在してきたことは事実だし、外国から見ても、日本は天皇の国だと思っているだろう。
ギネスブックにも「日本は最古の国」と認定されているそうだが、世界の歴史が王朝が交代する歴史である中、紀元前660年2月11日建国という事実認定は置くとしても、日本が世界最古の国であることは確かだし、誇りにしていいことだと思う。
ちなみに、「中国6000年の歴史」とかなんとかよく言うが、これは国として歴史ではない。中国の建国は1949年なのである。世界で3番目に古いイギリスが1066年。2番目に古いのはデンマークで10世紀前半。フランスは1789年。アメリカは1776年。いかに日本が古い国かということがわかる。
しかし国古きが故に尊しとして言っているのではない。その古い歴史から生み出された文化こそ尊いものだし、誇りにし大切にしたいものだ。
2013年に日本を訪れた外国人が初めて1000万人を突破し、2014年には1340万人、2015年1月は2014年1月に比べて30%は増えているという。そして訪れた外国人の多くが日本の文化、日本人のホスピタリティに一様に賞賛の言葉を贈ってくれている。
日本は神の国なんだ。海にも山にも川にも、大きな樹にも岩にも、いたるところに神がいる。お寺にも行くし、神社にも行く。クリスマスは好きだし、いまイスラム教にも関心を持ち始めている。中国の道教、儒教の影響はもう身に染みついてしまっている。
なぜか。地震あり。津波あり。山崩れがあり、大雨がある。日本人は有史以来ありとあらゆる自然の驚異にさらされ翻弄されてきた。恐れおののき、身を寄せ合い、じっと耐えてきた。それでも大地を愛し、海を慕い、自然の懐に抱かれて安堵してきた。自然に宿る神々に、時には叱咤され、時には恵みを受け、教えを受けてきた。日本人ほど自然とのかかわりが深い民族はいないのではなかろうか。自然に宿る神々が日本人を育んだのだ。いま世界がそんな日本に、そして日本人に関心を寄せている。
深さ1万メートルの日本海溝の絶壁にへばりつく日本は危うい。またいつ何時、大地震が来るかもしれない。日の出を拝んで、夕日に祈る。
明日もまたつつがなき一日でありますように。さあ、眠りにつくとしよう。

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