アマリリス 道行く人が 足を止め

One yellow Amaryllis planting on the street is in bloom. People who pass by the side always look at it because it is big and the colors stand out well.

街中の街路の植え込みに一輪のアマリリスが大きく咲いています。ひときわ目立ち道行く人が誰もが視線を送ります。

アマリリスとユリは見分けが難しく、このアマリリスも正直、アマリリスなのかユリなのか自信がありません。

一般的には、ユリは茎の途中から花を咲かせますが、アマリリスは茎の先に花を咲かせます。

分類上は、アマリリスはヒガンバナ科で、ユリ科とは異なります。アマリリスやユリとよく似た花にカサブランカもありますが、これはユリと近縁です。

さて、昨日、今日とアメリカのトランプ大統領の訪日の話題で持ちきりです。大相撲観戦と優勝賜杯の贈呈。令和天皇の歓迎式典。どれも日米友好には寄与することで歓迎します。

来年で戦後75年になるわけですが、この75年の歴史を振り返る時、歴史的な事件の積み重ねでもあり、国際関係は波穏やかではありませんでした。

今も、この2日、3日の出来事から離れ目を世界に広げれば、大波だらけです。この日米の友好関係をもとに、世界がもっともっと良い方向に向かって欲しいと強く思いました。

瀑声に 若葉震わす 滝しぶき

The sound of the waterfall is in the deep silence.  Young leaves are struck by the waterfall and are shaking their heads. Sometimes a loud cry of pheasant from a distance can be heard. Sitting on a rock, I am meditated.

山深く分け入っていくと滝の音がする。近付くにしたがってその音は大きくなり、その瀑声があたり一面に木霊して山全体を覆っているかのよう。滝しぶきを浴びた若葉が首を上下に振っている。時折、遠くから甲高い雉の鳴き声が聞こえてくる。もう瞑想の境地だ。

北海道はどこも30度を超し、沖縄は26度だという。頭が混がらがってくる。最近は気象まで常識外れ。昨日は千葉を震源とする震度5弱の地震があったし、阿蘇山や箱根では火山活動が盛んになっているという。今年もこの先どうなるやら、不安もよぎる。

瞑想の世界と現実の世界。来し方行く末を考えてみても、今が現実で、過去も未来も瞑想、観念の世界でしかない。過去の世界は事実があり、その積み重ねがあっただけで選択の余地はないが、未来の世界は常に右に行くか左に行くかの選択を迫られる。

静かさや 岩にしみいる 蝉の声

芭蕉がどういう境地でこの句を詠ったのか、瀑声の背後の静寂を感じつつ、なおも瞑想を続けた。

 

 

夏日差し 梅雨を呼ぶのは レインリリー

Rain lilies are blooming pretty flowers in the strong sunshine of early summer.  As the name suggests, they look awaiting the rainy season.

ヒガンバナ科のタマスダレ属の花だとか。ユリ科のタマスダレ属という分類もあるそうですから、こちらの方が納得いきます。

正式名はゼフィランサス。和名ではタマスダレとかサフランモドキというそうですが、英名のレインリリーがいちばんぴったしいきます。

形状はタマスダレに似ていますが、タマスダレは真っ白で、花弁もしゃんとしていますから、和名にするならピンクタマスダレだとか、レインリリーを直訳してアメユリにしてはどうかと勝手に思う次第です。

それにしても花の名前を調べるだけでも面白いですし、日本語の特徴も出ていて愉快です。

本当に日本語は変幻自在。和洋中ごじゃまぜ。こんな言語は世界でも珍しいです。

言葉はやはりその国・民族の根幹に当たるわけですから、その上に開いた文化・伝統も自ずから言葉の特徴を表すわけで、日本語と日本文化は典型的なその見本みたいなものですね。

脱線しましたが、このレインリリー、雨の後の乾燥期に咲くそうでこれから夏まで咲き続けます。これもたまたま野原で見つけたのですが、いつの間にこんな所で野生化したんでしょうね。

慎ましく それでも目立つ 白アリウム

Only white flowers of Allium roseum bloom in the meadow where young grass spreads.  It is small and unnoticeable by itself, but it stands out in this meadow.

初夏の散歩道は草いきれでムンムンしています。いろんな雑草が生い茂る中でこのアリウム・ロゼウムの白い花がひときわ目立ちます。それ自身は小さくて慎ましやかな花ですが、周りにこれと言った花も咲いていないので目立つのでしょう。

ネギやタマネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウと同じ仲間の植物ですが、アリウムには沢山の種類があって、園芸用としても愛用されている花が沢山あります。ネギ坊主が大きな紫色のマリのようになっているアリウム・ギガンチュームはよく知られています。

ここで見かけたロゼウムも園芸用として売られていて、事細かく管理法が記されていますが、そんなのが野生化したのでしょう。実に逞しく、それでいて園芸用にも負けないくらい美しいです。

晩春なのか初夏なのか、さわやかな日が続いています。偶然出会ったアリウム・ロゼウムが咲く草原も、この花が咲くだけでさわやかに景色が変わります。

梅雨近し 川瀬の鰻 顔を出し

You will be able to catch the eels well just before the beginning of the rainy season.  From this time onwards, they have to gain energy until summer, so they will search for food.  It is a great opportunity for eels fishing.

鰻釣りはこれからがシーズンです。と言っても最近は鰻もめっきり減って、近くの河川で取ることは至難の業です。

「鰻の寝床」という言葉があるように、鰻は自分の体が入るくらいの穴があれば好んで入ります。河川のブロック護岸にはこうした穴ができ易く、ここを良く鰻が寝床にします。針金で作ったワッカをこの穴の前に仕掛け、その入り口辺りにミミズやドジョウをちらつかせると鰻が顔を出します。ワッカに首を突っ込んだら、ワッカをぐっと締めゲットです。子供の頃の思い出です。

写真は伊豆の友人から送られてきたものですが、地方の河川にはまだまだ鰻がいるはずです。試してみられてはいかがですか。

鰻はこうしてこの時期から餌をたくさん食べ、夏にかけて体内にしっかり脂肪を蓄えるわけです。土用の鰻はいちばん脂の乗り切った鰻で、人様はこれを食して酷暑を乗り切るわけですね。でも高いですね。国産の天然鰻なら、専門店で一尾食べようものなら、5,000円はします。

蓮池の そっと片隅に 菱の花

In the corner of the lotus pond, the Hishi flowers are in a little bloom. They are small and modest flowers, but will bear hard fruits in autumn. they are very delicious, similar to the taste of chestnuts.

蓮池の片隅にヒシの葉が肩身狭そうに浮かんでいます。

蓮の葉には似ていますが大きさはうーんと小さく目立ちません。そしてよく見ると黄色い小さな花が咲いています。お隣に咲く蓮とはまるで大違い。まず人目には着きません。尾瀬に咲くヒツジグサは500円玉くらいですが、ヒシの花は5円玉くらい。

秋になると池の底にヒシの実ができます。忍者の手裏剣になるくらい固い実です。食感は栗に見に似ていて、菱餅にも使われます。

もちろん菱餅は、一般にはお雛様に飾る菱形の餅を指しますが、ヒシの実が入った餅も菱餅と言い、地方の道の駅でも見かけます。

さくらんぼ 見て長持ちの 方が良し

The cherries have grown ripe red. If you eat they will disappear in a moment, but if you just look they will keep for many days. I chose to watch than to eat.

赤いサクランボの実ができました。二つ三つ食べてみたらとても美味しいです。でもそれ以上は食べようとは思いません。お店で買うととても高いです。二つ三つ味わえば十分で、それよりもこうして何日も眺めている方が満足が行きます。

時折鳥たちが来て食べることはありますが、それも良しとしましょう。

サクランボはセイヨウミザクラと言って実を収穫する専門の桜で、ソメイヨシノのような花を観賞する桜は小さな実しかできず、実ができると直ぐに落果します。

ミザクラの花も桜と変わりませんが、ピンクに色付くことはありません。

お店にはこれとは別にアメリカンチェリーといってサクランボより大きくて黒ずんでいるサクランボを見かけます。安くて結構おいしく全く食用という感じのサクランボです。

アメリカではブラックチェリー、もしくはビングと言いますが、サクランボ一つをとっても日本人と西洋人の文化の違いが見えて面白いですね。

大海原 若草分けて 下田路

Shimoda Kaido, famous for “Izu no Odoriko” by Yasunari Kawabata, is also a highland road. The feeling of going through a path filled with young grass while watching the open ocean below is spectacular.

眼下に広がる大海原と潮風を受けて揺れる若草。伊豆高原の初夏の風景です。

東海道三島宿から伊豆の国市、伊豆市湯ヶ島を通り、天城峠を越えて河津町から下田に至る全長約80㎞の、山あり、峠あり、川あり、高原ありの下田街道(下田路)は川端康成の『伊豆の踊子』の舞台であり、松本清張の『天城越え』の舞台でもあります。

一方は旧制高校の学生と旅芸人踊り子の道行き純愛小説であり、もう一方は修善寺の売春婦に関わる殺人冤罪小説でですが、描かれている伊豆の景色はどちらも美しく、心に残ります。

写真はその下田街道から少し外れた場所ですが、眼下には大海原が広がり、吹き上る潮風に若草が揺れ、そこを分けて歩く若者たち、いかにも初夏の風景が溢れ、伸びやかな景色にうっとりします。

春先の不安定な気候もやっと落ち着き、晴れ間も多くなりましたが、これもほんのひと時。もう奄美地方は梅雨に入ったとニュースが流れています。もう2週間もすれば本格的な梅雨入りです。

今の間に、思いっきり、野に山に出歩きたいものです。

禅寺に 何と優しい 牡丹かな

It is a peony blooming in the precinct of Kenchoji Temple in Kamakura City, Kanagawa Prefecture.  The combination of the strict Zen temple and the gentle peony blooming there is intriguing.

バラが咲く一方、ボタンも今が盛りです。

そういえば、バラで有名なお寺はあまり聞きません。奈良県に霊山寺(りょうざんじ)というお寺がありますが、ここが関西では有名なバラのお寺です。それ以外にはあまり聞きません。

その点、ボタンはお寺とつきものです。関東であれば鎌倉建長寺のボタンは有名ですし、関西では長谷寺のボタンが有名です。これ以外にもボタンで有名なお寺は数多くあります。バラが西洋中心に広まり、ボタンが東洋中心に広まったからでしょう。

この同じ時期に咲くシャクヤクはボタンによく似ていて、見分けが着かないほどです。同じボタン科・ボタン属に属する花ですから仕方ありませんが、ボタンが木であるのに対して、シャクヤクは草です。葉もまるで違うのでちょっと注意すれば見分けは簡単です。開花時期もボタンが晩春、シャクヤクが初夏という違いもあります。

どちらも薬草としても有名で、風邪薬の葛根湯にも使われています。もうひとつ似た花にシャクナゲがありますが、これもよく似ていて時々見間違えることがあります。西洋ではボタンもシャクヤクもpeonyですから区別しないんでしょう。

ボタンは「百花王」とか「花王」と呼ばれるように、花の長と崇められてきましたが、シャクヤクは庶民的です。

「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリに花」と女性を称えた言葉がありますが、まさに「やまとなでしこ」を彷彿とさせる言葉です。

でもどうでしょうか。そんな女性がいたとしても、見入っていたらセクハラと言われかねません。おそろしや、おそろしや。

 

儚くも マツバウンラン 凛と咲き

Matsubaunran is a small wildflower.  It looks like such a weak flower as you want to support it gently, but its dignified appearance is a very beautiful flower.

マツバウンラン(松葉海蘭)は小さな小さな野草です。それでも雑草の中ではひときわ目立つ花です。

「松葉」は葉が松葉のように細く、「海蘭」は海辺に咲くウンランの花に似ていることからついた名です。ウンランも蘭ではなく蘭に花が似ているから着いた名で蘭とは無関係です。誰が付けたのかよくも付けた名だと感心します。

「人知」とはこのことで、人の知恵と知識は神羅万象にわたり、あらゆるものに名を付け、その本質を探り、底知れない英知を感じることにもなりました。

この花を見て竹久夢二の絵を連想するという人がいましたが、なよなよっとした女性の儚さと美しさを連想したのでしょう。わかります。

でも、マツバウンランは見かけによらず丈夫な花で繁殖力も強く、外来種ですが、今や全国に分布する野草でもあります。これもまた女性の一面でもありますよね。