気高さと 香気を残し 秋の薔薇

The last rose of this year blooms in the rose garden of the nearby park.  The atmosphere isn’t gorgeous but moist and calm. There are few people and I can feel even a little loneliness.

公園の木々は色付きもうすっかり晩秋の雰囲気です。その中の一角にあるバラ園には今年最後のバラがそこそこには咲いています。

紅葉とバラ、なんかあまりしっくりいきません。初秋のバラ、晩秋の紅葉なら何とか納得も行くのですが、「木枯らし一番」も吹いたというこの時期にバラですからね。

最近の傾向なのか昔からそうなのか。やはり地球環境の変化で何もかもが昔とは変わってきている、そんな気がします。

それはともかく、秋のバラは何度も取り上げましたが、気品があり、気高ささえ感じます。それゆえに、孤高の寂しさが感じ取られ、美しさだけに見惚れる気にもなりません。

生々流転、季節の巡りは人の一生にも感じ取られ、歳取るごとにやるせない気にもなります。

反面、これから迎える厳しい冬にも立ち向かえる準備もしなければという気力もまだ起こります。

残照に 転生託す 枯れ薄

Susiki, Japanese pampas grass, is very popular in Japan. The moon which you can see on the 15th is called “Chushu-no-meigetsu” which means “Mid-Autumn moon” and Susuki is decorated. In late autumn, many people visit to see Susuki. This is a traditional Japanese custom. However, in other countries, Susuki is seen as a mere weed.

ススキは、外国では単なる雑草、それどころか「世界の侵略的外来種ワースト100」に数えられている植物ですが、日本では昔から関心の深い植物です。

古今和歌集にはよみ人知らずの名歌、

 小倉山 麓の野への はな薄 ほのかにみゆる 秋のふゆくれ

など多くの歌の詠まれていますし、枕草子にも、

 これに薄を入れぬ、いとあやしと人いふめり。秋の野のおしなべたるをかしさは、薄にこそあれ。穗さきの蘇枋にいと濃きが、朝霧にぬれてうち靡きたるは、 さばかりの物やはある。 

と語られています。

歌だけではなく、実際生活の中でも、茅葺の屋根に使われたり、作物の露除けや霜除けにも使われてきました。日本人とは密接な関係があるんですね。

「中秋の名月」の日には月見団子とススキは欠かせませんし、日本人の死生観にも深くかかわっていて、現代でもその影響か、「船頭小唄」や「昭和枯れすすき」といった歌が流行ったり、各地のススキの名所には大勢の人が押しかけます。

 

春日野に 紅葉が誘う 鹿の声

Nara Park is definitely autumn.  Near the evening, while the fallen leaves are pouring down, the male deer is sadly screaming wth searching for the female deer. When I hear that call, I feel more lonely.

奈良公園の一角に春日野があります。木々もすっかり紅葉し、もうすっかり秋の気配です。

夕方近く、紅葉を浴びながら雄鹿が雌鹿を求めて悲しげに鳴いています。思わず口ずさんだのは、

 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき

です。何とメランコリーな歌でしょう。

この一首だけで秋のすべてが語られている思いです。

咲き切って 今年最後の コスモス園

The cosmos garden in the park near October 31 has ended. This is to prepare a field for spring. This year is still warm and the cosmos is nearly in full bloom. Unfortunately, it can’t be helped. But the buds of the rape blossoms have begun to swell in the adjacent field.

10月31日、近くの公園のコスモス園が終了しました。春の畑の準備にかかるからだそうです。

今年はまだまだ温かく、11月に入っても真夏日のところもあるようです。コスモス園のコスモスも盛りを過ぎたとはいえ、まだまだ満開に近い状態で、名残惜しいです。

秋のバラ園がこれから見ごろだそうですし、これも異常な気がします。

そういえば、コスモス園の隣の畑には、春の菜の花の苗が植えられていて、小さな芽が出始めています。

一方では夏の名残。一方では来年の芽生え、秋爛漫の中でいろんな季節が混ざり合い、何とも不思議な光景です。

時代が変わり、環境が変わり、さてさてこれから先はどうなっていくんでしょうね。

柿の葉に 味噌田楽も 乙なもの

I took a rest at a tea shop near Nara Kasuga Grand Shrine. I ordered the Dengaku because it seems delicious. The Dengaku with miso was on a persimmon leaf. I had forgotten to eat the Dengaku for a while because the color of the persimmon leaf was so beautiful.

奈良春日大社近くの茶店で一服しました。

店先にこんにゃくが温かそうに煮えています。早速注文すると、お盆に柿の葉を敷き、その上に味噌田楽が載っています。

こんにゃくを手に取りひとかぶりしたのですが、目が下の枯葉にいって思わず見とれてしまいました。

赤く染まった地色に緑の斑(ふ)が点在する微妙なバランスが何とも言えない調和を醸し出しています。

店の主の風流が感じ取られ、田楽の味わいがいっそう深まりました。

現し身の 心も染むる 秋の彩

Noyama and Sato are completely in fall.  When expressed in color, spring is green and autumn is red.  Since the evening is also red, everything is red at the end.What color is the end of life?

野山も里もすっかり秋です。色で表すならば、春が緑だとしたら秋は赤ですね。夕日も赤ですから、赤が万物の最後の色かもしれません。

実際に、物理学的にみても、赤は緑に比べて波長は長く振動数は少ない、つまりエネルギーは少ないわけです。

赤外線はせいぜい熱を伝えてくれて温っかくしてくれる程度ですが、紫外線は怖い。緑は緑線と言いましょうか、そんな言葉はありませんが、赤外線と紫外線の間にある。

紫外線ともなれば、衣服の色は変えるし、物の特質を変えてしまいます。癌を発症させる働きもある。化学作用が強いわけですね。だから色から受ける印象も、紫に近いほどストレスを感じさせますし、赤に近いほど癒しを感じます。

秋は赤ですから、人の心も和むのでしょう。

とすれば、人生の最後はやはり赤なんでしょうかね。

いじらしく 半年咲いた ブラキカム

Brachycam is also called princess cosmos in Japan because it resembles cosmos.  It begins to bloom from spring and continues to bloom until late autumn.  Because of its touching appearance, the flower language is “touching ”.

ブラキカムは俗称で正式にはブラキスコメと呼びます。

コスモスによく似ていることから、和名はヒメコスモスですが、同じキク科の植物でも原産地が違います。コスモスは北アメリカで、ブラキカムはオーストラリアです。

春の3月頃から咲き始め、晩秋の11月下旬位まで咲き続ける花期の長い植物で、雨期を凌ぎ、酷暑に耐え、咲き続けるので「いじらしい」という花言葉を持つ花です。

季節季節にしか咲かない花、こうして春夏秋と咲き続ける花、その多様性はどこから来るのか実に不思議です。

植物があるからこそ、その炭酸同化作用で動物も生きられるわけですから、地球上の命の源泉であり、太陽エネルギーの仲介者です。

今年は、アマゾンで猛威を振るう森林火災で、地球の酸素の20%を生産するというアマゾンの重要性と火災対策の緊急性を訴える報道が盛んにされましたが、この20%は根拠はともかく、急速に失われていく植物を守ることは重要です。

籾焼きの 香り広がる 棚田かな

On the rice terraces, rice has been finished to be harvested, and the smell of burning the chaff is spreading. Only the crow’s cry is echoing there.

大阪の千早赤阪村下赤坂の棚田です。稲の収穫も終え、籾殻を焼いた黒い小山が田んぼに残っています。

香ばしい香りが辺り一面に漂い、煙たさが目に染みるのか目が潤みます。

この辺りは大阪では雪深いところ。今はそれほどではありませんが、冬は眠りにつきます。

人影もなく、カラスの鳴き声だけが無性に響き藁ります。

あの時を 思い出すのも リンゴかな

The apple has turned red.  Every time I look at an apple, many things remind me. A cheerful apple song, an athletic meet, an excursion, a mountain climb, there were always an apple. Everything is a happy remembrance.

リンゴが真っ赤になりました。一夏の陽光をいっぱいに閉じ込めたリンゴ。一夏を思い出すだけでなく、昔々の事がいっぱい甦ってきます。

道の真ん中で開いた町内会のコンサート、ミカン箱のステージでおっちゃんが歌っていた笠置シズ子の『リンゴの唄』。小学校の運動会や遠足には必ず持って行ったリンゴ。登山でチョコレートやチーズばかり食べたせいでお腹に溜まったガスを出してくれたリンゴ。

思い出したら切りがありません。いつもそこにはリンゴがあり、楽しい思い出ばかりです。

鳥たちの 毒見済みだよ 熟柿

Kaki bore a lot of fruit. It’s astringent, but it has already got sweet when the birds start eating.

鳥たちもよく知っていて、柿がまだ渋い時は食べに来ません。甘くなるとやってきますから、鳥が啄んだ柿があると甘くなってきた証拠です。

渋柿を硬いまま食べたければ、渋抜きをして食べることもできますが、生成りのままにしておくと柔らかくはなりますが、甘柿以上の甘さになります。

まだ多少硬くても色がしっかり赤くなっていたら取り時です。鳥はジュクジュクに熟したものから食べます。最近はヒヨドリやカラスが味をしめたのか盛んに来ますので競争です。