艶やかに 心誘うや うば桜

Even though it is an old tree, cherry blossoms are in full bloom this year too. Cherry blossoms that make such flowers bloom every year are envious.

「艶やかに」は二通りに読めますね。一つは「あでやかに」でもう一つは「つややかに」です。さあてどう読んでもらおうか、ずるいですがお任せします。

「あでやかに」と読めば、派手にとか外観に重きをおいたように感じますし、「つややかに」と読めば、色っぽいと言うように心情が入ってくるように思うのですがいかがでしょうか。

俳句には掛詞という技法はないかと思いますが、あえて掛詞風に読んでいただきたいなあとも思ったわけです。

また、「うば桜」ですが、漢字で書けば「姥桜」。「姥」は単に「年老いた女性」、老婆ですね、を表す言葉ですが、「姥桜」と熟語になれば、山桜のように先に葉が出てそれから花をつける桜ではなくて、花が先に咲き、それから葉を出す桜のことをいうのが本来の意味で、それが転じて、「葉(歯)が無くても、つまり、歳を重ねても色香があり若々しく美しい女性」という意味にもなりました。口さがない人は、「歳に似合わず色っぽくて端ない女性」というふうな意味にも使います。

さてこの「姥桜」、オオシマザクラと寒緋桜を交配してできた桜で、樹齢60年くらいだそうですが、この寒さにもかかわらず見事に花を咲かせています。樹体はいかにも古ぼけて苔まで付いているようでも、毎年毎年、新芽を出し、可愛い花を咲かせる桜や梅は羨ましい限りです。

人間はこうはいきますまい。老いらくの恋に花を咲かせても、まあ一度限り。線香花火のように、最後はパチパチ弾けても、後はポタッと落ちるだけ。

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