今年のさくら ― 2015 ―


 
今年の桜は、大阪では4月3日にピークを迎えた。この日の天気は晴れ、といっても全くの快晴というわけでもなく、黄砂の影響もあるのかうっすらと霞のかかったお天気だ。最高気温22.7度、最低気温10.6度、歩いていても汗ばむほどの陽気だ。ちょうど1週間前の3月26日のお天気が、最高気温14.4度、最低温度2.9度という真冬並みの寒さだったからなおさら暑く感じる。
先週から愚図ついたお天気でこの4月3日だけが晴れ、明日以降も来週いっぱいまで雨模様だそうで、テレビのお天気のお姉さんがこの日だけがお花見のチャンス、どうぞお出かけくださいと呼びかけていたので、それではということでお花見に出かけることにした。
最近はわざわざお花見に出かけなくても、いたるところに桜が咲いていて、車を運転していても、道の両脇に並んだ桜並木から舞い落ちた花びらが黒いアスファルトの上でくるくる舞っていて思わずスピードを落とすこともある。窓を開けていると車の中に花びらが飛び込んでくることもある。本当にどこも桜、桜、桜だ。
それでもお花見に出かけるのだから、お花見には別の意味があるに違いない。
長い長い冬を潜り抜けて、梅が咲き、桃が咲き、桜が咲くと何もかもがパーッと明るくなる。あの桜の花の咲き様はなんだ。枝もたわわにという表現があるが、たわわどころではない。なぜあんなに花をつけなければならないんだろう、一本の桜に咲く花びらの数は一体いくつあるんだろうと思ってしまうほどだ。一本の桜の木でもそうなんだから、それが何十本、何百本と並んだお花見どころは圧巻としか言いようがない。それに酔いしれたいからお花見に出かけるんだ。生きる勇気が湧いてくるというか、その生気を身体いっぱいに染み込ませたいから出かけるんだ。
今年は、大阪の浜寺公園に出かけた。
昔は白砂青松、白い砂浜に青い松が延々と並び、『小倉百人一首』にある祐子内親王家紀伊の「音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の 濡れこそすれ」と歌われたほどの大阪一の海岸だった。夏にもなると、関西一圓から海水浴客がどーっと押し寄せたが、今はその面影はない。今でも『日本の名松100選』に選ばれるほどの松は残ってはいるが前には海岸はなく、『マリンスポーツパーク浜寺』という、幅100m、総延長2㎞の漕艇場があって、海には続いているが、その先は大きな埋立地になっていて、そこには大きな石油会社や化学会社が立ち並んでいる。
『マリンスポーツパーク浜寺』の両岸が公園で、どちらにも見事な桜並木がある。
海側の桜並木を散策した。
ピンクがかったソメイヨシノと白っぽいオオシマザクラが交互に並んでいてもう満開だ。向こう岸と違って人も少なく、水面には、落ちた桜の花びらを大きなボラが寄って来て飲み込み、その向こうにはもう2,30㎝にもなったサヨリがたくさん群れを成して泳いでいる。中には水面から高く飛び上がって、折からの陽光を浴び銀色に輝くやつもいる。
漕艇センターの前を通ると、所狭しと漕艇が並んでいて、高校生の漕艇部員たちが艇の手入れをしていたり、体操をしていたり、皆明るくてのびのびとしている。
もう1週間も前に満開を迎えた東京の上野公園には毎年200万人以上の花見客が訪れるそうだが、昨年は4割程度だった外国人比率が、今年は5割以上になったとみられ、中でも人混みで飛び交う中国語が目立つそうだ。「爆買い」から「爆花見」という言葉まで現れたという。大阪でも、大阪城公園にはわんさと外国人が、特に中国や台湾さらにインドネシア、タイというところから押し寄せている。ツイッターを見ると、今流行りの自撮り棒で桜をバックに自分や友達と一緒に撮影した外国人画像がいっぱいだ。
生きとし生けるものすべてが桜に酔いしれているいるようで、こちらまでわくわくする。
こうしてまた1年が始まる。暦では1月が年の始まりだが、命のサイクルは4月から始まる。その門出を華々しく飾るのが我が桜だ。
今テレビを見ているが、またケニアで銃の乱射による死者が127人と出ている。複雑な気持ちだ。
どうか世界の人々よ、いちど日本に来ておくれ。銃を捨てて、憎しみを捨てて、この桜を見りゃ、命の大切さと、生きることの喜びがふつふつと湧いてくるよ。
今年の花見もよかった。

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