Twitter(ツイッター)

知り合いに誘われたり、お付き合いでたまにカラオケに行ったり、したりすることがある。そこでいつも思うことだが、自分も含め、まあ人の歌を聞いていない。次の選曲に忙しいということもあるが、人が歌っていてもわれ関せず、お愛想に拍手したり、ほめたりもするが、心のこもったものではない。ただ自分の歌に酔いしれ、歌いそしてみんながそれで満足し、心満たされ散会ということになるのである。
今やだれ知らぬものはないツイッター(Twitter)もそう。Twitterとは、140文字で「いま、何してる?」を書き込むコミュニケーションサービスであるが、日本では「つぶやき」と訳され、問わず語り、特定の誰かに語るのではなく、「今お昼ごはん中」とか、「眠たいよー」とか、だらだらと自分の今を書き込んでいく、まさしく「つぶやく」のである。
ホームページ、掲示板、ブログなどなど、インターネット上には今やごまんの語らいの手段があって、誰かに何かを語りたい、伝えたい、訴えたい、知ってほしいという願望があるが、ただ「つぶやく」だけがコミュニケーションになっているのだから、いったい「コミュニケーション」てなんなの?と首をかしげたくなる。
しかしコミュニケーションになっているである。今やツイートする回数は世界トータルで多いときには1日7000万回は優に超え、これまでの総投稿数が2010年8月時点で250億回というから恐るべし。政治家はすすんでツイートし、企業は宣伝にこれ務め、衆目を集めなければ成り立たない生業(なりわい)者はいまやツイートなしでは夜も眠れない脅迫にさらされている。中東の政治状況を変えつつあるのもtwitterとまで言われるからなおさらだ。
しかし、しかし、やはりTwitterの本質は、「おなかが痛いよー」、「電気つかないよ?」、「洗濯もの乾いたわ」、「バカな政治家に日本を任せるかぁ!」・・・。みんな腹蔵なく吐き出したいことがいっぱいあるんだ。聞く者あればなお良し、聞く者なくとも吐き出すだけで満足。
政治家も企業家も、エンタテーナーも、みんながブツクサ言って生きる証としているのがTwitter。究極のコミュニケーションと言われるゆえんである。

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