Isolated Isogiku, chrysanthemum pacificum, are blooming in the shade of rocks in the autumn sunlight. There is no person but only the sound of the wave can be heard.
イソギクは千葉県犬吠埼から静岡県の伊豆半島や御前崎の海岸に自生する日本固有の野生菊です。現在では飛び火して各地海岸にも見られるようになったようです。
近品種に紀伊半島一帯の海岸に自生するキイシオギク、四国の室戸岬周辺に自生するシオギクがあります。どれもよく似ていて、環境適応に応じて変化したのではないでしょうか。
10月から11月にかけて、潮風を避けるように岩陰や磯の陰に咲いている姿は愛おしさを感じさせます。薄い菊の香りはやはりキク科の植物なんだと再確認させます。
写真はイソギクで、葉の色がはっきり緑色で、葉の切れ込みも深いです。他の品種は、葉の羽毛のせいで霞んだ緑色をしていて、葉の切れ込みもイソギクほどではありません。
山野は紅葉、モミジで賑わっていますが、磯に咲く野菊の周辺はもう人影もなく、打ち寄せる波音だけが聞こえる寂しい風景です。