ヒグラシに 朝勤行も 上の空


A day at the shukubo in Koyasan starts in the morning religious service. The voice of the priest echoes in the quiet, but I am distracted by the charping of Higurashi more than that.
高野山は周囲を1000m 級の山々に囲まれた標高800m の台地に開かれています。平地より気温も5,6度は低いのでとても涼しく感じます。
高野山には宿坊といって修行僧や参拝客が泊まれる宿が52カ所あり、最近では多くの外国人を含め一般客にも開放されています。
宿坊に泊まると、朝6時半の「朝勤行」と言って、寺の僧侶たちがご本尊の前で読経と礼拝を行いますが、泊り客も参加できます。
夏の夜明けは早く、朝4時も過ぎれば白み始め、まずヒグラシが一斉に鳴き始めます。清澄なその鳴き声は高野山ならではの鳴き声でいっそう神聖な場所を感じさせます。
困るのは、朝勤行の最中にヒグラシの鳴き声が一番盛んになることです。ご本尊に手を合わせ、僧侶たちの読経に集中しなければいけないときにヒグラシの声は大いに妨げになります。これも修行かもしれません。
朝勤行が終わるころには、今度はニイニイゼミゼミがヒグラシを圧倒し始めます。
山菜尽くしの精進料理をいただくころには、ぐんぐん気温も上昇し始め、宿坊内や木陰は涼しいですが、外の気温は日中は30度前後に上ります。
日中は、特に夏のこのころは参拝客や一般観光客でいっぱいです。
名だたる戦国武将のお墓が敵味方なく並ぶ参道を奥の院までたどるとさすがに汗がしたたり落ちます。
でも、尊敬する空海さんにお会いできると思えば足が進みます。
奥の院に近づくころには、またあのヒグラシの声が盛んに聞こえてきます。