錦秋に 法衣を正す 大仏殿

Daibutsu-den of Todai-ji Temple surrounded by the trees which began to be dyed red is standing majestically against the background of the autumn sky.

奈良東大寺大仏殿の周りの木々も色づき始めました。相変わらずの人出ですが、外国人観光客の多さには驚きます。特に大仏殿から二月堂、三月堂にかけては人の行き来が絶えません。

それにしても、いつ来ても思うことですが、今から1200年前にこんなドデカイ建造物をよくも建てたものです。もっとも今見る大仏殿は、過去2度の火災にあって消失し、江戸時代初頭の1709年に建て替えられたものだそうですが、江戸時代初頭にしても驚くべきことなのに、それを遡ること1000年近く前ですから何をか況んやです。

ここに立つと確かにパワーが得られ、正真正銘のパワースポットです。それは、もちろんここにいらっしゃる大仏様、そしてこの建物に注がれたとてつもないほどの人々の信仰心と情熱と思いが込められていて、そこから発するパワーだと思います。

写真は、裏側に回って、大仏池から撮ったものですが、あたりはすっかり秋の気配に変わっていて、平日はとても静かです。大仏殿の威容だけが迫ります。

色とりどりの木々を観察しながら散策すると、心も落ち着き、正倉院から東あたりのこんもりとした森はもう寒いくらいで、舞い落ちる木の葉の音も聞こえるような錯覚に囚われます。

こうして幾星霜、多くの人がここを訪れ、そして去り、これからも同じことが繰り返されていくのでしょうが、こうしてしみじみとした思いを巡らすのもここだからこそです。