よく見れば ひっつき虫も 花の様

Weeds also change from flowers to seeds and are preparing for the winter. Looking closely, the lump of seeds is as beautiful as a flower.

面ファスナーはご存知ですよね。日本ではマジックテープ、アメリカではベルクロとして商標登録されています。今では金属製のファスナーより多く使われていて、身の回りをちょっと見渡しただけでも直ぐ目に付くほど、いたるところで使われています。フック状に起毛された側とループ状に密集して起毛された側を押し付けると両面がくっつくやつですね。

これを一番始めに考案したのが、スイスのジョルジュ・デ・メストラルで、アルプス登山中に自分の服や愛犬にたくさんのひっつき虫、野生ごぼうの種がくっついているのにヒントを得て研究開発し、特許出願、会社を設立し、一躍億万長者になったという逸話があります。1955年のことです。目の付け所が違うわけですね。

先日も栽培しているキクイモを掘りに行ったら、ヌスビトハギの種がズボンと言わず上着にまで沢山ついて、まるでヌスビトハギ男になって困りましたが、こんちくしょうと払いのけるのが精一杯、これを利用するなんて発想は思いも浮かびません。

今日のひっつき虫はコセンダングサの逆さトゲです。このトゲが人の衣服や犬、猫なんかにくっつて運ばれ、落ちていつか芽を出すんですね。種の保存の厳粛な仕組みです。どこにでもある雑草で、その気にならなければ目にも止まりませんが、よく見ると実に美しい。最初は花かと思ったくらいです。

そう言えば、子供の頃、小さな卵状でトゲトゲのあるイナモミを友達とくっつけ合って遊んだものです。