電飾に 影浮き上がる 車椅子

A wheelchair silhouette comes up while the illumination flashes. If looking closely, a wife is pushing the wheelchair on which her husband rides.

冬の夜空を飾るイルミネーション花盛りです。

ウェブサイトで「全国イルミネーションスポット」を見てみたら、北海道の「白い恋人パーク イルミネション」から沖縄の「いとまんピースフル イルミネーション」まで、開催されていない府県は見当たりません。どこも春の花見にも負けない盛況ぶりです。

使われている電球は発光ダイオード、LEDですね。消費電力が今までの電球に比べると極端に少ないので、100万個、200万個の電球を使っても電気代は大丈夫。長崎県の「ハウステンボス 光の王国」で使われているLEDはなんと1300万個で、これが日本一だそうです。

1990年代に青色LEDが発明されて、発明者の中村教授は2004年のノーベル賞に輝いたわけですが、これで光三原色が揃うとすべての色が発色できるようになりました。2000年代に入ると商用化され、道路信号機から家庭の照明まで広く使われるようになり、こうしたイルミネションイベントも爆発的に増えたわけです。

寒空のもと多くに人が押し寄せ、ひとときをロマンチックに酔いしれます。恋人同士、家族連れ、訪れる人は様々ですが、今日出会った車椅子の老夫婦の姿が目に焼き付いて離れません。足の不自由なご主人を車椅子に乗せ、奥さんがそれを押しながら、何を思い、何を語らっているのでしょう。

光と影。