It is a peony blooming in the precinct of Kenchoji Temple in Kamakura City, Kanagawa Prefecture. The combination of the strict Zen temple and the gentle peony blooming there is intriguing.
バラが咲く一方、ボタンも今が盛りです。
そういえば、バラで有名なお寺はあまり聞きません。奈良県に霊山寺(りょうざんじ)というお寺がありますが、ここが関西では有名なバラのお寺です。それ以外にはあまり聞きません。
その点、ボタンはお寺とつきものです。関東であれば鎌倉建長寺のボタンは有名ですし、関西では長谷寺のボタンが有名です。これ以外にもボタンで有名なお寺は数多くあります。バラが西洋中心に広まり、ボタンが東洋中心に広まったからでしょう。
この同じ時期に咲くシャクヤクはボタンによく似ていて、見分けが着かないほどです。同じボタン科・ボタン属に属する花ですから仕方ありませんが、ボタンが木であるのに対して、シャクヤクは草です。葉もまるで違うのでちょっと注意すれば見分けは簡単です。開花時期もボタンが晩春、シャクヤクが初夏という違いもあります。
どちらも薬草としても有名で、風邪薬の葛根湯にも使われています。もうひとつ似た花にシャクナゲがありますが、これもよく似ていて時々見間違えることがあります。西洋ではボタンもシャクヤクもpeonyですから区別しないんでしょう。
ボタンは「百花王」とか「花王」と呼ばれるように、花の長と崇められてきましたが、シャクヤクは庶民的です。
「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリに花」と女性を称えた言葉がありますが、まさに「やまとなでしこ」を彷彿とさせる言葉です。
でもどうでしょうか。そんな女性がいたとしても、見入っていたらセクハラと言われかねません。おそろしや、おそろしや。