真田 泰昌 について

長年予備校の教師をやってきました。パソコンとの付き合いは古く,1号機からの付き合いで、プログラムもすべて自前でした。日本語もカタカナがやっとという時代でしたから,今はもう浦島太郎もびっくりです。

濡れそぼり ガラス細工の サンカヨウ

Sankayou is a strange flower.  It is usually a white and cute flower, but it changes to transparent if it is struck for a long time by rain.  It looks like a flower made of glass.

不思議な花です。中部以北の寒冷地に咲く花ですが、鳥取の大山でも見かけましたし、神戸の六甲高山植物園でも見ることができます。

ちょうど梅雨時分に咲く花で、普段は白い可愛らしい花ですが、長雨が続くと段々と透明に変わります。最後にはガラス細工の花のようになります。漢字で書くと山荷葉と書きますが、山に咲く蓮という意味で、透明になる意味は含まれていません。

なぜ透明になるかは子細には分かっていないらしいですが、おそらく、光の屈折に関係があると思います。

簡単な例では、擦りガラスに水が着くと透明性が増したり、白いティシャツが濡れると透けて見えるあの原理です。どれも水が付かなければ表面は凸凹があって光が乱反射し白く見えますが、水が付くと表面が滑らかになり、光が素通りするから先が見える。

サンカヨウも同じで、長時間雨に打たれていると、花弁の細胞の間に水がたまり、光を素通りさせてしまうから透明に見えるのです。

それにしても、不思議でミステリアスな花ですね。花の開花期間が短く、しとしと長雨が続かないと透明な花が見えないので、滅多に見られないからますますミステリアスな花というわけです。

白薔薇の 花芯は深く 艶めきて

It is a white rose when you look at it from a little distance, but the flower core has a cream color.  It has a mysterious charm that can draw your heart. It looks like a gentle mother and lover.

遠くから見ると白いバラですが、近づくと淡いクリーム色をしたバラです。花芯に迫るほどその色を深くし、吸い込まれるような錯覚にとらわれます。

春最後のバラがさく公園でいちばん目に留まったのがこのバラでした。

「艶めく」とは現代語では、艶っぽいとか色気があるとかのニュアンスでとらえられますが、古語では、現代語のような意味もありますが、「みずみずしくて美しい。清らかであるとか、「上品である。優雅である。情緒がある。」というような意味合いが強く、「その里にいと艶めいたる女はらから住みけり(その里にとてもみずみずしくて美しい姉妹が住んでいた)」―伊勢物語―のように使われています。

見る人の思いはまちまちで、世代により、境遇により、思いは違い、巡らす想像も違うでしょうし、どちらの意味でとらえられても、どちらも真であるからこそ面白いのです。

それにしても艶めかしいバラには違いありません。

伸びやかに 日傘を差して アカンサス

Acanthus is a plant with human height.  A lot of flowers bloom from the bottom to the top of a straight columnar stem.  Every flower is covered with a calyx like a parasol and protects the flowers from hot sunlight.

紫陽花の咲き具合を見に近所の公園に行きました。ここには立派な『アジサイ園』がありますが、紫陽花は小さな小さな蕾を付けているだけで、花らしい花は咲いていません。まだ緑一色です。

『アジサイ園』の外は、まだバラが花盛りで、これでは紫陽花も早いはずです。しばしバラを観賞して、園内を歩くことにしました。

この公園には大きな池があってその後ろには小高い丘があり、周囲2㎞程の遊歩道があります。樹木が生い茂り。高低差もあり、ウォーキングにはもってこいです。陽だまりには、ひょろ長い西洋タンポポやアザミがあちらこちらに咲いています。

その一角にとてつもなく高く咲いていたのがアカンサスです。背丈は1mを超えるほどで、まっすぐ伸びた茎には下から上まで白い花が鈴なりです。どの花にも顎が被さっていて、まるで日傘のようです。

このアカンサス、ギリシャ建築のコリント式柱の屋根を支える部分にあって、ギリシャでは国花になっています。

そういえば、美しいうえにとても力強い感じがします。梅雨はまだですが、晴れた青空にくっきり立つアカンサスは凛々しく、こちらまで背筋を伸ばさずにはおかない気高さがあります。

口ずさみ 勿忘草に 涙雨

There is a sad legend in Germany derived from “Forget-me-not”. This spreads to the world, becomes a poem, becomes a song, and becomes a movie.  Most are all sad things, but this “Foget-me-not” never disappears from our heart.

『勿忘草』と言えば菅原洋一。私たちの世代では=です。一世を風靡しました。口さがない連中は、あの容貌でこんなロマンチックな歌をよくも歌えたものだと、親しみと賞賛を込めて揶揄したものです。

1980年代には、26歳の若さで亡くなった尾崎豊がまた『勿忘草』を熱唱し、多くのファンの心を揺さぶりました。

その後も、NEWS、ピコ、柴崎コウ、ムック、と数え上げたら切りのないほどの歌手がそれぞれの『勿忘草』を歌っています。

それどころか、1935年にはイタリアでは、歌曲「帰れソレント」の作曲で知られているクリスティスが『勿忘草』を作曲し、同名の映画の主題曲にもなりました。最近ではパバロッティも歌っています。

「Forget me not」という『勿忘草』の英語名をご存知の方は多いでしょうが、この花の名前はドイツも、ロシアも、イタリアもどの国でも同じ名前がついています。

もともとは、ドイツの悲しい伝説、「騎士ルドフルが恋人ベルタのためにドナウ河畔に咲く勿忘草を摘もうとして水中に転落、最後の力を振り絞って摘んだ花をルドルフに向け投げ、『私を忘れないで』と言って、水中に消えた」から生まれた名だと言われています。

最後に、さらにさらに昔の1829年生まれのドイツのジプシー作曲家ハインリッヒ・リスナーの『勿忘草』を紹介します。

梅雨空も 晴れて嬉しや 薪能

On June 1st, a traditional Japanese performing arts, Takigi Noh is held at Heian Shrine in Kyoto.  The figures of women dressed in Japanese clothes also stands out.  However, since the rainy season is approaching, We are always worried about the weather.

6月1日は、京都平安神宮で恒例の『薪能』が催されます。初夏を彩る京都の一大イベントです。観世、金剛、大蔵など、日本を代表する能楽一座が能舞いを競います。

この日は梅雨も近いとあって、空模様が気にかかり、まるでこの一年の雲行きを占うかのような心境になります。

お天気が良ければ、勇躍出かけることになるわけですが、夕方6時開演、5時開場ということで、良い席を確保するためには早く並ばねばなりません。

もっと昔はそうでもなかったのですが、今では3時に着いてももう長蛇の列。難行苦行が待ち受けています。

その列の中に、浴衣姿のお嬢さん達、きりりと和服に身を固めたご婦人達が、京日傘に京団扇をかざす姿は一服の絵です。

薪に火が点り、鼓の音が境内に木霊すと開演です。まだ冷たさが残る夜風が心地よく、能役者の透き通る声にしばし時を忘れて夜が更けていきます。

そっぽ向き 拗ねて二輪の アマリリス

Two bright red Amaryllis flowers bloom in the planting of the promenade.  They look the other way each other.  Did you go to bed last night?  Please make up quickly.

朝散歩の道脇に2輪の真っ赤なアマリリスが咲いています。お互いにそっぽを向いて知らんぷり。昨晩何かあったのでしょうか。早く仲直りをしてください。

いよいよ今日で5月もお終い。長い連休が明け、記録破りの酷暑に見舞われ、今年もこれから何が起こるるのか、一抹の不安もよぎります。

天候、気候もそうだし、地震もびくびく。

世情も、無差別殺傷事件や痛ましい交通事故が頻発していますし、国際社会に目を転じても、米中の貿易戦争や、イランとアメリカ、中露とアメリカ、それに北朝鮮。火種はいっぱいです。

オリンピックだオリンピックだと手放しで喜んではいられません。

令和改元の慶賀はあったけれども、全般的に憂慮が絶えない今日この頃です。

五月日に 抹茶パフェで 暑気払い

This year, despite the May, the climate continues to exceed 30 degrees every day throughout Japan. I ordered ice cream at the coffee shop I entered to avoid the heat.  I finally felt comfortable.

今日は少しましになりましたが、全国各地で30度を超す真夏日が続出。北海道のオホーツク海側の佐呂間町では35度2分を記録し、北海道の5月の気温としては観測史上初めて35度を越えたそうです。

5月に30度を超える気温は珍しいことで、それが全国各地で記録されました。特に30度以上の真夏日が続いた日数が、札幌で3日、東京都心と名古屋で4日、京都が5日で、これは過去に記録がないそうです。

昨年は、埼玉県熊谷市で7月に41度1分と日本の最高気温を記録しましたが、今年は5月でこんな様子ですから、この分では7月、8月にはどんなことになるのやら、もうこれを考えただけでもうんざりです。

ちなみに、世界の最高気温を調べると、あるはあるは、50度を超えるところは数えきれないくらい。最高は、アメリカ、カリフォルニア州にあるデスバレーの56度7分です。

これに比べたら、日本はこれでまだまだ暮らしやすいということになるでしょうが、年々記録更新では、やはり地球環境の変化が心配になります。

浜風と 日差しに耐えて スカシユリ

The sunshine of early summer is strong. The wind at the beach is cool and comfortable, but it is also strong. Enduring them, the Sukashi-Yuri is blooming beautifully and powerfully.

スカシユリは海岸の砂礫地や崖などによく見かけます。

ユリは普通下を向いているか横向きに花を開きますが、スカシユリは上を向いて咲いています。ユリとよく似たアマリリスは上向きに花を咲かせますので、ユリとアマリリスの判別に使いますが、このスカシユリもアマリリスと間違うところでした。

日本の海岸地帯に広く咲くので、その土地土地で呼び名も違います。

太平洋岸であればイワトユリ、日本海側ではイワユリ、場所によってはハマユリ。山岳地帯にも咲いていて、ミヤマスカシユリとかヤマスカシユリとも呼びます。

他の植物も余り生えていない、風も強いのに、何を好んでこんなところに花を咲かせるのか、人ごと、人かな?、ながら、心配になります。

適者生存、適地生存で何も心配することはないんで、スカシユリには適地なんでしょう。

スカイユリが花を咲かせているだけで、この殺風景な海岸風景が絵になります。

花菖蒲 真鯉緋鯉の 津和野かな

Tsuwano, which is called Sanin’s small Kyoto, is a beautiful town in the calm mountainous area of western Shimane Prefecture. In the center of the town, the old atmosphere of the castle town period remains, and in the early summer, the Japanese iris flowers are in bloom in the street canal and many colorful carps such as red, white, gold and black are swimming there.

山陰の小さな京都と呼ばれる津和野は、島根県西部の穏やかな山岳地帯にある美しい町です。 町の中心部には城下町時代の古い雰囲気が残っており、初夏には、白い漆喰塀を映した掘割に花菖蒲が咲き、その花菖蒲を掻い潜るようにして、赤、白、金、黒などの色とりどりの鯉が泳いでいます。

アマリリス 道行く人が 足を止め

One yellow Amaryllis planting on the street is in bloom. People who pass by the side always look at it because it is big and the colors stand out well.

街中の街路の植え込みに一輪のアマリリスが大きく咲いています。ひときわ目立ち道行く人が誰もが視線を送ります。

アマリリスとユリは見分けが難しく、このアマリリスも正直、アマリリスなのかユリなのか自信がありません。

一般的には、ユリは茎の途中から花を咲かせますが、アマリリスは茎の先に花を咲かせます。

分類上は、アマリリスはヒガンバナ科で、ユリ科とは異なります。アマリリスやユリとよく似た花にカサブランカもありますが、これはユリと近縁です。

さて、昨日、今日とアメリカのトランプ大統領の訪日の話題で持ちきりです。大相撲観戦と優勝賜杯の贈呈。令和天皇の歓迎式典。どれも日米友好には寄与することで歓迎します。

来年で戦後75年になるわけですが、この75年の歴史を振り返る時、歴史的な事件の積み重ねでもあり、国際関係は波穏やかではありませんでした。

今も、この2日、3日の出来事から離れ目を世界に広げれば、大波だらけです。この日米の友好関係をもとに、世界がもっともっと良い方向に向かって欲しいと強く思いました。