そよと揺れ レモンスライス 蝉の声


The heat has been lasting and a continuous chorus of cicadas sound all around. When Lemon-slices blooming in the garden sways in the gentle breeze, I forget the heat for a moment.
昨日8月9日は長崎に原爆が落ちた日です。
長崎、原爆で思い出すのは、藤山一郎が歌った『長崎の鐘』。今でも中高年がカラオケに行くと歌う人が多いと聞きます。
この歌には多くのエピソードがあります。
歌に歌われた主人公は、長崎医科大学の永井博士。
医療の最中に放射線を浴び、余命3年と宣告されたのですが、いっそう医療に励む中、1945年8月9日、長崎の原爆に被爆します。自身、ガラスの破片で大量出血したのですが、応急手当てをして被爆者の救援に向かいます。たくさんの被爆者の治療を終えて帰宅すると、最愛の妻が真っ黒こげで亡くなっていました。その首に架かっていたのがロザリオ。ご夫婦ともクリスチャンであったからです。悲嘆にくれるいとまもなく、被爆者の治療に当たる博士の姿に人々はイエスの姿を見たそうです。
戦争が終わり、博士はベッドに伏せる日々を送りますが、その噂はローマ法王にも届き、特使が見舞いに訪れます。天皇陛下も見舞いに訪れ、ヘレンケラーも見舞いに訪れます。
この博愛に満ちた博士を歌にしたのが、この『長崎の鐘』です。
作詞のサトウハチロウも最初は出版社の、ウケを狙った企画と断ったのですが、真相を知って全身全霊で作詞したとか。作曲を引き受けた古関裕而も同じです。
涼し気に揺れるレモンスライスを見ていて、ふと口ずさんだ『長崎の鐘』のことでした。