コスモスを 髪に挿してた あの先生

As I am watching Cosmos now, l remembered that our teacher had inserted cosmos flowers in her hair, when I had been an elementary school student.

日の当たる公園のベンチで、見るともなしにあたりに咲くコスモスを見ていると、ふっと小学生の時の先生の顔が浮かびました。

担任ではなかったのですが、新聞部の先生で、ご主人が特攻隊で亡くなり、綺麗で評判の先生でいらっしゃいました。

時々夜遅くまで、ガリ版で字を切ることがあったのですが、そんな時いつもおやつを下さり、それが楽しみで、「今日は残ってね。」と言われるとワクワクしたものでした。

そんなある日、秋だったんですね、小使室で焼き芋を作ってきた先生が、髪の毛に白いコスモスを挿して教室に入って来られたんです。

皆んなはどうか知りませんが、ぼくは、「きれい!」と思わず心の中で思いました。4年生か5年生だったと思うんですが、増せていたんでしょうか。いまでもその時の光景をはっきり覚えています。

学校の裏庭にサツマイモを植えていて、その横にコスモスが植わっていたんですが、そのサツマイモを掘って、そのときに採ったコスモスを髪に挿されていたんでしょうね。芋は小使室で焼いて持ってきて下さったんです。

小使室なんて、今の若い人たちには耳慣れない言葉ですが、学校住込みの用務員さんで、この小使さんがいいおじさんで、そこがいつも僕たちの放課後のたまり場になっていて、冬には熱いおうどんをいただいたり、この焼き芋をいただいたりしたものです。

もう僕がこんな年なんだから、先生も小使さんもお亡くなりになっているでしょうね。

秋風に優しくゆれるコスモスに、いつの間にか夕日が差し始めました。